キムラヨウヘイ チャンピオンズカップの有力馬診断の総まとめ(前編)

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

―アポロケンタッキー牡6○○57山内(栗東)
前々走JBCクラシックは例のデムーロ騎手最終追い切り好時計での凡走劇。
(※デムーロ騎手は一部で調教が下手と言われますが、それは陣営の時計指示よりも自分の手応えを重視するせい…そんなデムーロ騎手が調教に騎乗して軽めに流した場合には概ね仕上がっているという解釈が可能)
それで馬体重二桁増での出走となり、デムーロ騎手のレース後「太かった」という一言もそれを裏付ける話になります。

また、アポロケンタッキー自身、近走は先行ならオール好走、非先行ならオール凡走というスンナリ系の戦績となっており、もっと言えば道中位置取りがそのまま着順に直結している戦績となっています。
JBCクラシックでは道中12番手追走からの13着、前走浦和記念は馬体が絞れて先行4番手競馬から雪崩込みの4着。

もしも更なる行き脚からの積極策ならば或いはとも考えられますが、巨体故にレース後の反動も気になるタイプで、連闘競馬だからと前進を見込める様なタイプではありません。
まして、鞍上未定であるコトからも、ココよりも一流騎手確保していたJBCクラシック~浦和記念で本気で好走を目指していただろう馬だけに…。


―アンジュデジール牝4横山典55昆(栗東)
先週JCではアーモンドアイが牡馬顔負けのパフォーマンスで一流牡馬を捻じ伏せましたが、そういうのはあくまでも例外中の例外で、芝中長距離やダート中距離以上の舞台条件というのは体力面で優る本来牡馬断然有利の設定だと言えます。
実際に牝馬ダート重賞戦線は牡馬混合準OP通用級の馬で十二分に通用している通り、ダート一線級となると牡馬-牝馬で大きく異なるレベルというのが事実です。
アンジュデジールが制覇したJBCレディスクラシックにしても、上位6頭中3頭までもが前走牡馬混合準OP敗戦馬でした。
つまりは、アンジュデジョールのこの一連のパフォーマンスというのは、牡馬一線級混じりにココでは全く通用しないモノなのです。
また、重い地方ダートも不得手としており、軽い京都ダートで施行される本年JBCレディスクラシックは最初で最後のG1獲りチャンスとしてメイチ中のメイチで挑まれた経緯からも、その次走は買いたくありません。


―インカンテーション牡8○○57羽月(栗東)
前走武蔵野Sは、その前に一頓挫あって南部杯を回避した経緯があり、また次走以降の大レースを見据えての武蔵野S参戦という勝負気配薄の出走態勢でした。
それに加えてコーナーでは小さくない不利も受けての掲示板外の結果には一定の情状酌量余地はできます。

ただし、昨年武蔵野S・本年フェブラリーS・本年かしわ記念と◎を連発している通り個人的には相当評価している馬ですが、今回チャンピオンズカップでは一切買う気はありません。

それは前走後回顧で『昨年は翌年フェブラリーS大目標のローテを敷くためにチャンピオンズCは回避していました。コノ馬は中京ダ千八の苦手上り坂スタートだと高確率で出遅れ即終戦となっているだけに、そこでは嫌いたいです(チャンピオンズC凡走後の距離マイル以下戻りで買いたい)』と書いた通り、この中京千八コースが鬼門であるコトは陣営も重々承知なはずにもかかわらずの参戦への違和感です。

一叩き後も調教地味で復調気配薄ですし、その上で舞台適性低のココでは買えません。


▽サンライズノヴァ牡4戸崎57音無(栗東)
スンナリ系馬故に、敵はそれが叶わない場合と、それによって極端脚質を強いられる分での展開不利の2点。
4走前欅Sと5走前オアシスSは後者の展開不利の分での2着止まり。
6走前フェブラリーSは大外枠を引いたのに戸崎Jらしく外に持ち出し切らなかった分だけ砂被りロスを強いられての4着。
その2点さえ回避できれば、そりゃ重賞は勝って当然というレベルの馬です…前走武蔵野Sはそうだったというお話しです。
今回チャンピオンズカップに於いては、先行もできず内差しもできずに不器用に外追い込みしかできない馬となると…その出番の可能性は大分小さいとしか言いようがありません。


―クインズサターン牡5○○57野中(栗東)
条件戦時代には東京コースばかりに出走して実績を積み重ねていた通りの東京巧者。
OP昇級後は不得手だろう中山コースばかりに出走でしたが、それは賞金不足で選択の余地が少なかったからとの話でした。
前走武蔵野Sは約1年振りの庭ともいえる東京コース出走…そこでパフォーマンスを上げてきたといのは納得の結果と言えるでしょう。
逆にそこから再び非東京コース戻りのココは大きな期待はし辛いです。


★ウェスタールンドセン6○○57佐々晶(栗東)
今の日本競馬はもはや外国人騎手を中心に回っていると言っても過言ではありません。
今秋G1レース戦線はといえば外国人騎手の独壇場となっており、平場レースに於いても外国人騎手が多数集結する場であれば馬券内好走馬の半数はそれの騎乗馬が占めるという状況です。
それは日本人が外国人よりもそもそも劣るというよりも、来日する外国人騎手というのはつまりは短期騎手免許取得資格が与えられている時点(遥かに広い裾野の中で主に実力によって一握りの存在にまで辿り着いて且つ現在進行形で君臨している時点)で…そりゃ競争原理のイマイチ働いていない日本人騎手とは次元が違う所に立つ騎手と言えるでしょう。
ザックリと言えば、来日資格という選抜を潜り抜けている外国人騎手は押しなべて一流騎手であって、選抜されていない日本人騎手に一流騎手は一握りのみであるという至極当然の話です。
とはいえども、日本人騎手にはガラパゴス競馬とも呼ばれる特殊な日本競馬に於ける経験値の利があって、それに適応し切れない又は適応に時間を要する外国人騎手だと本来の能力を出し切れずに互角級~優劣逆転という場面や分野もあります…その代表的な一つが「ダート」です。

ダート競馬に不慣れな欧州騎手だと、やはりダート競馬(特に揉まれたり砂を被る競馬)だとパフォーマンス・成績を落とす例は多数あります。

コノ馬の前走武蔵野Sでの騎乗騎手であるオドノヒュー騎手も正にソレで、芝では連対率4割近くを記録も、ダートでは好走率半減となっていました。
実際の騎乗もお粗末なモノで、厳しい結果になったのも致し方無かったと言えるでしょう。
中京ダートでこの脚質馬はギャンブルですが、これの日本人騎手替わりは買いたいです…。



━━━ (後編) へ続く。

阪神二千を庭としているのは?
チャレンジCの有力馬診断はこちら