キムラヨウヘイ ダービーの有力馬診断

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

●ダービー予想のポイント(2019年ダービー予想[印4頭で◎ロジャーバローズ12人1着→4番手ダノン3人2着→3番手ヴェロ2人3着]の一部を再掲載)
『(略)ダービートライアル組からの本番ダービー好走馬パターンは割とハッキリしていて、そこで「先行競馬」をして権利獲得した馬が本番でも恵まれてアッと驚く激走を生み出すという歴史となっています。
キズナ・アドミラブルは違うじゃないかと思われるかも知れませんが、それは共にダービーでも1番人気に推される程の馬でしたので、それを論じてもしょうがありません。
それ以外の穴激走馬は全てがソレで、近年で言えば「マイネルフロスト12人気3着」「アポロソニック8人気3着」「ペプチドアマゾン13人気4着」「トーセンホマレボシ7人気3着」「コズミックフォース16人3着」は全てそのパターンで、3年前はHレベル皐月賞組決着でその出番はありませんでしたが、4年前はTR組の中でそれに最も近かったサトノラーゼンが5人気2着でした。


つまりは、強い差し馬が順当に走る所を、結果的にも大したコト無い内先行馬が一角崩しを起こすという歴史…本年ダービーに於いて、それらの激走馬に最も重ねられる存在と言えるロジャーバローズの激走の目は一考したいトコロです(略)』


―アルジャンナ牡3浜中57池江寿(栗東)
まずは2走前きさらぎ賞2着時の回顧文を参照↓
『(略)ダービーまで戦う上ではココで収得賞金上積みは何としてでも欲しい所でしたが、だからと言って勝ちに行く騎乗ではなく…それよりも大事な今後を見据えた競馬をされた分で、またエンジンの掛かりが遅い面もある分だけ前残りを許したという3着。
アルジャンナと似ているのが同厩で同じくきさらぎ賞2着だったサトノアーサーで、あれも基本的には過剰人気になり続けるもG3一勝止まりになっています。これも見栄えはする馬ですが、中々勝ち切らせるのは難しそうで…次走以降も取りこぼしを注意したい(取りこぼしを狙いたい)タイプ。』
・・・
その次走毎日杯でも1番人気に推されながらも、案の定取りこぼしの2着止まり。
同じきさらぎ賞2着→毎日杯2着からダービーに挑んだサトノアーサー(5人10着)とは異なり、コチラは早くも見限られつつあり人気もしなさそうですが…上記でも比較に挙げたサトノアーサーと同様の今後が見込まれます。
また、コノ馬が強かった2歳時東スポ杯2歳S時まではコース追いメインだったのが、その後は坂路オンリー調教になって停滞している点からも、引き続き後者調教パターンの今回の変わり身は期待し辛いです。


―レクセランス牡3石橋脩57池添学(栗東)
まずは前走皐月賞時の有力馬診断を参照↓
『当初はデビューから3戦手綱を取っている川田騎手で挑む予定でしたが、急遽阪神での騎乗を優先するとのことで騎乗予定破棄。
それは単純にレクセランスへの評価・期待度の低さの表れだと受け取れます。
レクセランスはこれまで3連勝中ですが、馬自体は相当乗り難しいタイプだけに、何れにしても川田騎手が相当に慎重に乗っての辛勝でした。そういう意味では底を見せていない魅力はありますが、それ以上に激戦フルゲートG1になってテン乗りになって、まともな競馬ができるのか…特に騎乗停止に敏感になっている北村友一Jにとっては勝利云々よりも真っ直ぐ走らせるコトに大分神経を使わなければならないはずで…。』
・・・
元主戦の川田騎手に捨てられ、皐月賞前には2週続けて追い切りでコンタクトも取っていた北村友騎手にも捨てられ、今度はテン乗りの石橋脩騎手に。左回りは良いとしても、乗り難しい馬に中間調教も騎乗できない騎手に依頼せざるを得ない辺りはコノ馬の地位低下以外の何物でもないだろう。


―ブラックホール牡3石川裕57相沢(美浦)
ゴールドシップ産駒は平坦且つタフ馬場の札幌函館小倉では好走率5割級と走りまくっており、その次点で走るのが福島京都で、阪神中京中山の急坂コースでは振るわないというここまでの傾向。重賞勝ちを収めた札幌2歳Sは、ゴールドシップ産駒がワンツーを決めた通り相当向いていた条件だったのに違いなく、その実績は過信禁物。
また、他馬を気にする面もある馬で、2走前弥生賞や少頭数立てで、前走皐月賞は外差し馬場で…そういう向く状況下での外追い込み競馬でも好走届かずだった辺りは能力の限界を示すもので。


―ヴァルコス牡3三浦57友道(栗東)
―ディープボンド牡3和田竜57大久龍(栗東)
―マンオブスピリット牡3北村友57斉藤崇(栗東)
ダービーは大体毎年同じ狙い方をしていますが…来る馬のパターンはほぼ決まっていて「皐月賞組で上位人気評価される馬」「トライアルレース勝利馬で1人気評価される馬」「トライアルレースで先行していた馬(人気問わず)」の3パターンだけ…それに近8年の全好走馬24頭中23頭が該当します。

基本的に差し有利になりがちなトライアルレースで差し追い込みで好走してきた馬は、ダービーで1人気級の評価をされる例外級のパフォーマンスを見せてきた馬以外は通用しないというのが通例。
それに則れば、トライアルレースで是隊的な能力も、恵まれる為には必要不可欠な先行力を見せずに歩を進めてきた上記3頭はバッサリと切れます。


★ビターエンダー牡3津村57相沢(美浦)
上記で狙い馬とした「トライアルレースで先行していた馬」について、それだけだと数打てば当たるカラクリだと思われるかも知れませんが、青葉賞や京都新聞杯は差し有利のレースになりやすいので闇雲に該当馬が発生するワケではありません。
例えば12年トーセンホマレボシや14年マイネルフロストは唯一の該当馬でした。19年は大量5頭が該当していましたが、その様な年の場合には該当馬の中でも特に高い位置で競馬していた馬(ロジャーバローズ)を重視する方向で考えられます。
本年もやはり同パターン馬は圧倒的な少数派で…それの唯一の該当馬であるコノ馬には一応の注意を払うべきでしょう。馬の適性としても左回り東京コースならば、実は底見せずの走りをしてきていますので、コズミックフォース(16人気3着)の再現も無きにしも非ずと見ます。


★ウインカーネリアン牡3田辺57鹿戸雄(美浦)


この馬の父スクリーンヒーロー産駒のポイントとしては、牝馬は[昇級戦△]で底が知れていて、牡馬は[昇級戦〇⇔降級戦△]というデータの通りに勢いある時に底を見せずに伸びる傾向(降級戦よりも昇級戦の方が高回収率なのはそうとして、好走率ですらも上回っているのは顕著な傾向)。
その同馬は実績下位だとしても大物喰いの魅力ある馬と見做せて…フロック視級の激走後となるココでも決して侮れない存在に。


―サトノインプレッサ牡3坂井瑠57矢作(栗東)
まずは前走NHKマイルC時の有力馬診断を参照↓
『前走きさらぎ賞は1番人気アルジャンナ・3番人気ストーンリッジという相手関係だったが、ストーンリッジについては上記の通りで、アルジャンナについても見栄えはするものの中身が伴っているかは疑問で。
そこでHペース展開を、早仕掛けアルジャンナの後方で構える有利な形で、最後にディープインパクト産駒らしい末脚を発揮しての勝利というのは、まだ真の能力がどこまで高いのかは読み切れない所もあって…底を見せていない魅力はありますが、大人気となるならば積極的な買い評価までは?』
・・・
前走NHKマイルCはソエ後の影響もあったのかワケ有り感伺える坂路オンリー調教で、レースでも能力を出さずの負け方でしたが…それでもそれ以前に毎日杯までが過大評価されている感はあります。
毎日杯からソエを考慮して皐月賞に向かえなかった馬が、夢のダービーだからと間隔が詰まるのは常識的には嫌いたいですが…陣営曰く悔いのない仕上げでコース追い解禁の調教過程には今度は本領発揮の魅力もあるか(それでもそもそも足りない器だと見ますので軽視)。


〇コントレイル牡3福永57矢作(栗東)
〇サリオス牡3レーン57堀(美浦)
皐月賞で後続に付けた着差から、この世代では完全に抜きん出ている存在と見るのが妥当でしょう。
ダービーは皐月賞で価値ある走りをして人気をする馬はそのまま来るのが通例で、前篇で挙げたダービーの残り2つの好走馬パターン「トライアルレース勝利馬で1人気評価される馬」「トライアルレースで先行していた馬(人気問わず)」に該当する馬がほぼ居ない本年のメンバー構成ならば順当結果が望めます。

また、サリオスに騎乗するレーン騎手についての騎乗馬の血統的な見解はツイッターにて全体公開、騎乗馬のスタート巧拙別の見解(他騎手との出遅れ時の好走率の比較等)は完全版にて限定公開中です。


▽ガロアクリーク牡3川田57上原(美浦)
△サトノフラッグ牡3武豊57国枝(美浦)
皐月賞善戦組。
ガロアクリークは走法的に距離は持つとしても中山・小回り向き感があり…距離延長とコース替わりと非差し有利レースであれ以上とは?
サトノフラッグは皐月賞は反動なのか少し物足りなかったですが、ダービーで重視すべきディープの血と弥生賞でのパフォーマンス的に見限るべきではないと見ます。


―マイラプソディ牡3横山典57友道(栗東)
2歳時快進撃も共同通信杯で案外に終わったハーツクライ産駒としてはグレイルと被りますが、まずはそのグレイルの皐月賞6着後の回顧文をご参照下さい↓
『グレイルは如何にも更に距離が延びればと思える競馬でした…ただコノ馬の真価発揮はダービーよりも先の未来の方にある晩成ハーツクライ産駒と思います。
そう言うと2歳重賞を勝ってるじゃないかと言われそうですが、ジャスタウェイなんかもそうですがハーツクライ産駒は意外な程に2歳時は走れて→ただしそこからクラシック時期には成長思いの外で→古馬になって上昇顕著というのが一つのパターンです。
同世代で言えばゴーフォザサミットなんかも2歳時百日草特別では強い勝ち方をしたワケで、そこからの伸び悩みこそがハーツクライ産駒の成長力の類型であると。
この時期にハーツクライ産駒の成長力を持ち出すのは少し違うはずなので…。』
・・・
ハーツクライ産駒(牡駒)は2歳重賞で活躍する馬もタイムフライヤーやアドマイヤエイカンなど増えていますが、それらがクラシックシーズンでも成長を見せた例は寧ろ少数派というワケです。
正にそれに嵌まってしまったのがマイラプソディと見るべきで…当期間内での一変については望み辛いです。


▲ダーリントンホール牡3Mデムー57木村(美浦)
まずは前走皐月賞時の有力馬診断を参照↓
『2走前札幌2歳ステークス回顧で「バイアス不利最内枠から、やや前目の位置取りから、道中退かされる“3重苦”の競馬。同じ父の産駒ではベストアプローチがいるが、例の日本馬では善戦ホースを多数輩出のガリレオ系馬だけに、次走以降もレベル低いレースでは取りこぼしが・レベル高いレースでは健闘結果を残して行きそうなタイプ」と記しました。
2走前の自己条件戦での取りこぼしは正にソレで、そこから前走共同通信杯ではタフなレース質の重賞レースになって相対的にパフォーマンスを上げてきたのもソレらしい結果でした。
その前走程度のパフォーマンスではG1級では厳しそうですが…この血統ならではの“相手ナリ好走力”を発揮できれば圏内のチャンスが見込める一頭とも見られます。』
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前走皐月賞も6番人気6着で相手ナリに走った方かも知れませんが…ただ小回りコースでモタつく所あってのやや不完全燃焼感ある走りでした。
それまでも小回りコースでは手応え悪くするレースが目立ち、唯一の重賞勝利は東京コースでした。このコース替わりはプラスに転ぶはずで、あとは例のごとくの相手ナリ力を発揮できればの3着候補には。

GⅡでは神騎乗連発、あの騎手の神通力に期待!
目黒記念の有力馬診断はこちら!

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