キムラヨウヘイ 中日新聞杯の有力馬診断の総まとめ(前編)

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

▽ストロングタイタン牡5アヴドゥ池江寿(栗東)
前走小倉記念での8秒差大敗は心房細動を発症したモノで度外視敗戦。

ちなみに、それ系(鼻出血or心房細動と当日中に公式発表された馬)の本年の次走成績データ(手集計)は以下の通りです。

●集計期間:2018. 1. 6 ~ 2018.11.25
  着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
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鼻出血 3- 4- 2- 25/ 34 8.8% 20.6% 26.5% 51% 93%
心房細動 1- 1- 1- 10/ 13 7.7% 15.4% 23.1% 100% 205%
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心房細動の場合には基本的には前走着順は大敗、鼻出血の場合にはそれを発症しながらも普通に好走するケースもあるので前走着順はマチマチ…その辺りが回収率の差異に反映されているかも知れません。


その観点からはまともならば一変が見込める馬ですが、ただしこの季節でどうかというのが最たるポイントでしょう。

コノ馬は毎年寒い季節になると調子を落として、暖かい季節に調子を上げて活躍する傾向ある馬ですので。
前走小倉記念前に池江師が「40度くらいになると本当にどんどん馬が良くなる」「レース当日は40度以上になってほしい」と言っていた通りです。

5走前の敗因は大凡それで、4走前についてはHペースを掛かり気味先行逆噴射という残念騎乗が敗因。
それが3走前では暖季節2戦目での本調子と、デムーロJの好騎乗あっての一変劇。
つまりは、暖気候で折り合い付けた先行競馬さえできれば崩れない馬というのが結論です。

今回はまだ寒くなり切っていないとのコトで陣営からはポジティブなコメントが出ていますが、今週後半から一気に冬の気候(土曜中京は最高気温8度-最低気温2度)が見込まれるだけに・・・。


△ギベオン牡3Cデムー藤原英(栗東)
まずは前走NHKマイルC2着後の回顧文を参照↓
『最も恵まれる競馬だったのは2着ギベオンで、次点が1着ケイアイノーティック・3着レッドヴェイロン。
後者は外差し競馬をしたのでそれとトレードオフで得られるスムーズさを手に入れたのは半ば当たり前の話ですが、ギベオンは道中は馬群内で脚を溜めて直線では前を行く同厩舎ミスターメロディが進路を開けてくれる形でちょっとズルいレベルの競馬が叶っていました。
鞍上曰く「早めに先頭に立ったせいでフワッとした」だった分での2着との話ですが、じゃあ直線でスムーズに前が開かなかった方が良かったのかと言えばそんなはずは無いので、それは贅沢過ぎる要求になります。
NHKマイルCのペースでも前掛かりの競馬で、それでいてあまりにも恵まれた競馬での2着で…次走はダービーが濃厚とされていますが、そのレベルの馬ではないと見ます。
そもそも、皐月賞を回避してNHKマイルCに向かう時点で…もしも本気でダービー狙う器ならばそのローテは組まれないはずなので、藤原英陣営もダービー級では無いとの認識でしょう。』
・・・
前走セントライト記念は先行大失速…先行勢に楽ではない展開でしたので、距離の壁と早仕掛けが相俟っての失速と考えられますが…それにしても負け過ぎですが。

上記の通りNHKマイルC2着もやや恵まれた感で古馬重賞級でも堂々と胸を張ってというレベルまではなくて、その上で直近の負け過ぎ結果と距離の壁不安…これが相変わらずブランド人気する様ならば信頼はしたくない人気馬になりますが…。


―グレイル牡3津村野中(栗東)
前々走セントライト記念3着は、見た目上は詰まりつつの見た目勿体ない競馬でしたが、二桁人気で善戦したオウケンムーンやレイエスプランドルが共に二桁通過順位からの追い込みだったコトからも、あそこで脚が溜まっていたのは功を奏した感があります。
そして他の後方から脚を伸ばして好走&善戦したという馬は、その後に菊花賞惨敗~1000万下非好走級が相場だったという相手関係からも、やはり評価はし辛い3着です。

皐月賞でもダービーでもセントライト記念でも最後方に近いポジションで競馬している辺りは、まだそれしかできない未完成ハーツクライ産駒でもあります。

今の前残り中京芝ではこの脚質も不利に働くはずで…総じて軽視したい一頭です。


△マイスタイル牡4田中勝昆(栗東)
前々走札幌記念は絶対に逃げを譲らない馬マルターズアポジーに対して掛かってまともに競り合いに行く無謀競馬での沈没。
前走もマルターズアポジーのペースに対して2番手から真っ向勝負を挑みましたが、前走の様なボーンヘッドは犯さずに前が残る地力勝負の範疇で競馬できた分で2着好走。
春の福島民報杯も同じく超Hペース2番手競馬からの残り目でした。

それに対して新潟大賞典ではスローペース瞬発力勝負で良さが出ずに6着止まりだったというのがコノ馬のキャラで、ココでも積極競馬ならば残り目があって当然の地力上位馬ですが…。

ただし、やはり気になるのは近2走で極端に速いペースの競馬を仕掛けている点で、中京二千ならば当然それよりも抑えて入るべきで…そこで折り合いを付けられるのか・ひいては田中勝春Jを信頼できるのか…です。


―マサハヤドリーム牡6北村友今野(栗東)
まずは前走福島記念6人14着時の有力馬診断を参照↓
『小倉日経OPが本年最低レースレベルOP特別ならば、次点はマサハヤドリームが勝った福島テレビOPでしょう。
そこでの2着馬3着馬は共に格上挑戦馬だったのですが、共に次走自己条件でもまともに負けている程です。
その前の米子S3着もこれまた低レベル戦でした。
馬柱はそれなりにキレイですが、この重賞級では足りる馬ではありません…消し。』
・・・
その前走は6人気にまで推されていたコト自体が驚きで、そこでの大敗結果は実力に近い結果です。
レース選択の妙でマシな馬柱が出来上がっているだけで、馬は相当弱いので…今回も消し。


▽ハクサンルドルフ牡5藤岡康西園(栗東)
3走前エプソムCでは「距離千八付近で・まともな騎手で(折り合いクリアで)・展開不利&物理的不利が無ければ足りる」という読みでの◎推奨でしたが、大凡その通りだったのではないかと思います。
それまでは距離不足マイルだと間に合わないのが常で、または折り合いを欠くと伸びないのが常でもありました。

その後の近2走は共に良馬場マイルで『となると間に合わない可能性が高い』とした通り、上がりだけは速くても全く届かないという結果に。

今回は距離2F延長で、これは大きなプラス材料と見ます。
OP昇級後に距離二千では一度走って8着に敗れていますが、それは詰まる競馬が災いしての結果で実力ではありません。

ただし、距離二千は良くても、藤原康太J起用ならば相変わらずの極端後方競馬が濃厚で…これがエプソムCみたく雨馬場や外差し馬場の恩恵まであれば届くシーンが浮かびますが、今の中京芝でここまでの極端脚質馬が嵌まる可能性は高いとは言えない分で・・・。




━━━ (後編) へ続く。

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