キムラヨウヘイ 宝塚記念の有力馬診断の総まとめ(後編)

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

―タツゴウゲキ 牡6 秋山 58 栗東 鮫島
昨年のサマー2000シリーズ覇者…その後は脚部不安もあって前走鳴尾記念が長欠明け初戦に。
ただ、それが万全な復帰戦だとは必ずしも言えなくて、というのも本来のコース追いではなく坂路オンリー追いとなっていましたので。
そしてそこから中2週の今回も坂路で軽い時計のみという調教過程です。
となると、復調はまだ先ではないかというのが常識的な判断です。


▽サトノダイヤモンド 牡5 ルメール 58 栗東 池江寿
まずは前々走金鯱賞3着後の回顧文を参照↓
『全く以て物足りないレース振りでした。
超スローペースを間に合わない位置取りで競馬をして一応上がり最速で追い詰めているので、敗戦自体はやむを得ないモノと言えるし、また決して弱い競馬をしているとは言えないモノですが・・・ただ、この酷評されていた中間調教過程と一緒で、それ以上の走りというか進境はレース本番でも見せてくれなかったのは重く捉えたいトコロ。
というのも、調教でも追走ペースを緩めた最終追い切りでは走れており、それなりの追走ペースだった1週前2週前では格下に遅れる始末だったワケ…その前者のレース振りで最低限の結果を残したに過ぎず、後者(大阪杯で想定されるペース)になっても大丈夫だとはとても言えない様な…巷で言われる様に収穫あるレース振りだったとは到底思えない敗戦でした。
また(他の馬は一様にペースが遅すぎて苦しむ中で)こんな超スローペースでも大人しく中団競馬にフィットしていたのも逆に心配です。

過去の数多の海外遠征を経て不調・不振に陥った馬というのも、今回のサトノダイヤモンドみたくG2のヌルい競馬で3着好走くらいは皆走れています。
そして海外帰り初戦でマズマズ走れたからと更なる期待が懸けられるのですが、そこで意外な程にノビシロを示さない・結果を出せないというのが典型的なパターンです。

次走大阪杯までは間隔ありませんから調教過程でも攻めよりも守りの過程になるでしょう…ガラリが無い限りはG1激走まで遠いはずですから、その次走大阪杯では軽視したいです。』

・・・

その前走大阪杯時でも、私としても結構珍しいくらいの酷評をしました。
結果的には前走大阪杯も嫌われ者戸崎Jのせいであると責任転嫁できる様な負け方でしたが、もちろん戸崎Jの騎乗内容も頂けないモノなのですが、そればっかりでサトノダイヤモンドの劣化が語られないとすれば順番が違うのではないだろうかと。
戸崎Jが幾ら駄騎乗をしたとしてもここまでの着差、そして戸崎Jの駄騎乗を誘発したとも言える3歳時とは別馬の鈍さズブさが根本としてあるはずです。
コレが凱旋門賞遠征帰りの反動での一時的な不調なのか、又はそもそもの衰え・劣化なのかですが…別に私はサトノダイヤモンドとは遠い世界の人間なので妄想という予想をするしかないのですが、私の出せる結論としてはポスト・マカヒキ=過去の同様の例から言えば断然後者である確率が高いというコトです。


▽ゼーヴィント 牡5 池添 58 美北 木村
デムーロはキセキを選び、デムーロに弾かれたパフォーマプロミスは戸崎を選び、戸崎に弾かれたゼーヴィントは池添…というカンジでしょうか。

前走目黒記念は前残り展開を上がり最速、他上位馬とは平均2キロの斤量差、左回りでバランス悪い走り、直線ではドン詰まり…これで小差ならば十分に馬の地力は示す結果でした。
そこからの距離短縮と右回り替わりで本領発揮なれば…前々走までの重賞での圧倒競馬続きだけ走れれば通用して良い馬ですから。
あとは前走目黒記念後にも相変わらず戸崎Jは自身騎乗のマズさには一切触れずに馬の状態面が敗因の100であるかの様に言っていますが、まあ戸崎Jは誤魔化すだけで嘘は言わないと思っていますが…その状態面を取り戻せるのかの一点でしょう。
それは体質が弱くて休み休みでしか使えなかった馬で、それが連戦で初関西遠征で上昇というのはどうだろうかとは思いますが…。


△ステファノス 牡7 岩田 58 栗東 藤原英
策士藤原英師により組まれた「新潟大賞典→宝塚記念」ローテ…その新潟大賞典では崩れましたが、大目標を先に控えた初戦となればそれだけ勝負度も仕上がり面も低くなるのが当たり前です。
また、藤原英厩舎の高齢実績馬と言えば、フィエロもストレイトガールも高齢になるに連れて戦績の振れ幅が大きくなっていました…それだけ高齢馬に連続好走や連続善戦は求められないという側面もあるのでしょう。
前走新潟大賞典はそんな調整レースでのモノと割り切って考えられる敗戦とも言えますので、当然上がってくるのみ&過去G1戦に比べれば相手関係的にも手頃なココならば決して侮れぬ一頭になるはずです。

あと気になったのは鞍上岩田騎手起用。
昨年マイルCS時に『[ガリバルディ]社台本隊馬でのG1騎乗は約3年振りの岩田騎手(12年10→13年6→14年1→15~17年0)と、それを強行起用できる藤原英師の政治力』と書きましたが、その後に朝日杯FSフロンティア・安田記念リアルスティール・そして今回宝塚記念ステファノスと4例も。
特にリアルスティールとステファノスは非主戦馬なので、オーナーサイドから人選された騎手起用だと言えるはずです。
岩田Jの低迷は、鶏(干され)が先か卵(不振)が先か何とも言えないトコロですが、鶏は戻りつつある流れかも知れません。


△パフォーマプロミス 牡6 戸崎 58 栗東 藤原英
そんなステファノスを評価するなら、鞍上面でもより本気度(本腰)が読み取れるパフォーマプロミスも評価しなければなりません。

前走は重賞勝ち馬として格下の上位2頭は上回って然るべきだが…それには例の藤原英厩舎×デムーロJの本番前の叩き台思惑が強かった一戦だった分の惜敗とも考えられるか。
本番を前にした叩き台レースで本領発揮させないというのはいつもの話…今回宝塚記念ではワンランク上のパフォーマンスがあって良いはずで少々警戒。



━━━(前編)はこちらに掲載しています。

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