キムラヨウヘイ 函館記念の有力馬診断

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

―アメリカズカップ牡5○○55音無(栗東)
コノ馬の直近2勝は共に道悪条件・少頭数外枠条件…それは単純に道悪巧者というのと、他馬を気にする面があるので特に道悪の馬群バラけて容易に揉まれぬ競馬ができるシチュエーションというのも大いに味方した結果である。また、その道悪巧者というのは、超消耗戦での強さとも言い換えられる。
前走巴賞7着はオーバーペース差し追い込み決着を思えばよく粘っているとの見方も可能だが、上がり37秒級で粘る競馬こそがコノ馬の身上だと言えます。
先行馬手薄でそこまで極端な消耗戦ペースが見込めるココでは軽視。


―アーバンキッド牡6横山武54斎藤誠(美浦)
3走前スピカSはレースレベルEでの準OP勝利。
2走前福島民報杯も前走巴賞も完敗の類。
実質的にはOPクラス未満の実力馬で、その上で距離延長二千も微妙で・・・。


△エアスピネル牡6福永58笹田(栗東)
3走前マイラーズCは骨膜炎で中山記念回避…その後は安田記念に向かえずに2走前富士Sは仕上がり途上…前走マイルCSは1週前に熱発・・・昨年は1年間3走全て順調さを欠く臨戦過程ながらも、重賞3着4着・G110着という今回メンバーに入れば格上の実績を残していました。
17年札幌記念5着は1ヶ月半も調教施設劣る函館滞在での調教過程で仕上がり切らず。
そういう調整段階での瑕疵あった場面を除けば、17年菊花賞3着から今日まで重賞レベルでは常に勝ち負けという。
今回もエプソムカップをパスしての臨戦過程ですが、調教を見る限りでは最近の中では最も充実した過程を踏めていますので…これは普通に好走してくれるモノと見ていますが。


―カルヴァリオセン6吉田隼54大竹(美浦)
前走巴賞は距離大幅延長の久々中距離起用で折り合いを欠いて、直線では詰まってのノーカウント凡走。
更に距離延長でペースが流れるか微妙なココでの前進は見込み辛い。
重馬場になるとパフォーマンスを落とす例が多くて、週末の雨予報もマイナス材料。


▽スズカデヴィアス牡8勝浦57.5橋田(栗東)
まずは昨年函館記念有力馬診断を参照↓
『常にそれなりの着順にはまとめていますが、コノ馬も右回りには少々怪しい所あります。
前々走小倉大賞典3着後には「直線手前での故障馬接触不利あって、完全に差し遅れる形での滑り込み3着好走。ただ、それが無くとも右回りでは差し遅れる形になりがちという馬」と書きました通りです…直線の短い函館コースでそれをどうカバーするのか三浦Jの腕に懸かっています。』
・・・
昨年函館記念5着のパフォーマンスについては結果的にも上記の通りだったと思います…上がり上位の走りで追い込みながらも僅かに届かず掲示板止まりに。一見すると騎手に敗因を擦り付けたくなる負け方ですが、こういう右回りで下手な競馬になるのは平常運転というコトです。

前走巴賞では右回り克服の勝利でしたが、それにしても外有利馬場・後方有利展開の恩恵を最大限受けての結果でしたので…その再現は見込めないだろうBコース替わり初戦のココではそんな大きな見込みはできません。


▽マイネルサージュ牡7国分恭55鹿戸雄(美浦)
まずは5走前白富士S8着後の次走チェック馬見解を参照↓
『折り合いが鍵という馬で、先行競馬を捨てて出たなり後方競馬戦法に特化してから戦績が安定してきたという馬。
今回はテン乗り石橋脩Jでその不振先行競馬をしてきた分で折り合い欠いて終いに脚を残せずの結果。
小回りコースなどでもう少しペース流れるレースで、キチンと差す競馬に回れば違う結果になるはず。
前走中山記念も太目残りで0.2秒差で重賞OPなら能力的にも上位級。』
・・・
折り合いに難しさはあってスローペースも困るけれど、スピード不足なので高速決着も無理という難しいタイプ。
4走前中山記念は距離千八高速決着で走力不足。
3走前福島民報杯は5着。
2走前メイSは折り合い欠き。
前走巴賞は距離千八で距離不足。

距離二千以上であとはタフな差し決着にでもなれば出番可能性有と見られて、ただしその直近該当の福島民報杯で5着止まりだった辺りは過密ローテでの下降線も読み取れる分で強気な評価までは・・・。


―ゴールドギア牡4○○52伊藤圭(美浦)
2走前も前走も前残り展開で後方競馬届かずの格好…自己条件ならば大いに見直せる近況にはあります。
ただし、コノ馬は他馬を気にする面があって、戦法としては大外ブン回しオンリーです。近走の好走歴は少頭数立てばかりで、Bコース替わり初戦の函館芝フルゲート戦では余程嵌まらない限りは・・・。


▲ブラックバゴ牡7斎藤55斎藤誠(美浦)
テン乗り騎手[4-2-1-5]⇔非テン乗り騎手[0-0-1-13]
コノ馬はテン乗り騎手だと12戦7好走・非テン乗り騎手だと14戦1好走という過去。
乗り難しい馬だけに先入観を持って騎乗する後者だと裏目を引くコトが多くて、先入観ない騎乗の方が好結果に繋がるという。
前走も3走前も鞍上が恐る恐るの騎乗でノーチャンスの位置取りに追いやられての凡走。
2走前はテン乗り騎手でしたが、高速距離千八戦でそもそもスピード不足の凡走。
その前には重賞で小差競馬をしている通り最低限の能力は持っている馬で、適性あるだろう洋芝二千条件ならば…一般的には鞍上弱化と思われて人気落ち必至の今回ですが、逆にこの騎手起用が起爆剤となる可能性も有りで…大穴で一考。


★マイスタイル牡5田中勝56昆(栗東)
まずは4走前京都金杯時の予想文を参照↓
『前走の敗因は田中勝春Jのペースメイク一択…もちろんそれは田中勝春Jの意図というよりはそれだけ難しい馬というのが根本でしょうが、それでも近3走中2走で失敗しているのは鞍上の問題も避けて通れない話でしょう。
今回は鞍上交代ではなく距離短縮で立て直そうとの魂胆での京都金杯参戦…それが良い方向に転びさえすればココでも通用し得る馬だけに、妙味有りの一頭と見ました。』
・・・
7走前札幌記念はHペース先行から折り合い欠いて暴走早め先頭ででの失速凡走
6走前福島記念は2着好走
5走前中日新聞杯はHペース掛かり気味逃げでの失速凡走
4走前京都金杯は2着好走
3走前小倉大賞典はスローペースなのにわざわざ中団に控えて折り合いも上手く行かずの凡走
2走前ダービー卿CTは横山典J乗り替わりで3着好走
前走巴賞は田中勝J手戻りでドン詰まりでの凡走

マイスタイルの近走というのは、つまりは田中勝春Jが並騎乗できた時には好走して、田中勝春Jが駄騎乗した時には凡走の永遠ループでした。

雑な言い方にはなりますが18年以降の戦績は田中勝春J駄騎乗を除けばパーフェクト…つまり馬の能力は申し分ないワケで、あとは騎乗一つ・鞍上一つで見違える戦績であったもおかしくないのです。

これだと田中勝Jをディスっている様ですが、もっと深く言えば鞍上に駄騎乗をさせる馬の状態である時には凡走して、鞍上が導き易い馬の状態である時にはキチンと好走しているとも言えます。

今回も田中勝J継続騎乗ですが、そうやって我慢させる競馬で何もできなかった後というのは、馬としては乗り易い・好走に導きやすい局面ではあります。
鞍上も「ガス抜きができた」とのコメントをしていますが、色々な意味で巴賞凡走を糧にココは一変が見込めるはずです。


―マイネルファンロン牡4丹内54手塚(美浦)
気性難で近走はほぼ毎度折り合いを欠く競馬。
ここ1年で挙げた3勝は、グリーンライトが与えられていただろうモレイラ騎乗で捲り競馬をした2戦と、8頭立てで誰も行かずに自ずと超スローペース逃げ競馬ができた1戦…そういう折り合わせる競馬をした時は結果を出して、それ以外に無理に抑える競馬をした時は全敗という。
マイネル馬の司令塔は基本的には逃げ競馬は好まないので(丹内騎手は指示通り乗る)…逃げ馬ではないマイネルファンロンの今回の競馬も、恐らくこれまで散々失敗している好位競馬だろう。。


▽メートルダール牡6武藤57戸田(美浦)
激走歴は外国人騎手騎乗時が多くて、それと対照的な福永騎手騎乗時にはパフォーマンスを落とすことが結構あって…マーフィーJ騎乗の2走前アメリカJCC3着が際立ちますがそれが騎手の功績として除いて考えるとそこまでの馬の戦績ではなくなります。
まして重斤量での戦績振るわない若手武藤Jとなるとまだ荷が重いか。


△レッドローゼス牡5蛯名56国枝(美浦)
〇内回りコース[4-2-0-1]⇔△外回りコース[0-1-2-1](※18年以降)
ステゴ×ガリレオのパワー体質馬らしく内回りコース小回りコースで強さを発揮するタイプ。
また日本でのガリレオ系馬らしく、条件クラスでの足踏みは多いものの、昇級の壁は無くどんな相手関係にも善戦できるタイプ。
引き続き小回りコースというのは〇で、また相手強化も〇で…強引な競馬になり過ぎなければ好走可能。


△ステイフーリッシュ牡4中谷57.5矢作(栗東)
昨秋以降もG1を除けば常に重賞好走圏内で走っている実力馬。
前走鳴尾記念は急仕上げ気味の調教過程だった分もあるでしょう。
どんな条件でもそれなりに走れるタイプで、前走よりも走れるだろう臨戦過程…普通に上位評価を下す以外にありません。


―ナイトオブナイツ牡6池添56池添兼(栗東)
これまでの好走例はほぼ距離千八以下で、距離二千になると途端に脚が止まる所を見せている。唯一の好走歴の寿Sは少頭数9頭立ての一戦で、大きく離されての3着でした。
前走巴賞は馬場バイアスと展開に恵まれた感ある2着で、そこからの距離延長二千と相手強化のココは強調できません。

今週は重賞が1レースのみのため第二重賞では日曜福島メインのバーデンバーデンCをお届け!
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