キムラヨウヘイ 京成杯AHの有力馬診断

※印は[★激走候補~△有力~▽軽視~―無印」を表します

―アカノニジュウイチ 牝4 横山典 53 尾関(美浦)
3歳春はマイル超路線を歩んでいましたが、気性的に距離を保たすのが難しくなり[1400m→1200m]と距離を縮めつつ走れているという近況。
前走も距離1200mのHペースで展開も向いて勝ち切ったという形で、そこから一気の2F延長というのは大きなハードルになりそうで。


▽カテドラル 牡5 戸崎 56 池添学(栗東)
昨秋キャピタルSではルメール騎手で先行競馬して大失速した後、追い込み戦法◎の田辺騎手騎乗(通称田辺マジック)で復活した通り、気性的に乗り方に注文が付くという馬。
正攻法騎乗が身上で、追い込み戦法では田辺騎手よりもトリプルスコア以下の成績の戸崎騎手に乗り替わっても勢い継続するかは半信半疑。


△カラテ 牡5 菅原明 57 高橋祥(美浦)
爪不安解消して調教で抜群に動けるようになってパフォーマンスも上昇したという馬で、その調教時計とレースでの結果は連動してきた馬。
3走前東京新聞杯は坂路50秒台で勝利、2走前安田記念は坂路53秒台で凡走、前走は一杯に追って坂路51秒台で様子見評価でしたが、その調教時計通り東京新聞杯と安田記念の間(東京新聞杯寄り)のパフォーマンスを出して好走に至りました。
まだ上積みは残しているはずで、それを今回最終追い切りでの調教時計から読み取れれば重い印も検討した一頭。


―シャインガーネット 牝4 ○○ 54 栗田徹(美浦)
昨春ファルコンS勝利後に『今回は距離短縮千四が効果テキメンだった模様で、尚且つHペース競馬で差す形に回ったことで最後まで走り切っての勝利。それでも距離千四Hペースでも折り合い完全ではなかった辺りは、父オルフェーヴル産駒らしい気難しさも垣間見えて…次走NHKマイルCの舞台条件を乗り越えるのは難しいか』と記しましたが、その後のNHKマイルとターコイズSは共に距離マイルに壁があるという負け方でした。
その後の3走は距離千四でも掛かり気味になっている辺りはオルフェーヴル産駒の難しさの表れで、そこから距離延長とやや不向き右回り条件での変わり身は見込み辛いところ。


▽ステルヴィオ 牡6 横山武 58 岩戸(美浦)
20年以降はノドに不安を抱えていて、本来のマイル超路線に打って出られない事情あっての短距離起用。そういう不向き距離でもそこそこ成績をまとめていたのは能力の証で、まともならば2年超振りのマイル戦で更にという可能性は秘めています。
ようは手術したノドの状態と仕上がり状態が全てで…そういう正確な判定はできないブラックボックス馬だけに押さえ評価くらいでお茶を濁すしか…。


▽スマイルカナ 牝4 柴田大 55 高橋祥(美浦)
近親にエイシンヒカリがいる血統で、この血統の馬は逃げられるか否かが大きなカギを握る傾向。
しかし、逃げを好まないラフィアン所属馬ということもあってか、逃げない競馬の教育を叩きこまれているという近況。
4走前オーロCは2番手競馬で相当行きたがるシーンもあっての2着で、3走前ターコイズSでも前を追いかけたがるシーンはありましたが教育の成果と前方馬と距離を置く追走ができたこともあっての勝利でしたが…そうは言っても逃げる競馬ほどの打点を叩き出せていない危うい好走だったのも事実です。
今春の連続惨敗劇は正にその延長線上の話で…これで逃げる戦法に改心してくるならば再度期待したいですが…これだけ同型が居るレースとなるとそんな強気な競馬はしてくれなさそうで。


―ベステンダンク 牡9 ○○ 56 安達(栗東)
前走米子S10人4着時も◎推奨しましたが、とにもかくにも気性的にスンナリ先行競馬をできるか否かが全てという馬で、昨年都大路S1着の後の連続凡走についてはそれが叶わなかったのが全てだったと処理できます。

2走前マイラーズCは額面上は単騎逃げではありましたが、大外枠のフォックスクリークに執拗に競り込まれて、前半3F33.3のハイラップを刻まされては大失速も当然と言える敗戦。
前走米子Sは久しくまともな単騎逃げ競馬をさせてもらえて、それで多少ペースが速かったことと斤量59キロ(上位3頭とは5キロ差)だったことを思えば、やはり自分の競馬さえできれば足りるレベルの馬だったと証明する走りでした。

今回はバスラットレオンとスマイルカナとマイスタイルなど同型複数のレースとなる点で、となると強い単騎逃げの意向でも有していない限りは惨敗パターンの競馬になる可能性が大。


▲グランデマーレ 牡4 藤岡康 55 藤岡健(栗東)
中山の京成杯AHでの穴パターンは新潟の関屋記念で好走に至らずだった馬。要求される適性の違いから、両者のレースでの好走馬と善戦止まり馬が入れ替わるケースは多々あります。
グランデマーレの前走関屋記念は不向き左回りと不利最内枠を思えばよく走ったと言える5着でしたので、全ての条件が好転する今回はチャンス有する一頭と見ます。


△グレナディアガーズ 牡3 川田 56 中内田(栗東)
△バスラットレオン 牡3 藤岡佑 54 矢作(栗東)
耳にタコと思いますが、早い段階から指摘している通り今年の3歳世代馬は低レベル4歳世代など上の世代を蹂躙する可能性も秘めた黄金世代で…実際にここまでも古馬混合重賞で昨年とは雲泥の好成績を収めています。
今年の京成杯AHに挑む3歳馬2頭も古馬相手でも当然通用してくるレベルと見られます。
グレナディアガーズはNHKマイルC回顧で『気持ちの面で難しさを孕んでいるだけにその危うさとも隣り合わせな馬と見るべきで…秋以降は過信禁物』とも記した通りで、断然1人気とすればそのリスクも意識しなければではありますが…。

※参考※
●2021年これまでの3歳上芝重賞競走の年齢別成績
年齢 着別度数 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
3歳 4- 1- 2- 10/ 17 41.20% 127 81
4歳 5- 3- 4- 45/ 57 21.10% 92 58
5歳 7- 11- 6- 74/ 98 24.50% 107 104
6歳 2- 3- 4- 42/ 51 17.60% 92 76
7歳 0- 0- 1- 34/ 35 2.90% 0 8
8歳 0- 0- 1- 6/ 7 14.30% 0 112
●2020年6月~9月の3歳上芝重賞競走の年齢別成績
年齢 着別度数  複勝率 単勝回収値 複勝回収値
3歳 0- 1- 0- 10/ 11 9.10% 0 22
4歳 7- 4- 7- 70/ 88 20.50% 195 118
5歳 9- 10- 10- 96/125 23.20% 252 105
6歳 4- 5- 4- 53/ 66 19.70% 78 98
7歳 0- 1- 0- 29/ 30 3.30% 0 42
8歳 1- 0- 0- 8/ 9 11.10% 372 63


―マイスタイル 牡7 横山和 57 昆(栗東)
マイスタイルのOP昇級後の戦績は概ね好走と凡走の繰り返しになっています。
それは直前のレースで逃げさせた後やHペース競馬をさせた後のレースではコントロールを付けられずに逆噴射傾向で、それに対して直前のレースで我慢させる競馬をした後や距離短縮などコントロールを付けやすい局面ではキチンと走れる傾向という。
3走前ダービー卿CTは長欠明けローテと控える競馬をした後での好走、前走関屋記念は距離2F短縮が利いての好走でした。
今回は同距離ローテで逃げさせた後のタイミングというのは活路は見出し辛い局面となるだけに。


★マルターズディオサ 牝4 田辺 55 手塚(美浦)
まずは3走前阪神カップ後の回顧文を参照↓
『コノ馬の本質はマイラー。
にもかかわらず、やはりクラシック戦線に乗った3歳上位牝馬として、どうしても桜花賞→オークス→秋華賞の王道路線を歩まざるを得ないというのがありました。
結果的にはオークスは距離の壁、秋華賞も距離と間隔詰まるローテの壁、桜花賞も間隔詰まるローテの壁、紫苑Sも距離の壁があり…桜花賞以降は決して理想と言えるレースに一度も出走できていないという経緯でした(その中でも紫苑Sを勝ち切ったのは能力の証)。
今回はようやく間隔を空けて距離マイル以下という最適条件のレース起用が叶って、チューリップ賞振りに満足できるパフォーマンスを繰り出せたという経緯。
今後もこういう使われ方をすれば一線級でも楽しみな馬に。』
・・・
コノ馬の過去の高パフォーマンスである阪神JF2着・チューリップ賞1着・紫苑S1着・阪神カップ2着は全て休み明け初戦ローテ。
前走ヴィクトリアマイルは高松宮記念を叩いてのローテで、高松宮記念よりも走れなかったことからもやはり連戦ローテで仇となった印象でした。
その休み明け初戦で得意右回りベスト距離の今回は期待大。


▽ワイドファラオ 牡5 柴田善 57.5 辻野(栗東)
まずは5走前みやこS9着後の次走チェック見解を参照↓
『右回りでも帝王賞4着など好走歴はありますが、本質的には左回りの方が合う馬で、今回は右回りでモタれつつHペース追走を強いられたのが大きく堪えたという負け方。左回りと距離短縮ならば巻き返し可能。』
・・・
コノ馬のポイントは左回り〇と暖季節〇。
昨年も5月かしわ記念から上昇→寒い季節に入って下降した後の春に入って再上昇という近況でしたが、今年も似た様な戦績を辿っています。
ただし、その得意季節でも走れなかったのが右回りの前走プロキオンSで、実は芝でもほとんど底を見せずの戦績の持ち主ですが右回りとなると狙い辛いところで。

中京コースがプラスになるのはスプリンター?それともマイラー?
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