キムラヨウヘイ 宝塚記念の有力馬診断の総まとめ(前編)

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

―アルバート 牡7 藤岡康 58 美北 堀
現役屈指のステイヤーとしては絶対的な地位を築いたアルバートだが、それはあくまでも長距離路線という軽視されている低レベル路線上での話。
その自身の土俵と言える長距離路線に於いても、中距離馬が本気で挑戦してくる天皇賞春では毎年足りていないというのがコノ馬の絶対的能力不足を如実に表している。

実際にコノ馬の重賞勝利歴は「ステイヤーズS×3」「ダイヤモンドS×1」の4つで、昨年の勝利両レースについては共にレースレベルDEという結構な低レベル戦でした。

あとは昨秋オールカマーでも以下の通り危険人気評価した通り、やはりこの距離路線では更に劣る印象ですので
『前々走ダイヤモンドS勝利時にしても4走前ステイヤーズS勝利時にしても超長距離を自ずとゆったりと競馬するのが身に付いており、その上で少し距離が短くなった3走前有馬記念を見て貰えれば分かると思うが[10-12-15-16]の通過順の通り後半のスピードアップに対応できない不器用な取り口になっている。
これ見せられてしまうと、今となっては本物の長距離戦以外では手を出し辛い。』


△ヴィブロス 牝5 福永 56 栗東 友道
17中山記念の有力馬診断タイトル→『昨春の一件で主戦騎手剥奪=騎乗依頼断絶から1年…(例の浜中Jとは違って)再び騎乗機会を与えられるに至った内田博Jの大人力と佐々木Oの懐の深さ』

内田博幸Jは約1年間の一時絶縁を経てコンビ復活、そして今回福永Jもそれと全く同様に丁度1年間の一時絶縁を経てコンビ復活となりました。

昨夏宝塚記念シュヴァルグラン福永J騎乗の一件を契機に、大魔神佐々木オーナーの“絶縁”話はいよいよ周知の事実としてとして広く出回る話となりましたが、ウチでは福永Jより前から-内田博Jより前から-浜中Jの時から扱ってきたネタでした。
浜中Jも内田博Jもそして福永Jも…独断専行の逃げ騎乗が発端となりその後の後始末の誤りもあって“一時絶縁”へと至ったという経緯でしょう。

ただし『福永Jも“絶縁”かと言われていますが、福永J程の世渡り力を持った人間がそういうコトにはならないと思うんですよね…浜中J(永久)パターンではなくウチパクJ(一時)パターンの方になると勝手に想像していますが』と書いてきた通り…この復縁は予想できたコトでした。

ただし、もちろん約1年間も一切乗せていなかったのですから、両者の間に何も問題が無かったはずがありませんよね。
でも、若さ故に騎乗ミス以外の面でも余計な怒りを買う対応をした浜中Jと違って、誠意ある対応をしてきた内田博J・福永Jですから再びチャンスが回ってきたのだと思います。
それにはどうしても1年間という期間も要したのでしょうが。


最後に馬についてですが…
3走前エリ女凡走については外枠先行策で掛かったのが全てでしょう…これまでの激走歴はインから器用に捌けた場面だっただけに、初距離二二で外目競馬で掛かるという真逆の形は如何にも厳しかった印象でした。
2走前中山記念は破格賞金ドバイへの叩き台という一戦で、そこで余力を残した結果というのは既定路線だったとの印象もあります。
それでドバイターフではキチンと結果を出した以上は、やはり力を持っている馬には違いありませんので。

あんまり宝塚記念で牝馬を狙うのは当理論に反するのですが(去年は◎ミッキークイーンでしたが)、能力面と得意暖季節での状態面と…最も無難感はあります。
ただ、自信を持って推したミッキークイーンでも3着止まりだったので、牝馬で勝ち負けというのはちょっと…。


▽キセキ 牡4 Mデムー 58 栗東 角居
前走日経賞は大外枠から我慢し切れずに外捲り失速劇。
距離短縮の今回宝塚記念はその二の舞までは無いでしょうが、どうも折り合い面に難しさが出ている近況と調教過程では安心できません。
本質的には大箱向きだろう大跳びルーラーシップ産駒で、前走捲り競馬をした後で小回りコースでMデムーロ騎乗…両方の意味での怖さあって…。


―サイモンラムセス 牡8 小牧太 58 栗東 梅田智
小牧太Jは「(他馬と)競り合う中で頭が上がってきたり、ハミが抜けたり」を弱点と指摘していましたが、それを回避する単騎逃げ戦法で本領発揮という近況。
3走前4着も展開不利且つ馬場バイアス不利競馬を思えば高評価できた競馬でした。
つまりは、どこまで他馬と離れた逃げを打てるかの一点…もしも他馬に追い付かれてしまうとその時点で一気に走ってくれなくなるという難しい気質を持った馬です。
それは前々走8頭立て・前走距離二四では叶っても、宝塚記念では至難でしょう。


▽ストロングタイタン 牡5 川田 58 栗東 池江寿
毎年寒い季節になると調子を落として、暖かい季節に調子を上げて活躍する傾向ある馬。
3走前ディセンバーSの敗因は大凡それで、2走前についてはHペースを掛かり気味先行逆噴射という残念騎乗が敗因だった。
前走は暖季節2戦目での本調子と、デムーロJの好騎乗あっての一変劇。
ただし、それはデムーロだけの手腕ではなくて、馬の成長についても見逃せない…前シーズンまでのストロングタイタンはスンナリした競馬でないと走れない気難しい面あったのだが初チークピーシーズ着用も効いたのかこれまでを一新する様なイン突き勝利だった。
人気を背負うとしょっちゅう裏切り傾向の過去戦績でまだ全幅の信頼は置けぬ段階ですが、もしかしたらいよいよ本格化という期待もありますが。。


★サトノクラウン 牡6 石橋脩 58 美北 堀
コノ馬の特徴としては…気持ちの面の弱さと体質面での弱さもあって、休み明け初戦だとマシで続戦だとすぐ凡走傾向、そして初モノへの弱さが顕著。
但し、それは流石一流堀厩舎と言うべきか、必ず(初モノ)2度目には巻き返し結果を収めてきた経緯もある。

具体的には…初香港で大敗して、香港2度目では1着。初関西遠征では凡走して、関西遠征2戦目では1着。あとは昨年大阪杯馬体減凡走後からの宝塚記念馬体回復激走までのリカバリーもそれの類でしょう。
前走はそんな初モノの地での大敗なので致し方無い結果だと言えるはずです。
2走前3走前はコノ馬には無理目な激走後過密ローテだったので、これも同様に致し方ない結果だと言えるはずです。
今回は非初モノ条件…まともに走れさえすれば一番強い競馬できて良いはずの馬だけに・・・。


あとは有馬記念後に『今回は中間ポリトラック調教など工夫もされていましたが、そんな明らかなイレギュラー調教対応はマイナス視すべきで。また当日気配もイレ込みが目立っていましたし、総じてとても正常な状態での有馬記念参戦には見えませんでした。この間のTMS情報は[秋天◎好走→JC▲凡走→有馬△△(二重三角)凡走]というモノでした…改めて間隔空きローテとTMS上昇ならば復調機会狙い撃ちをいきたいです』としました通り、TMS上昇ならば・・・。

(※TMS(トラックマン・インサイダー)予想術とは=競馬専門紙の厩舎担当記者や騎手エージェントなど、内部と密な関係を持つ真の情報通が打つ予想印から[表に出ることのない好不調などのインサイドな情報]を、独自の手法を使って読み解く当予想のテクの一つ。TMS◎とは、その情報が◎(買い)というコト。)


━━━ (後編) へ続く。

今週は好メンバーの揃ったオープン戦!
パラダイスSはこちら!