キムラヨウヘイ ヴィクトリアマイルの有力馬診断

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

△アエロリット牝5横山典55菊沢(美浦)
まずは昨年安田記念時の有力馬診断を参照↓
『左回り大箱コース替わりというプラス要素はありましたが、それ以上にこれまで全戦騎乗横山典Jの手綱が離れるというマイナス要素と、それに加えて馬の持ち味を引き出せない戸崎Jの手綱というマイナス要素があり…騎手のさじ加減一つで激走まであったと見ていますが、出た結果としては4着止まりという残念なモノに。
まあ、戸崎Jじゃなくても暴走馬にテン乗りでは誰でも慎重な騎乗になるのは仕方無いですが、あんなスローペースを2番手からという正攻法競馬では…それが難なくできる馬ではありませんので折り合い面で怪しい所は見せつつでしたし、そしてそんな位置取りから数多のキレ自慢馬を抑えての最先着が本当に想像できたのでしょうか???』
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昨春シーズンはVMではSペース先行で4着止まり、安田記念では相手強化にもかかわらずMHペース先行で2着激走…コレがコノ馬の本質です。
昨秋シーズンでも後続を待たずのモレイラ流騎乗の毎日王冠では逃げ切り完勝で、逃げ競馬に不慣れな(昨秋来日時も逃げたのはこの時のみ)ムーア騎乗のマイルCSでは良さを引き出せずの完敗。

もう一つのポイントは輸送云々で、それは以下のツイートの通り
https://twitter.com/jou_syou/status/1126043822595629056

あとはブラックボックスの海外遠征帰り初戦での状態面だけ・・・。


―アマルフィコースト牝4坂井瑠55牧田(栗東)
前走阪神牝馬Sは前哨戦らしく有力馬ほど様子見ムード満載の一戦で、結果的には超スローペースからの先行勢がそのまま雪崩れ込むという決着に。
それを2番手追走から2着入線というコノ馬の競馬の価値は決して高くなく…ここで足りる馬だとは?


―カンタービレ牝4Mデムー55角居(栗東)
その前走阪神牝馬Sでは前が詰まっての不完全燃焼敗戦だっただけに、デムーロ騎乗も含めて本番での巻き返しが期待されていますが…そのレースに於いてはデムーロ騎手は意外なほどに勝負を投げない騎乗をしていて、確かに詰まった分もありましたがそれを差し引いても馬の脚力不足も指摘しなければならない敗戦だったと見ます。

昨秋ローズSも秋華賞も低レベル戦での好走で、エリ女では古馬の前に力負けを喫した馬…能力上位の一頭とは認めません。


―クロコスミア牝6戸崎55西浦(栗東)
コノ馬も前走阪神牝馬SS組で、前目でスムーズなポジショニングを確保した4頭がそのままなだれ込むという決着を、位置取りが一列下がった分で直線でも捌けずの0.1秒差負けでした。
その前の中山牝馬Sも同じく内枠で窮屈な競馬をしての0.1秒差負けで、2戦連続での不完全燃焼敗戦となっています。

昨秋エリ女では思い切った逃げ競馬で2着激走している通り、自分の形でさえあればチャンスは有しているはずの馬ですが…。

ただしそのエリ女の前の府中牝馬Sではスンナリ2番手競馬もキレ負けをしている通り、東京コースでの並の逃げ番手競馬での勝機も見出せません…相当思い切った騎乗が欲しいですがこの優等生騎手だとそのイメージは湧かず…。


―ソウルスターリング牝5武豊55藤沢和(美浦)
~フランケル産駒の本賞金順ベスト5~
ソウルスターリング(デビューから6連続好走→7戦6凡走中)
モズアスコット(デビューから12戦連続4着内善戦→3連続凡走中)
タニノフランケル(例外)
ミスエルテ(デビュー2連勝で3戦目G1四着善戦→8連続凡走中)
シグナライズ(デビュー4連続好走→11連続凡走中)
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直近で言えばマイラーズCモズアスコットが「フランケルの血が出てきたせいかテンションのスイッチが入りやすく」との気性難噴出で惨敗を喫しましたが、上記のネームを見れば一目瞭然でタニノフランケルを除けば全馬が「連戦連続好走街道→連戦連続惨敗街道」の戦績になっています。
これにはフランケル産駒としてのプッツン(気性的な限界)を指摘せざるを得ません。

結果的には有力馬診断タイトル「ソウルスターリング・ミスエルテ・シグナライズ…プッツン危惧血統フランケル産駒で初不振からの即立て直しは果たして?」の通りで、右回りや矢作厩舎休み明け云々や展開不利もゼロでは無かったかも知れませんが、何よりも根本にはフランケル産駒としての気性的限界を指摘せざるを得ないです。

2走前クイーンSは3着と格好を付けていますが、それもティーエスクライの馬鹿逃げでペースが流れてくれたコトで何とかなった感で、それでも相当に折り合い面での苦労が見えての3着止まりとなると、それ以上は中々求め辛いと言えます。


―メイショウオワラ牝5秋山55岡田(栗東)
過去5走中4好走は休み明け初戦で、叩き2戦目以降になると大きく崩れる例が多数という馬。
3走前うずしおSはHレベル戦でしたが、それも休み明け初戦での激走でした。
そこから間隔詰めて使った阪神牝馬SとマイラーズCは共に惨敗でしたが、それにしてもまた中2週に詰めて使う今回もポジティブな展望はできません。


―デンコウアンジュ牝6柴田善55荒川(栗東)
コノ馬はスローペースの追い込み馬…つまりはHペースで展開利を得たいタイプではなく、スローペースで脚を溜められた方が相対的にパフォーマンスを上げられる馬です。

17年ヴィクトリアマイル激走後には『「ベストパフォーマンスはスロー瞬発戦でのアルテミスS→距離マイルの平均ペースでは忙しくて脚が使えない」と何とも狙いを定めてきましたが、その理想競馬(スローペースだからこそ追い込めた内容)が4歳春にして2歳秋以来ようやく叶った』『今後もモタれない左回りのスローペース戦でキチンと脚が溜まる展開ならば…激走をもう一丁はどこかであるはず』と書きましたが、やはりその後のパフォーマンスを上げているレースというのはスロー直線末脚勝負が主です。

今回VMについては…その17年は異例の低速決着にも助けられての激走で、基本的にはペースが流れてのスピード勝負の側面となる可能性が高いので…雨馬場などの恩恵がない限りは消し方向で。


▽ノームコア牝4レーン55萩原(美浦)
コノ馬が一気に名を挙げた紫苑S好時計圧勝劇については、当日の追い風強風の参考記録という側面も否めません。
その後はエリ女では力負けで、愛知杯では展開不利とバイアス不利あったとはいえども弱面相手の取りこぼしで、前走中山牝馬Sは詰まり参考外敗戦。
距離マイルG1級でも上位というパフォーマンスは現時点では示せていないとの見方に。


△プリモシーン牝4福永55木村(美浦)
まずは前走ダービー卿CT後の回顧文を参照↓
『口向きの悪さがあったり、また気性的な問題もあったりで、不器用な取り口になりがちという馬。そのせいでフェアリーS・関屋記念というワンターン外枠条件の2重賞こそ勝利を収めたものの、それ以外のレースではほぼ全て詰まっての不完全燃焼ばかりというこれまででした。今回は外枠条件を引き当てて、またこれまでの散々詰まり過去からそれは絶対に避けたいという陣営意思もあったでしょう…少々雑な外ブン回し競馬になりましたが、それでも能力を全て出し切れれば重賞で好走できて当然という結果を今回も示した形です。』
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前走ダービー卿CTはスタート直後から道中から直線まで終始前に馬が居ないという極めてスムーズなレース振りでの激走…理由はどうであれこれまで散々詰まり凡走している馬だけに、それが大きなポイントであると捉えても良いかも知れません。
今回も枠順と隊列予想次第で…そこまで人気被らずマークもソコソコ止まりとすればあとは福永騎手の優れた差し競馬センス次第では大駆けも。


▽フロンテアクイーン牝6三浦55国枝(美浦)
まずは前走中山牝馬S1着時の◎推奨文を参照↓
『フロンテアクイーンの3走前府中牝馬Sは現役トップクラスのディアドラ&リスグラシューとの接戦で、2走前エリ女は太目残りと距離長い二二ながらも直線で捌けていれば3着も有り得た大健闘で、前走ターコイズSは当時回顧「フロンテアクイーンはこの日が中山初騎乗のマーフィーJ騎乗で、それは外を回らされないためにはやむを得なかった面もあるとしても、やや序盤を積極的に入り過ぎた嫌いがあります…結果的にはその分のラスト失速で、レース内容としては勝ち馬と遜色ない高いパフォーマンスだったと見ます」の通り。
その前走ターコイズS組はハンデ減で、愛知杯組はハンデ据え置きというのも前者に有利な印象(昨年ターコイズSは例年の比ではない水準超のレベルあった)。
中山コースはプラスで、苦手な外枠は回避できたのは何よりで、そして先週日曜終盤の外差し馬場を思えば(前日予想では)内枠もややリスクなのでそれも回避できたのは好感で…ココはハンデ込みでの力量最上位級のパフォーマンスをそのまま期待できる局面で、これが非上位人気ならば買いジャッジ。』
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17年ヴィクトリアマイルは不得手外枠競馬での敗戦、18年エリ女は距離長と詰まりの分もあっての3着まで0.1秒差敗戦…そこらの重賞1勝馬よりも能力ある馬で、あとは得意の内枠競馬ならばギリ圏内は可能か。


―ミエノサクシード牝6川島信55高橋亮(栗東)
コノ馬は距離マイルだと距離不足感ある馬なのですが、前々走京都金杯は時計が掛かる馬場でしたので寧ろ距離適性オーバー馬に分がある状況というのも味方して、前走阪神牝馬Sも実質低速決着と展開利が味方しての好走でした…高速決着必至の本年VMだと強気にはなれず(良績はSMペースに集中)。


▽ミッキーチャーム牝4川田55中内田(栗東)
前走阪神牝馬Sは前哨戦らしい超スローペース競馬での行った者勝ちの競馬…その中でも勝ち切ったミッキーチャームは上位入線馬の中でも一枚上の評価をすべきですが、それにしてもアマルフィコースト等に0.1秒差しか付けられなかった辺りは絶対的な競馬でもありませんでした。

今回はつい2走前中山牝馬Sでの敗因に直結した輸送競馬や同型多頭数戦で…やはり前走好走結果と前々走凡走結果のどちらを重視して見るかと言えば後者で。


△ラッキーライラック牝4石橋脩55松永幹(栗東)
まずは2歳時の見解を参照↓
『姉は高額取引馬で武豊主戦で注目を集めたラルクである。
そのラルクは結果的には急失速して未だ条件クラス止まりになっているが、その一つの要因としては怖がりな気性面が出世を阻んでいる面もある。
そして、その妹であるコノ馬も同じく怖がりな面がある話が出ているのは気掛かりな点。
初戦も今回2戦目も中外枠から好位スンナリ先行競馬だから何の問題も表面上には出していないが、それはラルクが新馬戦逃げ切り圧勝したのと同じ話…隠されているだけで次走以降に大きな弱点として表出する可能性も無きにしも非ずである。』
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前走阪神牝馬Sではあそこまでの密集競馬を強いられたのはデビュー以来初めての出来事で、それに嫌気を差したのありありという競馬内容。
今回は積極策スンナリ競馬を求めてくるはずなので、それ次第では全く違う結果もありえますが…弱点が露呈された大人気馬というのと、如何せんアテにならないオルフェーヴル産駒なので全幅の信頼とまでは…。
姉ラルクの例で言えば、それは距離延長路線で結果を出せるようになっただけに、引き続きマイルの激戦レースでとなると・・・。


―レッツゴードンキ牝7岩田康55梅田智(栗東)
昨年VM時の有力馬診断を参照↓
『今となってはコノ馬の主軸はスプリント路線…そちらの適鞍が無い時だけマイル路線にスポット参戦してくるという起用法。
本質的にスプリンターなのかはさておき、本気でスプリントG1獲りを目指されている流れで、気性的にはよりスプリンター化している印象です。
それが顕在化したのが昨年VMで、その前後では6走連続好走という絶頂期にもかかわらず、そこでは折り合い難自滅大敗を喫しました。(略)』
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前2年のVM挑戦は共に高松宮記念からの距離延長ローテで折り合い欠いて伸びきれずのレース続き…本年もまず高松宮記念を目標に据えての適鞍関係での本気度疑問のマイルG1挑戦で…今年こそは上手く行くという考え方はし辛いです。


★レッドオルガ牝5北村友55藤原英(栗東)
https://twitter.com/jou_syou/status/1090446444979351552
まずは2走前東京新聞杯2着後の回顧文を参照↓
『血統から導ける推論(?)からだけではなく、確かにレッドオルガは右回りも苦にしていますし、確かに小回りコースも苦にしていますので…この先にも右回りだと一枚割引評価(尚且つ小回りだと二枚割引評価)をして、左回り大箱コースでは大きくパフォーマンスを伸ばしてくる場面として(G1級でも)いつ何時も買わねばならない一頭です。
(次走予定している阪神牝馬Sでは…少なくとも本命印は打てないです。)』
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2走前東京新聞杯では庭とする条件での激走
前走阪神牝馬Sではコース条件悪化に加えて、叩き台仕上げと展開不利とも相俟っての凡走
全ての条件が揃ってくるだろう今回VMでは当然の◎候補。


―ワントゥワン牝6中谷55藤岡健(栗東)
まずは前々走京都牝馬S6着後の次走チェック馬見解を参照↓
『前走阪神カップの上位4頭は1~3枠で内目競馬をした馬ばかり…それを外枠差し損ねた形のワントゥワンは情状酌量できる敗戦でした。
また、それ以上に夏から秋まで叩いて良化していった経緯ある馬だけに、そこから休みを挟んだ前走では調教の動きからも本調子まで遠い印象ある復帰戦でした。
今回叩き良化の2戦目となるならば狙いたかったのですが…1週前調教まで遅れが続いている点で、最終追い切りでガラリ(好時計)が無い限りは少し狙い辛いです。』
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その京都牝馬Sも最終追い切りまで昨夏好調時とは遠い調教内容での凡走。
前走阪神牝馬Sでも中間は遅れ調教連発での凡走。
今回も最終追い切りはポリトラックでの遅れ調教…6歳春の牝馬で枯れ頃なのか何れにしてもまだ復調ジャッジはできませんので消しで。


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