キムラヨウヘイ ジャパンカップの有力馬診断

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

―ウインテンダネス牡6田辺57杉山(栗東)
生粋の叩き良化型で、休み明け初戦はカラッキシ走れない馬。
3走前目黒記念はそれに加えて、一頓挫あっての復帰戦で仕上がり途上感ありありでした。2走前夕賞は連戦でも距離二千と右回りで敗戦。前走アルゼンチン共和国杯は、その前に京都大賞典を踏み台に挑む予定も落馬により実質休み明け初戦ローテでの敗戦。
今回は叩き2戦目且つ左回り東京という走れる条件ですが、能力的な話をすれば相当展開に恵まれた昨年アルゼンチン共和国杯4着止まりがMAXでは…何があっても足りないレベルの馬になるか。


△エタリオウ牡4横山典57友道(栗東)
まずは3走前天皇賞春回顧文を参照↓
『折り合い不安エタリオウと折り合い不安デムーロ騎手のコンビで、予想通り(予想以上に)前半は恐る恐るの騎乗により後方に置かれて、それ自体はとにかく乗り難しいエタリオウならば致し方無い戦略でしょうが…。
そして道中押し上げのタイミングも機を逸して全体的にペースが上がっている中でのやや無理目なオーバーペースアップとなってしまいましたが、やはりこれ自体も自由自在な騎乗が難しいエタリオウだけに鞍上をそう責めるべきではありませんが。
もしも後方位置取りにしても最小限にして、道中押し上げのタイミングもあと2Fほど早ければ全く違った結果も有り得たかも知れません…が、そんなゲームみたいな思い通りの騎乗を押し通せるエタリオウでは決してありませんので。
スタミナ抜群としてもやはりこの乗り難しさはどこまでも付き纏う馬だけに、距離短縮局面で買いたいです。
ただし、それにしても前走日経賞では好位競馬で伸びきれなかった通り、いずれにしても後方位置取りでの一脚勝負でこその馬でしょうから、嵌まり待ちは必須…弱面相手で信頼できる馬ではないし、逆に強敵相手に一発を狙える馬という馬券的な付き合い方がベターでしょう。』
・・・
2走前宝塚記念は連戦疲労で力を出せなかったとの話。
前走京都大賞典は内有利馬場の内前残りレースを最後方からではノーチャンスだったレース振り。
その前走時も『何よりも乗り難しい馬(折合△・右回り△・ソラ使う)で、強敵相手に一発を狙う局面ならまだしも弱面相手に上位人気するタイミングで信頼すべき馬なのかと言えば否』と書きましたが、それに則れば相手強化で人気落ち・横山典J3度目騎乗の今回こそ、何かあるかも知れないムラ駆け馬として買うべき局面とは思います。


★カレンブーケドール牝3津村53国枝(美浦)
これはオークス後から一貫した見解ですが、3歳牝馬の頂点馬はコノ馬と見ています。そして、秋華賞予想時に記した通り、その最高の姿は今シーズンは見せるのは難しいのではないかと見ていました。
秋華賞では2着に好走しましたので、当時の見解についてはガセネタ等の言われをしましたが、秋華賞1着クロノジェネシス・3着シゲルピンクダイヤ・4着シャドウディーヴァという好走馬の低調な顔触れからも、冷静にパフォーマンスを見ればオークスよりも1枚落ちだったのは間違いない所だったと思います。

(※例えば昨年秋華賞に挑んだ際のアーモンドアイも、後日談では1週前の蹄負傷で「回避覚悟の状態だった」と明らかにされていますが、それはレース前の時点ではシルクの公式サイトも含めてどの媒体でも扱われていませんでした。私を含めて一般競馬ファンは誰も知っていなかったはずです。
もしも当たり障りのない情報だけを得たければ、大本営の息がかかった媒体だけを見れば済むワケですが、恐らくはウチを覗かれるという方ならそうではないニーズが高いと思いますし、それに応える為にも私は(内部者しか知り得ないインサイダー情報以外の)陣営コメント・映像・ニュース・画像・調教過程など総動員して深層に辿り着くべくやっています。)

今春シーズンは蹄不安なく追い切りもウッド主体でバリバリやれていました。
それが今秋復帰戦の紫苑Sでは蹄にレベルの高い補正を施して姿を現して、低調な組み合わせにもかかわらず3着止まりという体たらく結果に。それは陣営曰く交突(前脚と後脚の追突)の影響との話しでしが、前走秋華賞に向けても依然としてワケ有りの証である坂路オンリー調教で、当日にはテレビ画面からも視認できる程に広い範囲に補正を施しての出走態勢。
結果として、叩き2戦目で内面の良化は顕著で好走したのでしょうが、それでも異状を抱えたままの蹄問題が根本なのかオークス当時のパフォーマンスには及ばずでした。

紫苑S以降の蹄不安は事実(それに伴ってのパフォーマンス劣化も事実)、国枝厩舎の坂路調教とウッド調教の成績格差も事実…そんな中での秋華賞善戦から、今回ジャパンCに向けては今秋初めてウッドコースで調教時計を出してきました。
あとは最終追い切りの調教場に注目…もしもウッドコースで本追い切りをこなせる様ならば、秋華賞よりも走れる状態と見たいです。


★スワーヴリチャード牡5マーフィ57庄野(栗東)
まずは前走天皇賞秋時の有力馬診断を参照↓
『ハーツクライ産駒を本領発揮に導くには馬を動かす技術が重要で、外国人騎手⇔日本人騎手の差が顕著に反映されます(芝重賞での前者好走率7割⇔後者1割台)。
(逆にディープ産駒などキレ優先の馬の場合には、そこまで外国人騎手と日本人騎手の差異は無い。)
今回は横山典Jに乗り替わりとなりますが、上記に則れば決してプラスとなる材料ではないだろうと。
また、これまでデムーロ騎手が自分仕様に粗く乗り回してきた馬だけに、その後任というのは余計難しさがあるはず。
横山典J自身も馬とのコンタクトを重視する騎手で、テン乗りで一発決めるタイプではなく、継続騎乗の中でその馬の良さを引き出す騎乗で好走に導くという騎手(本年重賞好走例もほぼ全てソレ)。同じく波紋を呼んだG1乗り替わり一発目ではエタリオウ・ゴールドアクターが挙げられますが、そんないきなりミラクルをしてくる騎手ではないので…。』
・・・
その天皇賞秋は勝ちに行く騎乗ではありませんでしたが、G1の横山典Jらしく丁寧な騎乗で、次に繋がるレースではありました。
それを踏み台にしてハーツクライ産駒と好相性の外国人騎手起用のココは勝負できる局面だと解釈できます。
昨年も秋天凡走からJC好走した様に、ローテ的にも舞台条件的にもココは言い訳はできない場面で、相手関係的にも好勝負可能。


―シュヴァルグラン牡7スミヨン57友道(栗東)
昨年有馬記念の本命馬…当時の激走はボウマン様様の内容で、先行策予定も即控える競馬に切り替えた点・大外枠発走から極力コースロスの無い競馬に徹した点が功を奏して、極端な消耗戦になった分で最後まで脚を伸ばし続けられる特性を生かして3着にまで食い込めました。
加齢とともにスピードは徐々に衰えて行くはずですが、晩成ハーツクライ産駒だけにまだまだスタミナ面ではなだらかな下降が想定されます。また昨期も叩き3戦目で本領発揮となった通り、やはり高齢馬ならではの多方面での鈍さは否めません。
本年ももし狙えるとしたら、海外帰り初戦の高速東京条件よりも、その次の有馬記念の方だろうと。


▽ユーキャンスマイル牡4岩田康57友道(栗東)
前走天皇賞秋は如何にも距離二千が短かったというレース振りでの4着健闘…ただしそれは見え見えだったという点で今回は大人気する模様。
何だかんだ言っても本年はレベルの低いG3レースでだけ勝利して、G1では馬券内に足りていないという馬…消去法ではコノ馬が最も来られそうには思えますが、(近況は別として)馬の格としては他に上回る馬は少なからず居てるはずで…週中時点では後者の発掘を優先して推奨馬を見付けたいですが。



―マカヒキ牡6武豊57友道(栗東)


凱旋門賞遠征の影響か、又は母系の血(きょうだいの行き着く所はダート馬と道悪巧者)なのか…年齢を重ねてからのマカヒキの領域は低速決着戦。
スピードが問われると昨秋天皇賞秋&本年天皇賞秋みたくカラッキシ駄目で、4走前京都記念のような馬場悪化して速力問われなくなって浮上という近況。

2走前宝塚記念は重い馬場になるとのイメージ先行(←決して当週の馬場に則しているとは言えない誤り)から相当穴人気していましたが、実はその前の大阪杯時の馬場よりも数段回も速い馬場だったのが真相でした。また、序盤から追走できていませんでしたが、それにしても実は自身は近走と同じ程度で走っていたら、周りが速かったから相対的にそうなっていたというのが真理でしょう。

その大敗結果からもやはりスピード性能低下は明白…マカヒキ自身は一貫した走りをしているワケですのでまた低速レース参戦ならば重賞級ではまだやれるはずですが、そうはなってくれない東京コース良馬場予報では難しいでしょう。


▽ワグネリアン牡4川田57友道(栗東)
まずは大阪杯時の有力馬診断を参照↓
『近年のダービーは内枠馬・先行馬有利で、それに恵まれて好走善戦果たした馬のその後成績は不良で、逆に差し追い込みで上位入線を果たした馬ほどキチンと本物馬であるというコトが言えます。
ワグネリアンの場合には位置取り的には先行でも、大外枠克服でしたし先行して“差した”という競馬なので別にそこまで卑下するモノではありませんが…それでもスムーズならばもっとやれたブラストワンピースや万全ならばもっとやれたダノンプレミアムや後方競馬エタリオウとの比較では決して抜けたダービー馬ではないとの見立て。
クラシックシーズン活躍しても古馬以降に同様の活躍をした例は未だに0例と言っても良いディープ牡駒で、特に早熟傾向が強いディープ×キンカメ配合でどうなのかという面もあります。』
・・・
大阪杯3着・札幌記念4着・天皇賞秋5着…決して悪い戦績ではありませんが、ダービー馬との目線で言えば物足りない戦績なのは事実…そして上記の通り今更伸びしろを見出し辛い背景馬ですのであまり期待はしたくない。
それに加えて何だかんだ順調に使えてきていない馬が、ココよりも勝負だっただろう天皇賞秋を馬体減で走ってからの連戦で実際に調教負荷は僚馬の中で最低ですし、ローテ面からも今回は走れない方に賭けたいです。


―ダンビュライト牡5松若57音無(栗東)
昨年出走の国内4戦は全て、内枠から窮屈な競馬を強いられた分だけ不完全燃焼ある敗戦。
それも踏まえてより積極的な競馬に転向した今期は、3走前京都記念が3番手からの抜け出し・前走京都大賞典が逃げ粘り…この戦法でさえあれば高確率で走るというワケです。
今回も積極策が濃厚ですが、クラシックシーズンでもこの瞬発力求められる東京二四コースのダービーで最も着順を落とした様に、ダンビュライトにとって向く条件だとは言い難く。
渋化馬場か余程の展開の紛れでもないと、現状の瞬発力が物を言う東京コースでの好走は難しそう。


―ムイトオブリガード牡5ルメール57角田(栗東)
―ルックトゥワイス牡6デットーリ57藤原英(栗東)
ジャパンC前哨戦のアル共を勝ち切ったムイトオブリガートと、そこで人気を裏切ったルックトゥワイス。
ムイトオブリガートにかんしては“G2大将”の横山典Jの勝負騎乗が嵌まった感ある勝利で、気難しさ残る現状では距離短縮と相手強化は不歓迎で。
ルックトゥワイスは条件戦では散々勝ち切れなかったのが、消耗戦となったグレイトフルSで圧勝してその次の消耗戦日経新春杯でも2着になったクチ。そして初重賞勝利もHペース差し決着の目黒記念だった。その一方で瞬発戦では足らずの戦績続きで、前走は休み明け初戦もあっただろうし鞍上弱化もあっただろうし展開不向きもあった。今回は鞍上がデットーリ起用というのは魅力的であるが、それ以上に鞍上人気という面も相当ありそうなので妙味面ではどうか。そしてジャパンCというレースは、基本的には“キレ”が優勢のレースという点で…。


△レイデオロ牡5ビュイ57藤沢和(美浦)
前走オールカマーでは予想文で以下の通り記しました↓
『1番人気レイデオロは、秋天前のレースは軽視(危険人気)傾向が強い藤沢和雄厩舎所属馬。また血統的価値やダービー馬の称号からして種牡馬入りが内定しているはずで、昨年一杯で現役を終えるという選択肢もあった中で現役延長したからには、更なるG1勝利の勲章は何が何でも欲しい所でしょう。
この秋はオールカマーの後は秋三冠完走を示唆していますが、その中でG1奪取の最たるチャンスは、アーモンド参戦の秋天よりも、活きの良い軽斤量3歳馬有利の有馬記念よりも、秋古馬G1三冠の中では最も国内勢が空洞化しそうなジャパンCの他にありません。
JC勝負・有馬まで出走させる予定の馬とすれば、その初っ端のオールカマーから激走というのは少々考え辛い話です。』
・・・
藤沢和雄厩舎の取り捨てとしては、G1前の始動戦での敗戦はノーカウント視してもOKです。
ただし、その前走オールカマーでは調教に騎乗した福永騎手も悪い意味で手応え案外だったとの話で、レースでもレイデオロらしからぬ落ち着き過ぎている追走で…これは単に休み明け初戦だからなのか、それとも内面からの衰えの現われなのか…その懸念が出てしまった以上は調教段階から見違える姿を見せてくれないと…。

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