キムラヨウヘイ キーンランドCの有力馬診断の総まとめ(後編)

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

―スターオブペルシャセン5内田博56藤沢和(美浦)
まずは月曜掲載文「[関屋記念]から特注馬[スターオブペルシャ]~追ノンコノユメや逃グリムはできても、掛スターオブペルシャはできない剛腕ウチパク~」を参照↓
『折り合い不安馬で、前々走谷川岳SはHペース内枠中団競馬で本領発揮激走も、前走パラダイスSでは外枠先行も主な敗因として一転大敗していた経緯。
今回も最終追い切りで掛かったコトで意図せず単走追い切りになってしまうなど戦前から怪しい雰囲気あって、その上で(ノンコノユメやグリムなど極端競馬では仕事できても)繊細な騎乗はできなくなっている内田博幸Jの手による出負けからの仕掛け先行策で折り合いチグハグな面は否めなかった。それでいてペースも厳しかったとなれば、この失速劇もやむを得ない面もあったはず。
一度リフレッシュさせて、折り合い重視の競馬ならば変わってくる可能性は十分。』
・・・
単純に距離短縮は折り合い面ではプラスに寄与する可能性はありますが…だからと言って本質的なスプリント適性は未知数ですし、そしてリズム崩してから中1週の長距離輸送ローテも良いとは思えないので…。


△ティーハーフ牡8国分優56西浦(栗東)
まずは前々走鞍馬S12人1着時の◎推奨見解(抜粋)を参照↓
『(中略)よって、このコースに於いては邪道とも言える外枠差し馬狙いで◎ティーハーフ

コノ馬の好走凡走リズムの一つには季節要因があり、寒い季節に不振を重ねて、暖かい季節に復調好走を見せるという傾向が認められる。

3歳秋冬&4歳冬に5連続凡走→5歳春初戦から5連続好走
5歳秋冬に3連続大敗→6歳春2戦目で高松宮記念プチ激走から諸々噛み合わず好走こそできなかったものの見せ場ある走りを連続
6歳秋冬も季節に比例してパフォーマンスを落として、7歳春初戦で高松宮記念4着激走から5連続善戦
そして昨季に当たる7歳秋冬シーズンを3連続大敗
・・・というココまでの経緯。

その近3走を見ると負け過ぎなのですが、これまで毎年の様に二桁着順から翌春シーズンにはG1善戦する様な変わり身を見せてきた馬なのです。

昨年鞍馬Sでも17頭立て7枠大外回し競馬で3着まで0.1秒差5着まで食い込んで来ました。
本年はそれよりも頭数減あり、差し利くシチュエーションであり、キチンと逃げ先行馬も揃っています。
コノ馬が走れる状態にさえあれば、ココでも馬券内を狙えるだけの馬だと見ます。

春初戦変わり身ケースと2戦目変わり身ケースがあるので無難なのは叩いた次なのでしょうが・・・そこは割り切って先物買いのココで◎推奨します。』
・・・
前年春夏シーズンは「高松宮記念4着→OP4着→OP5着→OP3着→重賞4着」というOP特別級ならば全然評価に値する戦績を残しており、そしてそれ以降の秋冬シーズンは「OP13着→重賞18着→重賞13着」という一転低迷戦績でした。

その後者低迷戦績を引き摺る形で春初戦を12番人気という人気薄で迎えたワケですが、この馬は典型的な夏馬だという視点で見れば、つまりは季節馬フィルターを通れば“秋冬低迷戦績は目隠し”で見れば…誰でも全然買えただろう戦績馬でした。

ティーハーフは3歳シーズンから前年7歳シーズンまで、例外無く“春夏好調→秋冬低迷→→春夏好調…”という凹凸戦績を辿って来た確度相当高い季節馬だったワケですが、私が見た限りでは世間一般ではその様な捉われ方・扱われ方は全くされていませんでした…こういうオイシイ馬が季節馬にはザクザクあるという印象です。

その鞍馬Sは自身本領発揮と共に展開の助けもあっての激走でしたが…上記の春夏戦績の通り展開一つでいつでも食い込めるパフォーマンスは常に・連続でしてきているのがティーハーフという馬です。

前走函館SSは夏なのに完敗というレアケースでしたが、鞍馬Sレース中の落鉄の影響でその後に調教緩めた期間有&エクイロックス仕様で果たして走れる状態に整っていたのか疑問もありました。
そこの部分を確認できないのが困りものですが…やはり冬季節連続大敗の影響で基礎人気が落ちている今は妙味ある局面が続いている一頭とは思えます。


△ナックビーナス牝5モレイラ54杉浦(美浦)
まずは前々走高松宮記念3着時の有力馬診断見解を参照↓
『コノ馬は常々“距離1200で内(イン)で競馬をすればパーフェクト戦績”と書いてきました…それには非内(非イン)の競馬をするとすぐ気を抜きがちで力を出し切る競馬が難しいからなのですが、その意味で近2走は共に痛恨の7枠からの競馬で決して真面目に走り切った競馬では無かったと思います…それでも僅差入線は偏にコノ馬の地力によるモノであると。
そういうタイプだけに常に1着は遠いワケですので、コノ馬にとって2着好走というのは勝ちに等しい競馬はしているというコトになります。
その着差0.1秒差内の2着3着はこれで実に近1年で5度目にも…そんなコノ馬の惜敗力は相手関係が手強くなってこそ妙味・魅力を見出せてくる要素と言えるでしょう…全力を出し切らずにOP特別&G3レースで2着3着を量産という経緯…それならば仮にG1レベルにまで相手強化されても、それ以前の格下戦と案外遜色無い好着順結果を残せるという可能性はアリと言えるのではないでしょうか。』
・・・
高松宮記念は全体で見れば内(イン)の競馬ではありませんでしたが、それと同等の効力を発揮する競馬の形…長い直線丸々全てを勝ち馬ファインニードルの内で併せ馬に持ち込めた競馬の形が最たる好走要因と言えるでしょう。
それは偶然の産物ではなく三浦Jの意図ある判断でした…もしもファインニードルが勝ち馬ではなく垂れる馬だったならば例の如く外で一人ぼっちの形で垂れていたはずですから、今回は三浦Jが低い確率でしか手にできない正解を見事引いたという好判断の賜物=お手柄騎乗として称賛すべきでしょう。

前走函館SSは1番人気という立場もあってかやや安全策競馬で、結果的には直線で一人ぼっち区間ができてしまった分だけ伸びきれなかった印象も。
逃げ馬セイウンコウセイには併せられず、そして分の悪い差し馬にしてやられたという3着でした。

その高松宮記念3着の威光もあって引き続き大人気となる今回については…もうお分かりかと思いますがG1でもG3でもOP特別でも0.1秒差(2~3着)というのが定位置で、それよりももう一つ上の着順に持って行くのは相当至難であるという馬です…相手弱化戦ならば頭馬券を嫌って妙味でしょう。
あとポイントは鞍上モレイラ騎手…インで矯めるコトが重要なコノ馬の特性にマッチする騎手とは言い難いですし、もしもモレイラ騎手に騎乗一任ならば必然的に墓穴を掘る恐れもありそうで…。
何れにしても大人気の場面で頭で買うべき馬でありませんので、何かに差される着順というのが一番高確率です。


―ノットフォーマル牝6○○54中野栄(美浦)
直千条件というのは異質条件として扱われており、故に適性面の左右も大きいですし、更には普通の馬はわざわざ出向かないという低レベル戦の巣窟となっています…ノットフォーマルが5連続二桁着順大敗を挟んで直千条件の韋駄天Sで2着激走を果たしたのはそんな側面も大きいはずです。
その2着にしても、並のOP特別の相手関係ならば掲示板にも入れない様な低調パフォーマンスレベルでした。
ただただ弱い馬…それだけです。


▽ヒルノデイバロー牡7四位56昆(栗東)
コノ馬は他馬を気にする面がある馬で‥・
例えば昨夏は[UHB賞で少頭数競馬でスンナリ好走→キーンランドCは内枠競馬で逆噴射→オパールSは外枠先行で巻き返し]という経緯だったり。
前々走スワンSは再び内枠を引いて危うい局面だったが、主戦騎手としてようやく癖を掴んでいた四位J騎乗だったのと、全馬が外に持ち出す形だったが故に極端内枠ながらもノーストレスの競馬が叶うという幸運あっての2着激走だったり。
3走前2走前は非スンナリで連続ワケ有り敗戦で、そこで人気底値と◎を打った前走函館SSでは『序盤から出して行って上手く外好位の揉まれぬ位置取りを確保して、ハイライトは4コーナー…あそこで包まれたら終わりというトコロでライトフェアリーを突き飛ばしたシーンが最大の勝因と言って良いでしょう…こんなスンナリとした競馬ができた際には常に安定結果を残せていた馬なので、今後もそれが最大の取捨判断要素になるでしょう。』という四位Jファインプレーでの一転激走でした。
再び外枠を引ければスンナリ連続好走の目も考えたいですが…やはり定石としてはそう簡単に連続して上手くは行かないという方も考えなければならないタイプです…それこそオッズとスンナリ確率を天秤に掛けて…ですね。



━━━(前編)はこちらに掲載しています。

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