キムラヨウヘイ フェブラリーSの有力馬診断

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

―アンジュデジール牝5横山典55昆(栗東)
《能力不足》
本当に牡馬G1級というか本当に牡馬重賞級の馬であるのかすら疑問で。
本来、芝中長距離やダート中距離以上の舞台条件というのは、体力面で優る本来牡馬断然有利の設定だと言えます。実際に牝馬ダート重賞戦線は牡馬混合準OP通用級の馬で十二分に通用している通り、ダート一線級となると牡馬-牝馬で大きく異なるレベルというのが事実です。

アンジュデジールが制覇したJBCレディスクラシックにしても、上位6頭中3頭までもが前走牡馬混合準OP敗戦馬で、当時と同じだけ走ったら好走までは足りないはずです。

前々走チャンピオンズC4着は大健闘ですが…それもスローペース逃げ戦法が相当大きく寄与した結果なのは間違いありませんので。

前走東海S大敗については叩き台での横山典ヤラズなので度外視できる敗戦ですが、それ以前のチャンピオンズC4着・JBCレディスC1着と同じだけ走れても足りないという評価です。


▽インティ牡5武豊57野中(栗東)
《PP=揉まれ△》
前走東海Sの戦前に陣営がやけに慎重姿勢だったのは現に見せている左回りへの不安点と、そして母キティ・母系血統アフリートからして揉まれる競馬になると高確率で脆さを出しかねない点の2点だろう。
ただし、それまで同様に、またもや同型不在で楽にスンナリ逃げの手を打たせてもらえる相手関係で、となれば揉まれ弱さの懸念の発露もなく、また左回り不安にしても単走の形ならばそこまで問題にもならず…あとは次元に違う走破力を見せ付けたという完勝劇でした。

今回の不安点も、東海S時には覆い隠された形の上記2点の持ち越しになります。
特に揉まれ弱さについては、今回は距離適性マイル以下馬の前目脚質馬とタイマンを張らねばならないワケで…そこを突かれる可能性は大いに有ります…特に内枠を引いた際には楽観視はできません。


▽クインズサターン牡6四位57野中(栗東)
《PP=東京コースのみ》
まずは有力馬診断見解を参照↓
『コノ馬は条件戦時代には東京コースばかりに出走して実績を積み重ねていた通りの東京巧者で、反応の鈍さがある馬でやはり小回りコースよりも長い直線コースの方が力を出せるはずです。
OP昇級後は不得手だろう中山コースばかりに出走でしたが、それは賞金不足で選択の余地が少なかったからとの話でした。
前々走武蔵野Sは約1年振りの庭ともいえる東京コース出走…そこでパフォーマンスを上げてきたといのは納得の結果と言えるでしょう。
またも番組都合で不向き中山コースの師走Sを経て、再び庭とも言える東京コース戻りに今回は期待して良いと思います。』

・・・
結果的にもその通り…東京コースならば他コースよりもワンランクパフォーマンスを上げる馬というコトでした。
最内枠がどうかと思いましたが、年に数回だけ見られる四位Jの本気騎乗で克服してきました…寧ろ外の方がゴチャ付く競馬だったので最内枠から内を狙う騎乗は嵌まる局面でした。

今回フェブラリーSもその東京コースなのでクインズサターンの最大パフォが期待できる番ですが…それの武蔵野S2着・根岸S3着の限りではG1で通用するとまでは言えないので。


―ノボバカラ牡7ミナリク57森(栗東)
《PP=スンナリ系》
まずは前々走カペラS時の有力馬診断を参照↓
『コノ馬は逃げるか逃げないか、又はスンナリ先行か砂を被る非スンナリ先行かで別馬のパフォーマンスになる馬です。
前回逃げる競馬をした南部杯では楽逃げとは言えどもG1二着激走。
その後の距離短縮千二の2戦では共に前に行き切れない形での反応できずの凡走結果…やはりこの距離では限界が見えていますので・・・。』

・・・
1年以上前から一貫してダート千四ならと言い続けていた馬。
それがオーナーサイド要望で芝起用と、スンナリ追走不可なダート千二起用ばかりで好走どころか善戦からも遠ざかっていたという近況。
なので、前走根岸Sという久々ダート千四外枠スンナリ先行競馬での善戦結果というのは至極納得できる結果です。
次走以降もその形の競馬でさえあればOP級ならばまだやれてもおかしくありません…ただしG1ともなるとどうこう言えるレベルではないでしょうが…。


▽ノンコノユメセン7内田博57加藤征(美浦)
《PP=蹄》
昨年フェブラリーS1着後の吉田照哉氏のコメントは『蹄(ひづめ)が悪く、それをかばって背、腰まで痛がって。1年間ぐらいしっかりケアしたのが、この結果につながったんでしょう』というモノでした。
それまでの1年間の不振については、去勢の影響や相性悪い外国人起用もあったと見ていますが、そういう状態不良もあったのでしょう。
今回のフォトパドックを見ると、1年前の同シーズンとは異なり、両前蹄にはエクイロックスがベッタリ…。
蹄不安解消で復活した経緯を思えば、蹄不安再発というならば昨年激走時よりも一昨年凡走時の方の結果を想像してしまいます。


▽サンライズノヴァ牡5戸崎57音無(栗東)
《PP=スンナリ系》
まずは前走根岸S時の有力馬診断を参照↓
『コノ馬はスンナリ系馬であるが故に、敵はそれが叶わない場合と、それによって極端脚質を強いられる分での展開不利の2点。

5走前欅Sと6走前オアシスSは後者の展開不利の分での2着止まり。
前走チャンピオンズCもスローペースを後方追い込み競馬ではあれが限界だったという6着。
7走前フェブラリーSは大外枠を引いたのに戸崎Jらしく外に持ち出し切らなかった分だけ砂被りロスを強いられての4着。
その2点さえ回避できれば、そりゃ重賞は勝って当然というレベルの馬です…4走前3走前のOP連勝や前々走武蔵野S重賞勝利はそれの証左です。

前走チャンピオンズカップに於いては先行もできず内差しもできずに不器用に外追い込みしかできない馬となると割を食うのは自明でしたが、逆に今回根岸Sでは外追い込み馬の瞬発力が生きるという条件ですので…あとは馬群内での競馬を好む戸崎Jが血迷わずに外に出す競馬さえすれば好勝負は必至。』

・・・
前走根岸Sは断然人気を裏切る凡走劇。
一応、それの可能性としては巷では「パサパサのダート適性△」「休み明け」「強風で砂を被る競馬」が挙げられていますが、例えば昨年フェブラリーS4着も同様に時計の掛かるダートでもこなしていますし、休み明けでこうなったコトは無い馬ですし、道中に関しては近走の方が砂を被る形でしたし。。
それか、実は前々走チャンピオンズCでの敗因について戸崎Jの見解としては当日の馬の雰囲気(精神状態)を挙げていて、そして前走根岸Sでもポカとしか言いようが無い敗戦を喫したとなると…ちょっと馬自体として暗雲が垂れ込めている感もあります。

これの取捨は難しいのですが、少なくとも内枠競馬・非スンナリ競馬となれば、昨年フェブラリーSみたく思い切り不足でスンナリ系馬の扱いが下手な戸崎Jですから…そしたら印を決めやすいのですが。


―サクセスエナジー牡5松山57北出(栗東)
揉まれ弱くて一本調子な逃げ系競馬しかできない馬…距離マイルでもやるコトは一つで、相手が武豊Jでも松山Jならば根性を見せてくれると思います(コノ馬の存在によりインティは楽な競馬をできない可能性が増し増し)。


▽モーニン牡7和田竜57石坂正(栗東)
《PP=スンナリ系》
ダートでは揉まれず逃げるか、又は外差しでしか結果を出せなくなっていたという気難しい馬。
前々走JBCスプリント好走は理想外枠競馬で、3走前走コリアスプリント好走はスタート後に真っ直ぐ走らなければならない独自ルールと相手超弱戦故に揉まれずの競馬で、5走前コーラルS好走も理想外枠競馬でした。
前走根岸Sでも内枠発走も出遅れを生かして大外まで持ち出せての末脚発揮でした。
コース形態的にも内枠なら軽視、外枠なら消せずの評価。


★コパノキッキングセン4藤田菜57村山(栗東)
精査中…ただ藤田菜七子Jでも全然“アリ”だと思います。


―メイショウウタゲ牡8北村宏57安達(栗東)
《PP=枠順》
コノ馬は気を抜く面とピッチ走法での俊敏な一瞬脚の持ち主で、本領発揮はインで上手く一瞬脚と集中力を引き出す形。
直近での2激走(3走前&4走前)も極端内枠からの競馬だった。
近2走連続外枠凡走後の極端内枠替わりでもなれば魅力はゼロではありませんが…でも嵌まったとしてもG1では能力不足は否めない。


★ゴールドドリーム牡6ルメール57平田(栗東)
《PP=連戦△・右回り△・ソラ癖》
まずは昨年フェブラリーSの▲予想見解を参照↓
『基本的に中央ダートG1レースというのは、強い馬がそのまま上位入線を果たすモノです…展開云々や適性云々よりも、まず何よりも地力が問われてくるのだと。
このフェブラリーSでは14年が16人気コパノリッキーが勝利する大波乱がありましたが、それにしても結果的には強い馬だと当時誰も知らなかったから番狂わせ決着となっただけで、決して中央ダートG1での厚い壁を小細工して突き抜けたというワケではありませんでした。
というコトで…少し地力が抜けている感ある今回の1番人気馬と2番人気馬は素直に買うのが最善手と見ます。
(略)
ゴールドドリームについては昨年チャンピオンズカップ回顧で以下の通り書きました
「ダートスタート△・出遅れ癖・右回り△・折り合い難・疲労が出易い」などの弱点も相当多い馬なのですが、まず武蔵野Sをスキップする陣営の勇断、そして後はムーアJが全てを乗り越えさせてくれたという結果。
そんなムーアJというか敏腕騎手が騎乗しても克服難しそうなのが右回りなのですが…それ以外ならばムーアorデムーロに任せて置けば常に激走が見えている位置にある馬と言って良さそう。』

・・・
ゴールドドリームはソラを使う悪癖もある馬で、それは17年フェブラリーSみたく併せ馬の形や17年チャンピオンズCみたく一気に抜け切る形ならば問題無いとしても、やはり天敵は後方から一気に来られる馬…18年フェブラリーSで言えばノンコノユメに完璧にしてやられるという結果でした。

過去の中央G1二勝は共に騎手の神騎乗…そうでない限りは本来は昨年みたく惜敗を起こす様な難しいタイプです。
その後に地方交流G1を二勝していますが、かしわ記念は格下相手の0.2秒差で、帝王賞はケイティブレイブとの併せ馬での先着勝利で、やはり勝ち方には注文が付くというコトです。

今回も疲れが残り易いコノ馬にとっては理想の休み明けローテ&得意左回り戦となれば好勝負は濃厚でしょうが、こと勝ち切れるかについて言えばそれよりも2着付けの方が可能性的にも配当的にも狙いの様に思えます。
(ソラ癖故に逃げ系馬を力で捻じ伏せるのは得意だが、差し追い込み馬の強襲を防ぐのは苦手)


▽サンライズソア牡5田辺57河内(栗東)
《PP=スタート△馬×スタート△田辺J》
まずは前走チャンピオンズC時の有力馬診断見解を参照↓
『JBCクラシックでも相変わらずゲートで煩い仕草を見せていましたが…それは近3走全てそうですが、結果としては3走連続でスタートを決めてからの積極策…。
正直いつスタート失敗するかも知れぬ不安はぬぐえないという見解で、ルメールJの手が離れた時が怖いと思っていたのですが…これまたスタート◎の鞍上モレイラならば杞憂に終わるのでしょうか…。

その前走レースでは前半ではいいペースを刻みましたが、調教パートナー交代に伴って壊れたテイエムジンソクとペース判断できぬ古川吉Jのおかしな中盤の仕掛けが…それを真っ向から受け止める形となってしまったサンライズソアは相当厳しい競馬を強いられたと言えるでしょう。
更には直線ではケイティブレイブ福永騎手もストップルメールに早めに動いてきましたし、総じて1番人気の逃げ馬としての洗礼を浴びせられる苦しい競馬で、それでも3着に残った馬の能力は褒められるモノです。

やはり繰り返しになりますが、スタート次第で如何様にもなり得る怖さはあるので・・・。』

・・・
そのチャンピオンズCでもゲート内挙動には怪しい所があり、それでもスタート神のモレイラJでしたのでスタートを決めて先行競馬から好走結果でしたが。

なので、まだスタートをまともに出てくれるか怪しい、スタートさえ出なければ気性的(スンナリ系)に相当厳しい立場に追いやられるとの見解のままです。

一般的には(近走同様に)今回もスタートを決めてスンナリ先行競馬と想定されるでしょうが、近走は鞍上手腕(スタ〇のルメ&モレ)と幸運故だと見ていますので…スタ△田辺Jで出遅れ終戦のリスクも全然あります(単純に田辺Jの本年出遅れ率から言えば…五分五分くらいではないでしょうか)。

※田辺J:本年出遅れ率31%(32/104)、ルメールJ:本年出遅れ率19%(18/95)、モレイラJ:昨年秋出遅れ率10%(14/142)


▽ユラノト牡5福永57松田国(栗東)
《PP=コース適性》
3走前武蔵野S4着後には福永Jは急仕上げだったと敗因を述べていましたが、実際に武蔵野S出走が決まった(予定を早めた)のは最近で調教過程的にも見るからに急仕上げ過程でした…その分での4着止まりとも見られます。

前走根岸Sは万全を期しての再重賞挑戦でデキが数段上がっていたのと、あとはルメールJの完璧な位置取りからの追い出しとも相俟っての好走でした。それに応えられるレース巧者がユラノトとも言えるワケですが。
(過去に遡っても内枠決着&前有利決着だと好走傾向で、外枠決着&後有利決着だと好走外す傾向です)

近年のフェブラリーSは外枠有利傾向・外差し有利傾向になりやすいです。
そういうレースになった場合には割を食らうのはこの手の馬でしょうし、逆に内が生きるイレギュラーなフェブラリーSとなれば立ち回り次第での善戦は可能。


△オメガパフューム牡4Mデムー57安田翔(栗東)
《PP=左回り△》
https://twitter.com/jou_syou/status/1067040374537936896
前々走チャンピオンズC凡走については、日本ダート競馬適性△のCデムーロJ騎乗分もありましたが…それに加えて左回りの分もあったはずです。
これまで左回りでは2戦2連外、右回りでは全戦連対で、右回りだと必ず道中通過順位を上げて直線を迎えているのに対して、左回りだと必ず道中通過順位を下げて直線を迎えています。
大舞台でそういう癖馬に乗らせれば相当心強い(無理矢理にでも持ってくる)MデムーロJ起用なので軽視はできませんが…。

今週はたっぷり12頭診断!そのうち激走候補は2頭。
1頭は昨年の勝ち馬ミスパンテール、そしてもう一頭は?
京都牝馬Sの有力馬診断はこちら!