キムラヨウヘイ 新潟記念の有力馬診断の総まとめ(前編)

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

△グリュイエール牡6戸崎 藤原英(栗東)
ディープ産駒×藤原英厩舎×金子オーナー馬…人気する要素が満載の一頭。
ただ、屈腱炎で2年以上もの休養を強いられた馬が、そこから重賞級にまで順調に歩みを見せる例は少数派で、その道中で期待を裏切る例の方が多数派の様に思えます。
前走エプソムカップは、直線で内に進路を取った4着サーブルオール・直線に入るまでから大敗ダイワキャグニーをマークして内からの進入だった5着エアアンセムに対して、最初から有利な外差し競馬を敢行できた分のメリットも大きく作用しての3着でしたのでそこまで抜けている馬ではありません。


△セダブリランテス牡4石川裕 手塚(美浦)
前走中山金杯では小回りで器用な立ち回りを見せたウインブライトに対して、距離二千も小回りコースも必ずしも合っているとは言えないズブい性質を見せながらもギリギリで捉えた辺りは評価したい1着でした。
前々走アルゼンチン共和国杯にしても直線詰まりつつでのソールインパクト以下の結果で、ガソリンを使い切る競馬ならばもっとやれていてもおかしくなかったです。
スタミナ優位型なので年齢・キャリアを重ねてからが真骨頂でしょう…それだけに休み明け初戦よりも叩いてからが本領発揮感はありますが…。


★マイネルハニー牡5柴田大 栗田博(美浦)
まずは4走前白富士S3人1着時の◎推奨文を参照↓
『大箱・渋化馬場・中距離(マイル超)という条件がピッタリなマイネルハニーを本命に推したい。
前走は不得手とする小箱条件、そして同グループの同型馬出走でそれに気を遣ってリズムを欠いた難しい競馬を強いられながらの好走は価値大だと言える。
今回は前走みたく気を遣わなければならない相手はおらず、自由気ままな競馬が可能という場面。
過去に[前走非逃げ→今回逃げ]だったタイミングでは重賞OP好走を含めて[1-1-1-0]のパーフェクト戦績を残しているが、ルメールJ騎乗のテオドールは非暴走競馬を指向するはずならばそれが叶う場面になりそうで…チャンスではないでしょうか。』
・・・
その4走前も含めて[前走非逃げ→今回逃げ]だったタイミングでは4戦4好走のパーフェクト戦績。

前々走巴賞は…結果的にはスローペースの2番手追走で、それで折り合い欠きつつの形という負けパターン競馬でした。その駄競馬は(レース選択が被りがちの同ラフィアン軍団馬を内地の別レースに回しているコトからも)大本番的な位置付けであろう函館記念に向けての試走に他ならないでしょう。
前走函館記念でも…今度は同型に屈して逃げられず…それにしても負け過ぎなので正確な指摘は難しいですが…。

今回は前回激走の白富士S同様に[大箱・渋化馬場・中距離]という好条件且つ条件好転回です。
その上で、マイネルミラノをダシに使っての単騎逃げ戦略(伝家の宝刀である前走非逃げ→今回逃げ戦略)ならばガラリ一変の目は捨てきれないです。


―マイネルミラノ牡8津村 相沢(美浦)
まずは3走前AJCC3着後の回顧文を参照↓
『ここ3走は全て小回り二千条件に使われて、その全てで序盤ハナに立てずにややチグハグなレース振りからの凡走となっていた。
今回は4走前オールカマー以来となるストレート逃げに持ち込めたワケだが、それは共に最初のコーナーの入りまでに距離ある中山二二コースというのが肝だったか。思えばその前の単騎逃げレースも、同じくのコトが言える東京千八コースの毎日王冠だった。

今回にしてもその長い助走距離あって、尚且つ目だった同型不在でペースも無理なくて…それでようやっとハナに立てたという経緯。
単純な話を言えば距離延長ならばだろうが、そうだとしてもコノ馬が必ずしもハナ競馬を敢行できるかと言えば結構注文が付く話になるだろう。

また、前回善戦のオールカマーも超スローペース逃げだったが、今回も平均ペースの競馬での大逃げで上がり3F36.4と完全にバテているにも関わらず後続馬の位置取りミスでギリギリで残れたという代物だった。

この手の競馬というのは何レースかに1度は起こる事象なのだが、それを除けば好走不可能だろうマイネルミラノの能力減退は明らかではないだろうか。』
・・・
とりあえずマイネル軍団のファーストは柴田大知J起用のマイネルハニーで、津村J起用のコチラは少なくとも本丸ではないはずです。

昨年福島民報杯は本当に強い競馬でしたが、それ以降は超スローペース叶った中山二二コース戦でのみ善戦という近況。
もう相当弱い馬という可能性が高いですし、その上でマイネル軍団で非優先扱い(同型マイネルハニーに気を遣った競馬)となると競馬が難しいはずで…。


★ブラストワンピース牡3池添 大竹(美浦)
前走ダービー時にも最後まで推奨候補だった一頭…結果的には5着止まりでしたが、世代頂点に限りなく近い評価もできるパフォーマンスだったと見ています。
大型ハービン産駒でしかも太目残りで俊敏な動きはできない段階…それは瞬発力が何よりも大事なダービーでは苦しい適性馬でしたから…その資質の分もあって脚を余す結果となりましたが、仮に脚を余さぬスパートができていれば3着以内は当然見込めた競馬でした。

また、近年ダービーでの[内枠][先行]での穴激走馬を全て挙げると、直近年から「マイスタイル・エアスピネル・サトノラーゼン・マイネルフロスト・アポロソニック・ペプチドアマゾン」…つまりはそのダービー激走はフロックだったと言いたくなる様な、その後の戦績案外馬ばかりという有り様です。
逆にダービーをキチンと差して好走した馬はその後も信頼が置けるというコトです。


━━━ (後編) へ続く。