キムラヨウヘイ 大阪杯の有力馬診断

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

▽アルアイン牡5北村友57池江寿(栗東)
3走前天皇賞秋は積極的過ぎる仕掛けだった分での4着
2走前マイルCSでは距離マイルでキレ負けする様な所もあっての3着
前走金鯱賞では柴山Jに直前乗り替わりの影響もあったかは定かではないが、柴山J曰く「道中もハミに乗りかかってくるような雰囲気で、4コーナー手前からはスカンとハミが抜けてしまうようなところがありました」という難しさを見せて差し遅れる様な形でのチグハグな敗戦。
気性面で難しさが出てきて坂路とプールでの異例調整過程になっている通り。
現時点ではパフォーマンスの低下とまでは言えないが、それでも昨年からパフォーマンス更新できていないのは確かで、それは上記の点から今回も望み辛いとは言えます。
去年は同レース3着でしたが、よりHレベル4歳世代馬を相手にしなければならない点で昨年よりも着順を落とす可能性の方が高いか。


★エアウィンザー牡5浜中57角居(栗東)
https://twitter.com/jou_syou/status/1103133056611708928
金鯱賞は大箱コースでも前哨戦の流れならば大きな瑕疵にはならぬとの見立てでの無難対抗評価
結果は(走る度にパフォーマンスを上げてきた馬が)前走チャレンジC[小箱]からの現状維持パフォでの3着止まり
上記ツイート通りのコース条件好転ある大阪杯ではパフォ上昇の可能性十分

母エアメサイアも「桜花賞4着→オークス2着→ローズS(阪神内二千)1着→秋華賞(京都内二千)1着→エリ女5着」で、外回り→内回りでパフォーマンスを上げただけに、その仔のエアウィンザーもココで期待大


―エポカドーロ牡4戸崎57藤原英(栗東)
https://twitter.com/jou_syou/status/1100653699297210368
藤原英厩舎らしからぬ早期育成方針が敷かれた現4歳世代。
現5歳世代所属馬の好走率は「3歳春<3歳秋<4歳春」の推移に対して、現4歳世代は「2歳>3歳春>3歳秋>4歳」と真逆の推移で、肝心な3歳秋以降の好走率は近年最低レベルとなっています。

 

藤原英厩舎を以ても早期活躍と成長力の両立は難しいのか?という疑問も呈されます(ミスターメロディに走られてしまいましたが…それでも全体的な数字の出方としては確かにそうなっていますので)。

そもそもが順調な出世が難しいオルフェーヴル産駒で、昨秋以降はゲート・スタートの怪しさなど気難しさも垣間見えつつもあり…これの復権については懐疑的に見たいです。


★キセキ牡5川田57角居(栗東)
前々走ジャパンカップのパフォーマンスが今回メンバー中で最大のパフォーマンスレベル

前走有馬記念では、逃げ馬をやっている割には出脚の優れた馬ではないのもあって、序盤で自分の競馬に持ち込むのに一苦労も二苦労も…その分のロスと消耗は決して小さくなかったはずで、それでもHラップを刻みながらも直線半ばまで粘りを見せた辺りは十二分に能力を示すパフォーマンスだったはずです。

(その週の中山芝は「1~3枠好走率8%⇔7,8枠33%」で、5人気以内でも「内27%⇔外54%」で外枠断然有利だった通り、完全外枠有利バイアス発生でした…それを逃げ粘り5着というのは十二分に強い競馬でした)

外回りコース[4-2-3-1]⇔×内回りコース[0-0-1-3]
この手のデータは基本的にはその他複合的な要因も含んで偶発的な数字の偏りになるのがデフォですが、そうだとしてもキセキの超大トビ走法からはやはり広いコースで伸び伸び走れてこそだと思われますので…阪神内回り二千だとジャパンカップ程のパフォーマンスは叩き出せない計算で、その点をどう評価するのかだけ。


▽サングレーザー牡5ミナリク57浅見(栗東)
ミナリク騎手を日本人騎手で例えるならば“チェコのウチパク”
パワー型の騎乗が特徴で、日本芝の繊細な競馬にはイマイチ適応できていません。
それを如実に表すデータとしては「芝△」「芝差し追い込み×」「芝小型馬×」というモノで、芝よりもダート、芝ならば位置取りゲームや大型馬を積極策からパワーで粘り込ませる形ならば好走できても、いわゆるキレる馬の末脚を引き出すという騎乗はほぼ見られません。
サングレーザーはそのミナリクJと相性悪そうな「芝」「差し馬」「非大型ディープ産駒」という点で…騎手が最大の問題になってきそう。


▽ステルヴィオ牡4丸山57木村(美浦)
まずは前走中山記念回顧抜粋を参照↓
『中山マイスターでその中でも最も合う中山千八G2のココは一つの勝負所だったウインブライト&今回騎乗の為に復帰を早めた松岡J、3歳春以降は勝ち切れずで結果を出さねばコンビ継続も危ういラッキーライラック&石橋脩、一応は大阪杯との連続騎乗予定もノーザンFの力学として物足りない結果にでもなれば鶴の一声で一戦限りも有り得る立場の丸山J&ステルヴィオ・・・これら今回中山記念に執念を燃やす人馬のワンツースリー決着。それは決してオカルトでもなくて、本来前哨戦的位置付けであるレースですから、通常ならば余裕残しのデキで良い所ナシだったディアドラや、例の如く次本番を見据えての騎乗で早仕掛けを避けたスワーヴリチャードを尻目に、この速いペースでも本気で勝ちに行く位置取り&仕掛が結果を左右したという決着でした。』
・・・
前哨戦を勝ちに来て3着だったステルヴィオよりは、そうではなく好走止まりだった馬の方を買いたいというのが本番レースの基本です。
またステルヴィオ自身は距離二千以上と小回りレースだとパフォーマンスを落としているので…この大阪杯の阪神内回り二千条件も決して良いとは言えずで。。


―ダンビュライト牡5松若57音無(栗東)
昨年出走の国内4戦は全て、内枠から窮屈な競馬を強いられた分だけ不完全燃焼ある敗戦。
本年初戦のAJCCは不向きな速い上がり勝負になった分での敗戦。
前走は外目スンナリ先行で昨年敗因を排除、そして上がり34.9で勝ち切れる馬場状態で前走敗因を排除…ここまでこれ程までにかと言える不遇具合でしたが、ようやっとまともな競馬ができての重賞激走。

ただし、そのまともなというコト自体が狭いストライクゾーンを示しますので、やはり安定成績が望めるかと言えば否。
またスンナリとした競馬ができる構図と、渋化馬場など瞬発力不要レースというのが前提となってきます…となると内回り多頭数激戦G1レースといのは確率が低い局面ですので。


△ペルシアンナイト牡5Mデムー57池江寿(栗東)
「デムーロ騎手の今期のG1騎乗馬(騎乗予定馬)での前哨戦&本番戦歴」
●スワーヴリチャード
中山記念4着「休み明けだから押し上げたくなかった。着順よりも収穫の多いレースだった」

●アドマイヤマーズ
デイリー杯2歳S1着(辛勝:PL[D])→朝日杯FS1着(圧勝:PL[C]])→共同通信杯2着(PL[D])
朝日杯FS後「良い脚の持続力が自慢の馬だから早めに仕掛けた」
共同通信杯後「もう少しペースが速ければ勝っていたかも、しょうがない」

●ペルシアンナイト
金鯱賞4着「よーいどんは嫌だったが道中動けず。トライアルとして次に繋がる良いレースだった」
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前哨戦では余力温存騎乗で人気裏切り傾向で、本番では全力出し切り騎乗で激走傾向というコトです。
ペルシアンナイトの過去デムーロ騎乗前哨戦も同様で、そこから本番でのアグレッシブな騎乗で更なる奥を引き出すというのがパターンとなっています。
そういう意味では今回大阪杯でも買わねばならない一頭ですが、ただし去年大阪杯2着よりも相手関係強化されて…この4歳世代牡馬のレベルの高さを前にしてはそれでも足りるか足りないかギリギリかも知れない分で…。


―マカヒキ牡6岩田康57友道(栗東)
https://twitter.com/jou_syou/status/1074644669202485248
凱旋門賞遠征の影響か、又は母系の血(きょうだいの行き着く所はダート馬と道悪巧者)なのか…年齢を重ねてからのマカヒキの領域は低速決着戦。
スピードが問われると昨秋天皇賞秋みたくてんで駄目で、前走京都記念のような馬場悪化して速力問われなくなって浮上という近況。
今回大阪杯はその京都記念よりも、天皇賞秋寄りのレースなので…軽視。


△ワグネリアン牡4福永57友道(栗東)
https://twitter.com/jou_syou/status/1107509633046859776
近年のダービーは内枠馬・先行馬有利で、それに恵まれて好走善戦果たした馬のその後成績は不良で、逆に差し追い込みで上位入線を果たした馬ほどキチンと本物馬であるというコトが言えます。
ワグネリアンの場合には位置取り的には先行でも、大外枠克服でしたし先行して“差した”という競馬なので別にそこまで卑下するモノではありませんが…それでもスムーズならばもっとやれたブラストワンピースや万全ならばもっとやれたダノンプレミアムや後方競馬エタリオウとの比較では決して抜けたダービー馬ではないとの見立て。

クラシックシーズン活躍しても古馬以降に同様の活躍をした例は未だに0例と言っても良いディープ牡駒で、特に早熟傾向が強いディープ×キンカメ配合でどうなのかという面もあります。


△ブラストワンピース牡4池添57大竹(美浦)
馬としてはワグネリアンよりはブラストワンピースを評価していますが、ただ前走有馬記念は嵌まった感ある競馬だった分で…

その週の中山芝は「1~3枠好走率8%⇔7,8枠33%」で、5人気以内でも「内27%⇔外54%」で外枠断然有利だった通り、完全外枠有利バイアス発生でした。
それを最も味方にできたのがブラストワンピースだったと思います。

ブラストワンピースについては3歳春から常々能力についてはトップ級評価をしてきましたが、その有馬記念では「右回り+小回り」の分をマイナス査定したのですが、結果的にはタイトに回ってくる必要なくて大外をブン回してくればOKという非立ち回り戦となった分で弱点がマイナスに作用しないという…。
となれば、斤量差2キロ恩恵ある有馬記念では3歳トップ馬が通用しないケースの方がレアケースなので順当勝利結果だったと言えます。

今回大阪杯では「右回り+小回り」については再びマイナス材料として考えなければならないと思いますし、また3歳12月の斤量差2キロというのはあまりにも3歳馬にとって有利な条件なのでそれを埋める成長を遂げなければ単純に有馬記念1着よりも結果を落とす計算となってしまうワケで…また有馬記念みたく不器用な競馬でOKな馬場ならば重く扱いたいですが…。