キムラヨウヘイ 桜花賞の有力馬診断

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

―エーポス牝3岩田康55北出(栗東)
―ヤマカツマーメイド牝3池添55池添兼(栗東)
―ナイントゥファイブ牝3松田55西園(栗東)
フィリーズレビューでの権利獲得組。
桜花賞の有力前哨戦としてはチューリップ賞が第一で、最近では間隔を空けるローテを目的にクイーンCも地位を上げていますが、逆に地位を落としているのがこのフィリーズレビュー組となっています。
本番の阪神外回りマイルとはまるで異なるレース条件のココに、本気で桜花賞を目指す馬が出てくるはずもなく、基本的には同組は軽視が正解です。

その上で、ヤマカツマーメイド&エーポスについては、前走フィリーズレビュー時の本命対抗推奨見解を参照↓

エーポスはエルフィンS4着も評価しての推奨でした。そのエルフィンS上位馬からは今回大人気が想定されるデアリングタクトやチューリップ賞5着のスマートリアンもいますが、それよりも劣るにもかかわらずレースレベルの低さでフィリーズレビュー勝利できたのがエーポスという見立てで良いでしょう。
能力的にも一線級に及ばないはずですし、その距離千四Hペースでもやや行きたがる所があったのは、距離延長となる桜花賞を思えば大分気掛かりです。

ヤマカツマーメイドは予想文にも記した通り、前走フィリーズレビューの距離千四・内枠・内回りと言う条件に非常にマッチしたタイプだと見られます…実際に姉のヤマカツグレースはその条件でしか走っていない程です。
そこから距離延長や外回り替わりなどマイナス材料しかない本番桜花賞での好走は想像し辛いです。

ナイントゥファイブも高松宮記念1位入線馬クリノガウディーと同じスクリーンヒーロー産駒で、この産駒は気難しさから距離を短縮させて走る馬が多数。また、それに加えてロベルト系種牡馬にありがちですが、牝馬での活躍馬は皆無と言って良い位です。距離延長もマイナスですし、更に出世してくる馬と見られませんので…。


―ケープコッド牝3岩田望55高柳瑞(美浦)
これまで距離千二では4戦4連対、距離千四では2戦2凡走という戦歴の持ち主。
その後者だった前走フィリーズレビューは内有利馬場で外枠競馬だったのもありますが、それでも人気を下回る8着止まりは距離の壁を感じさせる内容で。
そこからの距離延長マイルというココは記念出走にしかならないか。


▽スマイルカナ牝3柴田大55高橋祥(美浦)
―チェーンオブラブ牝3○○55小笠(美浦)
フェアリーSでの賞金獲得組。
元より年間で最もレベル低い重賞レースと呼ばれることもあるフェアリーS。有力馬がこぞって除外された昨年程ではないにしても、やはり本年も“重賞レース”と扱うべきではない鞍だったと思います。例年で言っても、同レースの出走馬の次走成績というのは、その多くは自己条件500万下に出走するにもかかわらず、好走するのは1~2頭というのが相場で…その似非重賞レース実績により評価される馬というのは軽視方向が正解と見ます。

スマイルカナについては、フェアリーS1着後の回顧文を参照↓
『これまでハナに立つ競馬では3戦3勝、そうでなかった赤松賞では中団で折り合いを欠いての敗戦。
近親エイシンヒカリ同様に、まともな競馬をさせる為にはハナに立つしかないというタイプ。(中略)岡田繁幸氏の個人所有馬ですが、マイネルと言えば積極策のイメージはあると思いますが、こと逃げに関しては好まないという思考を持ったオーナーサイドです…その点で飛ぶシーンは何度かあるのではないかと見ています。』
・・・
当時予想文にも記しましたが、前走チューリップ賞では案の定逃げさせない競馬をさせて折り合い欠いて自滅の格好。このオーナーでもさすがに今回は逃げの手を主張してくるはずで、その点での変わり身は見込めますが…それでも一介のフェアリーS馬にとって桜花賞の敷居は大分高いはずで…。


―インターミッション牝3石川裕55手塚(美浦)
―フィオリキアリ牝3藤井55清水久(栗東)
アネモネSでの権利獲得組。
そのアネモネSは例年通り低レベル戦で、そこで抜きん出たパフォーマンスでもない好走馬に世代トップレベル戦での通用は想像し辛い所。また、フィオリキアリは後方有利の展開利あっての好走だった点、インターミッションは小柄な馬で馬体大幅減での好走だった点で、やはり更にやれる馬だとは見做せないので…消し。


―ウーマンズハート牝3藤岡康55西浦(栗東)
近年では当たり馬率が低下している新潟2歳S馬…その2歳8月時点の新潟外回りマイルコースでは、いくら鮮やかな勝利を見せたとしても真の器は読み辛い面はあります。
その後の阪神JF・チューリップ賞での好走に及ばずのパフォーマンスを見る限りでは、そこまでの馬では無かったというのが真相でしょう。
2走前阪神JFでビュイック騎手騎乗で強引な前掛かりな騎乗をされた分で、その後は気性的に難しい所が出てきてとの話。実際に前哨戦チューリップ賞でも折り合い専念されながらも行きたがる所があって6着止まりだったのは評価下がる負け方で。
前哨戦でも折り合い面の課題を見せて&馬体減あった馬の本番一変は想像し辛い。


△マジックキャッスル牝3浜中55国枝(美浦)
▽ミヤマザクラ牝3福永55藤原英(栗東)
クイーンCでの賞金獲得組。
クイーンCは頭数が揃った近年は前半3Fが34秒台で流れるのがデフォ…それでアドマイヤミヤビやメジャーエンブレムなどのスタミナ型・渋とさが身上という馬が活躍する傾向にあるレースとなっています。
本年の勝ち馬ミヤマザクラもそれらと重ねられる存在で、兄には菊花賞激走馬ポポカテペトルなど中長距離家系馬です。本年も逃げ馬がHペースで飛ばす展開を、好位から抜け出すという強い競馬でしたが、ただしこれは瞬発力特化レース桜花賞には繋がらぬレース振りだとも言えます(実際にアドマイヤミヤビもメジャーエンブレムも桜花賞で撃沈)。桜花賞男である福永騎手が、レースに勝利しても尚あれだけ浮かない顔をしていたのも、その辺りでしょう。先行力を生かす競馬は桜花賞では不遇に遭いがちで、かと言って瞬発力勝負で秀でている馬では決して無いという点で…桜花賞で買うべき馬ではないと見ます。

それよりはこの日の内有利馬場バイアス馬場では致命的な最後方大外から、無理矢理に末脚だけの競馬で間に合わせてきたマジックキャッスルの方が、桜花賞に向けてという意味では買えるレース振りをしていた馬になります。


▽サンクテュエール牝3ルメール55藤沢和(美浦)
兄3頭は全て新馬勝ちを収めて、その後は人気に応えられずに萎んで行った経緯。
サンクテュエールも仕上がり早の馬で、操縦性と俊敏性にセールスポイントがある馬でここまでは活躍できましたが、G1級のスケール馬だとは何とも…。


★レシステンシア牝3武豊55松下(栗東)
▽クラヴァシュドール牝3Mデムー55中内田(栗東)
△マルターズディオサ牝3田辺55手塚(美浦)


その背景については当たり前の話だと思いますので割愛しますが、このチューリップ賞を馬体増で好走した馬は本番桜花賞でも好走傾向、馬体減で好走した馬は本番桜花賞で人気裏切り傾向があります(昨年はシゲルピンクダイヤに走られましたが…)。

本年のチューリップ賞で唯一の馬体減好走だったのはクラヴァシュドール。
これは当時本命にした根拠の通りですが、前哨戦を前哨戦とせずに勝ちに行く方針をとる中内田厩舎所属馬。特にクラヴァシュドールの場合にはココは賞金獲得したかった局面で、また本番桜花賞には厩舎大将格のリアアメリアを直行で向かわせることも決まっていますので、尚更にクラヴァシュドールはチューリップ賞で結果を獲りに来ていた感があります。
能書きだけではなく、実際にも肉体的にも精神的にもお釣りは無さそうな仕上げでした…それでの2着止まりはやや底を見せた印象で、他馬が順当に本番に向けて上昇するはずの中で、叩き2戦目で上昇する例は稀な中内田厩舎馬という時点で桜花賞に向けてはハテナです。

マルターズディオサはレシステンシアが引っ張った阪神JFでのHペース先行競馬でも、前走チューリップ賞でのスローペース先行競馬でもどちらも同等のパフォーマンスを見せられているのが強み。今回桜花賞は前走チューリップ賞よりもペースが流れるはずですが、どんな流れでも安定上位の結果が望めるはずの馬として上位評価は必須。

それらに対してレシステンシアは、如何にも前哨戦らしい余所行きの競馬をしての、取りこぼし敗戦でした。
当時予想見解で『メジャーエンブレムも、このチューリップ賞は逃げ切り0.8秒差圧勝した後、溜める競馬をした桜花賞では崩れて、再び逃げの手しかないと心に決めて挑んだNHKマイルCで勝利という戦績推移でした。前哨戦というコトでレシステンシア陣営は溜める競馬も示唆していますが、それ次第ではメジャーエンブレムの桜花賞の二の舞結果があっても驚けず』と記しましたが、メジャーエンブレムの桜花賞敗戦が、今回のレシステンシアのチューリップ賞敗戦に置き換えられると思います。
阪神JFも今回チューリップ賞も同じ逃げ競馬には違いありませんが、踏んだペースは全くの別物で。両者のパフォーマンスのギャップからも、やはりスローペースからのキレ脚勝負では並みの馬で、持続力を前面に押し出す競馬ならば相当の器というのは間違いありません。
メジャーエンブレムとは異なり、それを前哨戦段階で捉えられたのは収穫で…やることは一つになる桜花賞で、どれだけ陣営・騎手が腹をくくった競馬ができるか次第で…復権の可能性も大いにあるはずです。


▽リアアメリア牝3川田55中内田(栗東)


新馬戦での底を見せずのパフォーマンスを思えば、2走前アルテミスSは案外なパフォーマンスだったと見ています。
前走阪神JFについては上記ツイートの通り、中内田厩舎の重賞連戦馬という点で情状酌量できる敗戦ですが、それにしても右回りで大外枠競馬でモタれ気味になっていたのも敗因の一つとして指摘できますし、仮に本領発揮でも2走前アルテミスSの限りでは足りない馬という可能性もありそうなので…。

サウンドキアラは坂コースへの対応が課題。
阪神牝馬Sの有力馬診断はこちら!

【ブログご案内】
http://blog.livedoor.jp/sguw/
宜しければブログの方も上記リンクから飛んでご覧下さいm(__)m