キムラヨウヘイ エリザベス女王杯の有力馬診断

※印は[★激走候補~△有力~▽軽視~―無印」を表します

―ウインマイティー 牝3 和田竜 54 五十嵐(栗東)
―ウインマリリン 牝3 横山武 54 手塚(美浦)


秋華賞の前哨戦段階から“桜花賞Hレベル説・オークス凡戦説”を展開しましたが、オークスで全く力を出せていない自滅大敗馬の巻き返しは別として、オークスで力を発揮して善戦して注目を集めた馬の中で、今秋好走結果を残したのは圧倒的少数派になっています。
同様のコトを指摘して軽視した前走秋華賞では共に人気を背負いながらも凡走を喫しましたが、オークス激走よりもその秋華賞凡走の方がこれらの馬の実態に近いと見ますので…古馬牝馬も混じり更に相手関係強化されるココでの浮上は望み薄。


▽ソフトフルート 牝3 福永 54 松田国(栗東)
まずは前走秋華賞時の◎見解抜粋を参照↓
『~実は低レベルな3歳世代限定戦の中で生半可な結果を残してきた馬よりも、実は相対的にレベルの高い古馬混合の上級条件クラス戦で結果を残した馬を評価するのも大アリでしょう。
少なくとも例年と比べれば、前者の既存勢力に対して、後者の上がり馬の通用可能性が高いのが今年の同路線の情勢ですし。
現に秋華賞の最有力ステップレースであるローズSでも、例年ならば春クラシック実績馬が上位を占めるところを、今年は前走古馬混合1勝クラス戦好走馬が2頭も馬券内に食い込むという波乱決着でした。
それも3歳世代限定戦における既存勢力の脆弱さが引き起こした事態と考えられるだけに、この本番秋華賞でも同様に上がり馬の台頭があってもおかしくないでしょう。
よって、馬券的に注目したいのは“夏場に古馬混合の2勝クラス戦を勝ち上がってきた馬”となりますが、その中でも最も魅力的なのがソフトフルート~』
・・・
前走秋華賞で何で◎を打ったかと言えば、一言で言えば現3歳世代の既存勢力のレベルに疑問があり、上がり馬の方に優位性があるという見解からでした。
結果的にも秋華賞は上位6頭中4頭が春クラシック不出走組が占めたというわけです。
ソフトフルートはその現3歳世代の既存勢力(今となっては旧勢力と言った方が正しいのかも知れませんが)に対しては相対上位の能力を示したワケですが、今回はそこからまたステージが上がって古馬との戦い。現状では古馬はよりレベルが高い勢力と見られますので、今時期の成長力や軽斤量などを踏まえてもこのステージでも通用する論拠については不足していると言わざるを得ません。


―ウラヌスチャーム 牝5 斎藤 56 斎藤誠(美浦)


・・・
不器用ルーラーシップ産駒で、これまでの戦績を頭数別に分けると「◎少頭数戦[5-3-0-2]⇔△多頭数戦[0-1-0-9]」の通り一目瞭然。
5走前メトロポリタンSは少頭数・大箱・大外枠と条件が揃いまくった上で、横山典騎手の必死のパッチで何とか何とか逃げの手に出られた形で、やはり本来はそういう先行策は容易にできる馬ではないというのがコノ馬の本質です
3走前札幌日経OPでも後方競馬はやはりと言ったトコロで…不器用な所のある馬なので小回りコースで押し上げも叶わずに、ラスト3Fは勝ち馬に次ぐ上がりも全く間に合わずという結果に。
前走新潟牝馬Sは頭数減と各馬が内を空けるレースとなり、不器用な馬でも容易く進出できるという幸運の後押しもあっての激走。
フルゲート多頭数戦&内有利馬場のココでは、不器用に大外回し競馬になって良い脚を見せるも届かずの結果が目に見えています。


―エスポワール 牝4 武豊 56 角居(栗東)
前走新潟牝馬Sは同距離のエリザベス女王杯へのステップレースとして新設された一戦ですが、蓋を開けて見れば有力馬は府中牝馬Sへ向かい、新潟牝馬Sは半数近くが格上挑戦馬というスカスカのメンバー構成戦に。
そこで2着は死守したものの、上記のウラヌスチャームには1秒差を付けられて、格下馬にも力を見せられなかった内容は大分物足りないモノでした。
急坂阪神コース替わりはプラスとしても、本年に入ったからのレース内容的には強調し辛くて、元来人気になりやすいタイプだけに妙味的にも無し。


▲サトノガーネット 牝5 坂井瑠 56 矢作(栗東)
距離二千以上で差し決着ならば現級3戦して1着2着着とオール好走で、そうでなければ(距離二千未満or先行有利決着)オール凡走…矢作厩舎らしく今春は更なる高みを目指してマイル路線挑戦された分で馬柱が汚れていましたが、実は得意条件に絞ればそんなに悪い馬柱の馬です。
昨年エリザベス女王杯は超スローペースで後方馬には出番無しのレースとなりましたが、そこでも勝ち馬に次ぐ上がりはコノ馬でした。
今年も差し追い込み有利レースになるとは想像し難いですが…もしもそうなった暁には無きにしも非ずの一頭と見ます。


▽センテリュオ 牝5 戸崎 56 高野(栗東)
前走オールカマーは、やや外有利の馬場状態と、結果的に2頭しかいない牝馬のワンツー決着となった通り“牝馬の斬れ”がモノを言うレースになった分での勝利でした。
昨年夏は準OP勝利して中2週で挑んだマーメイドSで1人4着だったり、今春の中6週で挑んだ大阪城S1人5着だったり、間隔を詰めたローテでパフォーマンスを落とすケースが多い馬で…前走オールカマーは夏以来の実戦での激走でしたが、今回はつい3走前でも崩れた中6週ローテとなる点が鍵に。


★ノームコア 牝5 横山典 56 萩原(美浦)
妹のクロノジェネシス同様に間隔を空けたタイミングでパフォーマンスを伸ばしてきている馬。
3歳秋の紫苑Sだったり、4歳春のヴィクトリアマイル1着・4歳秋の富士S1着など過去7連対は全て間隔が空いたタイミング。
流石に3走前高松宮記念は例外で、そこで早々に諦められた分で次に余力を残せて2走前ヴィクトリアマイル好走に繋がりましたが。
その後は無理せずに休み明けで札幌記念を使って勝利、そして今回もまた休み明けローテでエリザベス女王杯挑戦という経緯。
横山典騎手の手応えとしては距離二二のエリザベス女王杯よりも距離二千の天皇賞秋だったとの話ですが、それでも多少距離が長いとしてもこの得意ローテでこの相手関係ならば順当好走が濃厚で。


▽ラヴズオンリーユー 牝4 Mデムー 56 矢作(栗東)
前走府中牝馬Sは道悪と叩き良化型の矢作厩舎の始動戦という情状酌量できる要素はありますが…そうは言っても昨秋エリザベス女王杯3着は恵まれた結果で、3走前VM7着は惜しい競馬でもなく…結局は1年間以上もパフォーマンスを更新できていないディープ牝駒だけに、ずっと同じコトを書き続けていますがまだ人気先行感ある馬という見方になります。


△ラッキーライラック 牝5 ルメール 56 松永幹(栗東)
2走前宝塚記念ではトーセンスーリヤの欄の通りの外差し決着を内先行競馬でよく粘った方の6着で、その約1年振りの凡走というのもそこまで悲観は要らないモノです。
ただし、3走前大阪杯は本領発揮していなかったクロノジェネシスを除けば大分低調な相手関係だったと言うべきで、前走札幌記念もペルシアンナイトにも差されるというのは案外で…結局スミヨン神騎乗のエリ女以外では散々取りこぼしてきている馬です。
気難しいオルフェーヴル産駒らしく、1人気で勝ち切れず、伏兵立場で一発を見せてきたという経緯で…右回りだとモタれる面もあって、それもあって昨年エリ女や本年大阪杯みたく内でジッとしている競馬でこそ一番高い打点を繰り出せるというのもあるかも知れませんが、いずれにしても信頼できる1人気馬とまでは言えないか。


▽リアアメリア 牝3 川田 54 中内田(栗東)
まずは前走秋華賞時の有力馬診断を参照↓
『中内田厩舎は昨秋シーズンもローズSをダノンファンタジーで制覇していましたが、本番秋華賞では1人8着と人気を裏切りました。
当時ダノンファンタジーを軽視したのと同根拠で、リアアメリアの前走ローズS勝利も中内田厩舎特性が最大限発揮された結果と見るコトができますので…それを本番G1でも持続できるかと言えば疑問符が。』
・・・


2走前ローズSでは前哨戦&鉄砲戦で強い中内田厩舎馬らしい激走で、前走秋華賞ではその裏返しで連戦&本番戦で伸びしろを見せられずという敗戦。
ただ、秋華賞はそれとは別に最内枠競馬も辛かったはずなので見直せる余地はありますが、そこから続戦3連戦目にしても、再度右回りにしても、距離延長にしても今回も条件は良いとは言えない分で…。


―リュヌルージュ 牝5 団野 56 斉藤崇(栗東)
4走前中山牝馬S2着は自身の道悪適性と、有力馬の自滅が相次いだのと、斤量50キロというのも大いに味方した結果。
2走前マーメイドSはレースレベルEの通り上位6頭中4頭が格上挑戦馬という半3勝クラス戦という相手関係に恵まれた結果。
非道悪馬場で斤量恩恵もないとなると到底太刀打ちはできない。


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