キムラヨウヘイ 中山金杯の有力馬診断

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

―テリトーリアル牡6藤岡康56西浦(栗東)
父父ガリレオ。
このガリレオ血統は日本では善戦ホースを量産中。それは悪く言えば勝ち切れないですが、良く言えば相手強化でも相手ナリに走れるとも。

実際に母父ガリレオの日本での賞金順TOP3はレッドローゼス、ヴァンキッシュラン、ゴールドテーラーで、父父ガリレオの牡馬だとリッチーリッチーが出世株ですが、これら共通するのは異様なまでの2着3着の多さとなっています。
やはりこの血の特に牡馬だと日本では重すぎて、それで俊敏な脚に恵まれないだけ勝ち切れるケースが少なくて、ただし重厚さあるので強い相手でも2着3着などの健闘も目立つというコトでしょう。

テリトーリアルは正にその典型的な戦績で、これまで昇級の壁に当たったコトはなくて、常に好走善戦してきたという履歴でした…それが遂に崩れてしまったのが前走チャレンジC12着。
リッチーリッチーも1度崩れた後は連続して人気を裏切りましたが、血統的には1度切れたサドラー系の深追いは禁物です。


▽レッドローゼス牡6田辺56国枝(美浦)
ステゴ×ガリレオのパワー体質馬らしく内回りコース小回りコースで強さを発揮するタイプ。また日本でのガリレオ系馬らしく、条件クラスでの足踏みは多いものの、昇級の壁は無くどんな相手関係にも善戦できるタイプ。
それが急に崩れ出したのが3走前からで以降3連続凡走中…テリトーリアル同様に、これは深追いすべきパターンではありませんので。


―タニノフランケル牡5石橋脩55角居(栗東)
~フランケル産駒の本賞金順ベスト5~
ソウルスターリング(デビューから6連続好走→その後がほぼオール凡走)
モズアスコット(デビューから12戦連続4着内善戦→その後はほぼオール凡走)
タニノフランケル
ミスエルテ(デビュー2連勝で3戦目G1四着善戦→8連続凡走)
シグナライズ(デビュー4連続好走→その後ほぼオール凡走)
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ソウルスターリングもモズアスコットもシグナライズも、その後に1度だけ好走はしていますが…やはり好調期とは別馬の様に走らなくなっている=連戦連続好走街道→連戦連続惨敗街道の戦績を辿るという傾向が言えます。
これにはフランケル産駒としてのプッツン(気性的な限界)を指摘せざるを得えず…タニノフランケルも4歳2月まで1度も連続凡走無かったのが、その後5連続凡走というのは…同産駒の限界に差し掛かっていると見るべきでしょう。


―アクート牡7丸山54宗像(美浦)
前走はレース後に骨折が発覚したモノで、それでの5秒差大負けは度外視して見るべきだろう。
その新潟記念で7番人気に推された馬が更なる人気落ちと考えれば妙味は見出せるが、それでも準OP時代のパフォーマンスはやや見劣りするのと、これまでn勝ち鞍は全て高速野芝でのモノで、冬場でタフ化進行している馬場では買い辛い。


―アンノートル牡6柴田大54田中博(美浦)
前走ディセンバーS5着は内前有利展開に乗じての善戦で、OPクラスでは余程恵まれない限りでは好走圏内に到達するのは難しいので消し。


―イレイション牡8北村宏55池上和(美浦)
アンノートルと同じく、内有利馬場且つスローペース展開での行った行ったの競馬だったディセンバーSで、逃げたから3着までに残っただけと言えるイレイションは大した馬ではなく。
中山コースは向くとしても、能力的にボーダーライン未満で消し。


▽ザダル牡4マーフィ55大竹(美浦)
菊花賞組からは勝ち馬ワールドプレミアが有馬記念でも通用しましたが、それ以外の次走出走組は全て馬券外に沈んでいます(ヴェロックス以外は全て条件クラス戦)。
その菊花賞のトライアルレースだったセントライト記念も同じくで、古馬相手の準OPクラスで好走以上を収めた馬は一頭も居ません。
この時期の4歳馬はハンデ恩恵&急成長時期で有利な立場ではあるのですが、ザダルはそこまで強調できる程の位置の馬でもないだろうと。


▽カデナ牡6鮫島駿57中竹(栗東)
一瞬の脚を生かしたいタイプで、あまりペースが流れない中での軽い上がり勝負の方が自身の本領。
前走天皇賞秋のレコード級が出る馬場でも、緩い馬場状態を敗因としていた通り。
そんな馬がタフな冬の中山芝コース条件&近走好走歴とは異なる急坂コース条件では、パフォーマンスを下げる可能性の方が高い。


★ブラックスピネル牡7津村57音無(栗東)
まずは4走前七夕賞後の次走チェック見解を参照↓
『自分の競馬もできず-Hペースにも巻き込まれての致し方無しの敗戦だったブラックスピネルの方を巻き返し候補として取り上げたいです。
2走前新潟大賞典は外有利馬場でのイン逃げ競馬での5着健闘…前走鳴尾記念は開幕週馬場でのスローペース逃げ競馬での2着激走。
調教時計とパフォーマンスが比例する馬で、それの上向きと共に復調歴然という近況…今回こそ特殊な展開で崩れましたが、またハナを切れる組み合わせならば一変できる状況にあるはずです。』
・・・
その次の新潟記念では逃げの手で11人気に反発する4着プチ激走。
前走チャレンジCでは陣営の指示は逃げだったとのコトですが、指示遵守しない&逃げの手は好まないペースメーカー競馬を普段やっている欧州騎手起用で、積極果敢に前に行く姿勢は見せずの先行競馬。それも囲まれるポジショニングだっただけに、馬も気分良く競馬できたとは言えませんでした。
また指示を言い聞かせられる日本人騎手と、調教時計良化のタイミングならば重賞好走可能でしょう。


▽ウインイクシード牡6松岡55鈴木伸(美浦)
2走前の福島記念は、仕上がり途上で早め先頭ソラ遣いながらの4着健闘。
前走のディセンバーSは、上のイレイション・アンノートルとは次元は違いましたが、それでも恵まれる方の競馬での2着善戦。
後者は叩き2戦目だったコトを勘案しても、福島記念の方が評価できる走りをしていました。

これまで全4勝の自身上がり3Fは全て35秒台後半以降で、福島記念は36秒台・ディセンバーSは34秒台だった辺りにパフォーマンスの差異の背景を探れます。

今回は冬の中山芝という条件ですが、良馬場ならばそのウインイクシードの領域よりは一歩手前のスピードも要求される一戦で…善戦は可能でしょうが、ココがドンピシャの狙い所とまでは見ません。


▽ギベオン牡5フォーリ57.5藤原英(栗東)


超HレベルだったNHKマイルC2着実績を思えば、その後に重賞勝利こそあるものの本来ならばもっと飛躍して然るべき…コノ馬もツイートの通り伸び悩み深刻な藤原英厩舎4歳世代馬との見方ができます。
前走チャレンジCでも1人気に推されたのは過大評価で、かつてのG1激走馬という見方よりも現状G3でも足りていない近況で評価すべきと見ています。
その前走は大きな不利あっての敗戦でノーカウント処理が妥当でしょうが、逆に見え見え過ぎる事象だったせいでそう人気落ちしないはずで…ココでも過剰人気軽視すべき馬と見ます(藤原英厩舎ブランドもあっての人気なのでしょうが、現4歳世代については寧ろそれは評価を下げるべき要素になっています)。

~同厩舎所属の昨年4歳世代OP実績馬の戦績経緯~
エポカドーロ(皐月賞1着&ダービー2着をキャリアハイに、3歳秋以降低迷中)
ミスターメロディ(高松宮記念1着をキャリアハイに、4歳秋は低迷中)
ギベオン(NHKマイルC2着をキャリアハイに、4歳以降伸び悩み中)
グレートタイム(JDD3着をキャリアハイに、3歳夏以降低迷中)
レッドサクヤ(オークス4着をキャリアハイに、3歳秋以降休養中)
フィニフティ(クイーンS2着をキャリアハイに、直近準OP連続大敗中)
シグナライズ(デビュー4連続好走からOP特別4着をキャリアハイに、3歳夏以降低迷して放出(転厩))


△クレッシェンドラヴ牡6内田博57林(美浦)
4走前福島民報杯と3走前七夕賞は、共に前半からペースが流れての差し有利決着となったレース。そこで自ら動く競馬をして、地力で連続2着したパフォーマンスは評価できるモノ。

2走前オールカマーでは、最内から完璧な立ち回りをして3着入線したグレイルが邪魔となった分だけ捌き遅れての5着入線。もし両者スムーズならばコチラの方に軍配が上がっていた可能性が高い(実質好走級パフォーマンスだった)。

前走福島記念はハンデにも恵まれましたが順当勝ちの完勝。

ハンデ2キロ増は鍵になりますが、それでも能力(近走パフォーマンス)と適性面(当コース2戦2勝)からは、最も死角が探れない人気馬と見ます。


▽トリオンフセン6三浦58須貝尚(栗東)
能力的にはトップクラスある馬。
ただし、長欠明け初戦の前走チャレンジCは全盛よりは大分見劣りするパフォーマンスだった点で、もし前走同様のパフォーマンスで斤量58なら足りない計算です。
あとは前走逃げた馬がその次走で逃げられないというのは期待値的に低い局面なので。


―ノーブルマーズ牡7ミナリク56宮本(栗東)
前走チャレンジCで鞍上超強化川田騎手起用で撃沈…結果的には高倉騎手騎乗時代よりも走れなかったという結果に。
結果的には馬を動かす派の騎手よりも、馬ナリ騎乗の騎手の方が走れるタイプの馬なのかも…そう考えると強引パワー任せ騎乗しかできないミナリクJ起用というのは…?


▽ブレステイキング牡5Mデムー56堀(美浦)
ズブいディープ産駒で、取りこぼしが多いタイプで、しっかり勝ち切るのは未勝利戦を除いて全て少頭数戦。
前走チャレンジCは鞍上ムーア騎手の気迫で3着に食い込んだ内容で、もしもムーア騎手でなければあの狭いスペースにロスゼロで突っ込ませる騎乗は中々難しかったはずで…その激走後で今回大人気というのもあまり買いたくない感も。


★マイネルサーパス牡4丹内55高木登(美浦)
4走前ラジオNIKKEI賞での重賞激走は最内突き、2走前アンドロメダS勝利も外に1頭馬を置く形での追走でした。
集中力の持続に問題がある馬で、前走中日新聞杯でのグルリと1周丸々と大外追走は良くなかったはずで、実際に道中は物見して直線では舌を出してまともに走り切れずの敗戦でした。
今回の小回りコース替わりで、尚且つ内枠を引ければの一変一発候補と見ます。