キムラヨウヘイ「第二重賞の有力馬診断」中山金杯

第二重賞の有力馬診断とは

GⅠレースを始めとするメインレースだけではなく
その週に行われるもう一つの重賞もプロファイリング!
その一部を毎週木曜日に無料公開!
(※番組の関係上重賞でない場合もございます。)


中山金杯の有力馬診断の総まとめ


▽アドマイヤリード牝6横山典56須貝尚(栗東)
小柄ステゴ牝駒で強烈なピッチ走法が特徴的で、昨年阪神牝馬SにしてもヴィクトリアMにしても外の方が伸びる馬場だったからこそ得意とする一瞬の脚を生かしたインを突く競馬を高確率でできてしまう条件であり、尚且つこういう内不利馬場でも他の馬と比べて影響を受ける所が小さいという荒れ馬場巧者適性の持ち主であった分での激走でした。

その後は一瞬の脚を生かす競馬とのトレードオフとして詰まる競馬が多かったで結果を残せずでしたが、前走ディセンバーSでは小回りコース少頭数立てで持ち味を存分に生かせての久しくの激走。

今回も同様の一瞬の脚を生かす手でしょうが、前走からのマイナス要素としては距離延長と頭数増…あくまでも嵌まり待ちの身で人気で信頼できるかと言えば?


★エアアンセム牡8田辺57吉村(栗東)
コノ馬は結果的にOPクラスにまで出世した今から見れば力が違ったと解釈できる新馬戦を除けば、勝ち鞍は全て小回り1800~2000条件で、特に中山コースに良績集中しているのはエアデジャヴ─(エアメサイアやエアシェイディなど)の系統なので納得の話です。

準OPクラスでも馬券内を外したのは外回りコースばかりで、最後に勝利を決めたのは十八番の中山小回り千八コースでした。

OP昇級後は2走続けて不得手とする外回りコースで善戦して、小回り函館コース替わりで勝ち切りって、そして中山外回り二二コースで善戦止まりで、小回り福島コース替わりで前進好走という…ここまで全て上記で説明ができる戦績推移になっています。

前々走オールカマーでは(内回りや内を回る競馬でこその馬にとって)非内回りコースで外を回る競馬だった分でも、見た目にもラスト脚が止まってしまったのだと解釈もできます。

ただ、諸条件整っていた前走福島記念でも突き抜けられなかった辺りは能力の限界かも知れず、函館記念1着にしてもハンデ恩恵と完璧な立ち回りあっての勝利だと思えば…ココは条件GOODなので嫌う必要はありませんし好走までは最も近い存在と見ますが、勝ち切るまでは運の後押しが欲しい。


―クレッシェンドラヴ牡5○○52林(美浦)
3走前は揉まれる競馬で凡走。
2走前は距離二五で掛かって凡走。
前走は距離短縮且つ外目スンナリ競馬で好走。
今回もまずは揉まれない競馬が前提で、となると久しくの多頭数戦競馬は危うい材料に。


▽コズミックフォース牡4石橋脩56国枝(美浦)
近年ダービーでの[内枠][先行]での穴激走馬を全て挙げると、直近年から「マイスタイル・エアスピネル・サトノラーゼン・マイネルフロスト・アポロソニック・ペプチドアマゾン」…つまりはそのダービー激走はフロックだったと言いたくなる様な、その後の戦績案外馬ばかりという有り様です。
逆にダービーをキチンと差して好走した馬はその後も信頼が置けるというコトです。

それを根拠にして、まともならば差し切り寸前だったブラストワンピースに毎度高評価見解をし続けましたし、4着エタリオウのその後からも上記は納得できる話だと思います。

その逆の内枠先行好走馬コズミックフォースの場合には残念ダービー好走馬の疑いが懸けられますので・・・。


▽タイムフライヤー牡4和田竜56松田国(栗東)
一応G1馬の肩書きの持ち主ですが、そのホープフルSが本当にG1としての価値あるレースだったのかと言えば否としか。
そもそもホープフルSは忖度というか殆どお上の不正判定によってG1昇格したレースでして、前走初勝利馬が大量に出走してくる様なメンバーレベルもそうですし、例年の皐月賞と秒単位で異なる決着時計からも現代競馬で要求される方向性からは外れた異質レースでした。
だからこそG1馬になれたと言えるのがタイムフライヤーです。

元から王道路線で通用するスピードや瞬発力があるかと言えば疑問大きくて、だからこそ一線級路線から降りて中山金杯というのは合いそうと言えば合いそうなのですが…ですがそれ以上に18年3歳世代馬旋風によって相当人気上乗せがされそうな点で食指は動きません。


★サンマルティンセン7マーフィ56国枝(美浦)
まずは昨年小倉記念時の有力馬診断を参照↓
『搭載しているエンジンは重賞級。
前走準OP勝ちにしてもトップジョッキーの腕を以てしてでも折り合い付けるのに相当苦労して、最大パフォーマンスの何分の一かの走りで勝ち切るという省エネ辛勝だった。
前走は左回り外回りコースだったが、乗り易さで言えば右回り小回りコース替わりはプラスに作用するはずで、まともならば即重賞で結果を出せても良い馬だ。』
・・・
その昨年小倉記念は右回り小回りだった分で最大パフォーマンスを余す所なく出せるという状況で、そして上記のハイペース展開により暴走・暴発も防げるという好シチュエーションで、完全燃焼に近い2着だったかと思います。
ただ、完全燃焼とは言えども完璧だったワケではなく、それは自身のレース振り限定されるせいだが勝ち馬に対して不器用で荒い競馬になった分での敗戦だった感は否めません。

4走前福島記念は枠順が外に追いやられて&ペースがスロー寄りに流れた分での折り合い破綻自滅凡走。

3走前都大路Sは今後はペースが流れてくれた分で後方折り合い専念からの完勝。

2走前小倉記念はまたもペースがスロー寄りに流れた分で、そこで自在に動けぬ弱みを見せての後方ままの敗戦。

まとめると折り合い面が全てと言える近況です。

それが今回大丈夫か否かは枠順・展開次第でしょうが、そのせいで汚れ続けた馬柱から大分基礎人気が落ちている模様で・・・まともに走れれば重賞級という馬の人気落ち局面と見れば妙味存在に思えます。


△ストロングタイタン牡6大野57池江寿(栗東)
まずは前走中日新聞杯3着後の次走チェック馬見解を参照↓
『レースでは序盤はまともに掛かって、そして直線でもササる面を見せるなどチグハグなモノ…それで展開ド嵌まりの2頭には大差を付けられた結果というのはその着差よりは弱い競馬ではなかったはず。
次走以降については、毎年寒い季節になると調子を落として、暖かい季節に調子を上げて活躍する傾向ある馬ですので。
前走小倉記念前に池江師が「40度くらいになると本当にどんどん馬が良くなる」「レース当日は40度以上になってほしい」と言っていた通りです。
今回はレース当日は寒い日でしたが、それまでの調整過程はまだ秋気候の範疇で、それで状態面の問題なく出走できていました。
次走以降も連戦していく模様ですが、やはり冬場の調整過程でも結果が出し続けられるのかは懐疑的です。』
・・・
前走中日新聞杯の週中までは秋の気候、それ以降は冬の気候…それで例年の様な状態落ちがあるのか否かが大きなポイントです。
下記ツイートの通り、池江師が今回新たに取り入れるライトコントロール(照明で人工的に日照時間増)が成功すれば・・・。
https://twitter.com/jou_syou/status/1079297585712513024


▽ナスノセイカン牡7ブロン55
コノ馬の特徴としては左回りオンリー性質と叩き一変体質が挙げられます。
前2シーズン共に休み明け初戦では全く走れなかったトコロから2戦目での一変劇。
前シーズンも走れないで元々の長欠明け初戦右回り戦を叩いて、2戦目新潟大賞典で条件好転一変劇というコトでした。

ただし、その3走前新潟大賞典は外回り二千重賞らしい“全馬外回しで内が恵まれる”というレース展開にも恵まれた3着であったコトは否めません。

今回は休み明け初戦をドン詰まり競馬しての2戦目という過去に照らせば変わり身有り得るタイミングではありますが、左回りで最高の競馬をした昨年新潟大賞典3着を思えば右回り重賞では足りない可能性が高いだろうと。


―ブラックバゴ牡7戸崎56斎藤誠(美浦)
前々走函館記念は長欠明け初戦で仕上がり途上・太目残り。それとその前の中山金杯では最後方競馬で調教師から苦言を呈された岩田騎手だけに、逆に出して行く競馬を選択…結果的にはそれで馬と喧嘩してしまったのが大きく響いた結果でした。
その前後の折り合い付ける競馬ができた前走オールカマーでは6着・3走前中山金杯では4着。
乗り難しい馬ですが、嵌まれば重賞掲示板級という馬…昨年4着実績で穴人気模様とすれば過大評価かなと。


▽マウントゴールド牡6武豊56池江寿(栗東)
前走チャレンジC時の馬場は内有利傾向で、ペースは逃げ馬&番手馬を除く実質馬群はスローペース気味…マウントゴールド武豊騎手は無理な仕掛けをせずに冷静に有力馬が構えている差し勢を抑える先行抜け出し競馬での2着好走でした。
その前のオクトーバーS1着も小倉記念3着も、どれも前が恵まれる競馬での連続好走です。
それの再現ができるのが武豊騎手ですが、馬の能力としてはそこまで上位とは言えないはずで・・・。


―ヤングマンパワー牡7丸山57手塚(美浦)
スンナリ系馬。
前々走京成杯AHは向かい風強風を真っ向に受ける道中外ポジショニングから、不得手とする右回りでの挙動も怪しくて…総じて度外視できる敗戦と見ます。
前走富士Sは「中外枠スンナリ先行競馬ならば掲示板級(あわよくば3着)あっても良い」と診断しましたが、若手の有望株と言われながらも特別戦141戦0勝の平場専用騎手の武藤雅騎手には荷が重かった様で…10番枠から馬群内へと誘導して直線でも内を突いてから馬の気分を害し続ける競馬での惨敗。折り合い重視で運んだとの弁ですが、だからこそ馬群から離れた競馬をすべき馬だと思うのですが・・・。
つい3走前関屋記念では4着善戦した通り、乗り方次第ではまだ可能性残している馬と見ていますが、小回りコース且つ右回りコース且つ多頭数戦では好競馬の想像は難しくて・・・。


★ウインブライト牡5松岡58畠山吉(美浦)
昨春大阪杯敗戦後は札幌記念参戦予定で調整が進められていたが、その帰厩直後に追い切りに騎乗した松岡Jの状態不良の進言あって参戦白紙=再放牧に出された経緯。

そこから間隔空いた前々走富士S前にも、1週間追い切り騎乗後の騎手コメントは『右トモが気になる~富士Sを使って状態が上がるコトを考えて調整したい』という、微妙なジャッジな下されていました。

ただ、ようやく順調に使えて2戦目の前走マイルCSは状態前進模様で、それに比例するようにパフォーマンスもグッど向上させてきました。

そこでの着順こそ平凡な9着止まりですが、本質的に外回り瞬発戦は不向きのコノ馬にとって有難くない流れで、やはり直線ではトップスピード負けしていながらもラストまでジリジリと脚を伸ばし続けた内容は評価できます。

今の上り調子状態で本領の小回り中距離コース戦ならばチャンス十分と見ます。