キムラヨウヘイ 阪急杯の有力馬診断

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

―アンヴァル牝5藤岡康54藤岡健(栗東)
2歳時は4戦3勝とスプリント路線で圧倒的なパフォーマンスの連続。
その後に別距離カテゴリの桜花賞路線を目指された分で一時調子を崩しましたが、3歳秋から4歳春までは何とか重賞好走級~OP特別勝利級のランクで走れていました。
しかし、4歳夏シーズンになると、OP特別2着&重賞3着とそれなりの結果は残しましたが、走りの中身は全盛の若駒時代とは全く異なるズブさ丸出しの姿に。
それは、2番人気に推されていた前走北九州短距離Sの予想文でも指摘した通り、早熟血統(母は同じ様な戦績推移で晩年はカラッキシだったアルーリングボイス)の限界と見るのが妥当だろうと。
前走2番人気馬なので今回も多少人気は残るはずですが、上記の通りとすれば後追いすべきでない馬となります。


―エスターテ牝5○○54伊藤伸(美浦)
折り合い難から距離短縮ローテに良績集中するのと、小柄な牝馬で軽斤量時(過去好走は全て52キロ以下⇔53キロ以上では過去8戦8凡走)にしか走らないという2点がポイントという馬。
距離千四で、斤量も54キロ背負わされるココは買い材料ナシ。


―ジョイフル牡6川又56吉村(栗東)
2走前タンザナイトSはナックビーナスを豪快に差し切る金星として一部で評価されていましたが…ただし、そのナックビーナスはソラを遣う癖があって0.1秒差が定位置(相手ナリに走れる)というタイプで、その結果についてはジョイフルが強くてナックビーナスを打ち破ったというよりは、ナックビーナスがいつもの相手ナリ力(併せてからの強い)を発揮できない、遥か離れた所から差し切ったジョイフルの作戦勝ちの色が濃いモノでした。
前走シルクロードSは外差し有利展開に乗りながらも7着止まりだったのが現状の実力で…重賞の相手関係ではやや苦しいか。


―ニシノラッシュ牡8○○56宮本(栗東)
2年前の阪急杯4着馬。
ただし、その年の同レースは直線で大渋滞が起こったレースで、結果的には逃げたダイアナヘイローがそのまま1着に、2着3着には地力の違いで外から追い込んできた1人気モズアスコット&2人気レッドファルクスが入線という構図でした。4着以下についてもドン詰まり馬多数という中で、最内枠からスンナリ先行競馬できたニシノラッシュは、展開とコース取りの面で相当恵まれたから好走できた部類でした(全馬がスムーズならば大分着順を落としていたはずの内容でした)。
近2走は長欠明けで情状酌量できる敗戦としても、その3走前の限りでは再激走も望み薄だろうと見られます。


―ハッピーアワー牡4吉田隼56武幸(栗東)
まず父ハービンジャーの牡駒の時点で本質的なスプリント適性は疑問と思うべきです。
それで芝千二で1勝クラス戦以上を勝利したのはこれまでナンヨーアミーコとハッピーアワーの僅か2頭のみ、芝千四まで広げてもヒーズインラブの3頭のみです。
気性難ナンヨーアミーコもそうですが、ハッピーアワーの場合にもスピードがあるからではなくて、気性的な面で仕方なくこの距離を使われたのが始まりなので、そういう馬が同距離カテゴリで大きく出世できるかと言えば疑問が大きいと言うべきです。
4走前キーンランドカップ・3走前プリンターズSは共に先行勢が苦しく-後方勢が着を拾えるレース展開での10着・7着というのも如何にも評価し辛いです。
この開幕週馬場条件の距離千四ではまだスピード不足と見ます。


▲レインボーフラッグ牡7○○56小崎(栗東)
昇級初戦だった昨夏中京記念後に『使える脚が短い分で準OPも散々勝ちあぐねましたが、その中には重賞OPクラスで通用している馬に対しての惜敗歴も多々…勝ち切れないだけで持っている能力自体はOPクラスでも通用し得る馬だと見られます。今回は距離長いマイルで伸びきれなかった敗戦で、持ち場の距離千四路線ならばチャンスあるでしょう。』と書きました。
その後も距離マイル起用では全て掲示板外に敗れていますが、距離千四路線では5走前朱鷺Sが3着まで0.1秒差&2走前阪神カップは詰まり6着健闘で、やはりOP特別級では好走が狙えるラインにある馬だと見られます。
阪急杯は2年連続で直線で大渋滞が起こっており、その中で運良く抜けて来られた馬が力量足りなくとも馬券内を狙える可能性も読めますので…その候補として一考。


▲ロジクライ牡7岩田56須貝(栗東)
昨年の2好走歴である阪急杯3着と京王杯SC3着は共に内枠を引いて、インで詰まる位の競馬をして溜めを利かせられた結果の激走。
それ以外の敗戦は外枠を引いて折り合いを欠き気味の競馬ばかりで、唯一内枠を引けた2走前カーバンクルSはミナリク騎手騎乗でドン詰まりの競馬でした。
距離適性的には千四辺りがベストでしょうし、その上で昨年2戦2好走の内枠から捌ける競馬ができれば一変可能性も。


▽ライラックカラー牡5木幡育56藤沢和(美浦)
前走カーバンクルS時の中山芝はやや外有利傾向…それと少頭数立ても向いての大外枠大外追い込み勝利でした。
そのレース振りの限りでは能力上位は認められないのと、差し追い込み競馬では全く期待できない&勝負気配の薄さが読み取れる木幡育騎手騎乗では…。




▽スマートオーディン牡7秋山真56池江寿(栗東)
2走前阪神カップは内有利馬場で、外枠から外追走競馬をしたバイアス不利もあっての敗戦。
前走淀短距離Sは距離不足千二での敗戦。
ただし、その前の外差し有利スワンSでも後方届かずの競馬だったのは物足りず…嵌まり勝ちした昨年程の近況に及ばない点で買い辛い。
また、気性難で折り合いが非常に重要な馬であるが、今年のメンバーだとペースも流れそうにないのもマイナス材料で。


―ティーハーフ牡10○○56西浦(栗東)
近2走は得意とする京都且つタフ馬場でも全く動けず…常識的には高齢10歳馬の衰えと見るべきか。
2回前の休み明け初戦は9人気3着激走、その前の間隔が空いていた場面では18年鞍馬S12人1着・17年高松宮記念16人4着など、休み明けローテでの鉄砲駆けも目立っていた馬で…実際に休み明け初戦よりも叩いてパフォーマンスを上昇させた例はこれまでほぼ無いという馬ですので。


▽ステルヴィオ牡5丸山57木村(美浦)
まずは前走安田記念の回顧文を参照↓
『後方外追い込み競馬というアーモンドアイと似た最悪競馬からの8着。
流石にアーモンドアイとは能力が違ったようでこの着順止まりでしたが、それでも上がりはそれに次ぐ2位でゴール前の脚色は際立っており、一言勿体ない競馬だったのは確かです。
昨年マイルCSは低速決着での勝利。本質的には高速マイル条件は忙しい嫌いはあります。距離千八以上の大箱条件ならば巻き返しを信頼したいです。』
・・・
この馬の過去ベストパフォである毎日王冠2着やマイルCSはゆったりと流れて直線瞬発力勝負で決めたモノでした。
今回は喉の問題で距離千四を試す模様ですが、本質的には距離短縮路線も小回り千四コース替わりも良い方向に転ぶ馬とは見られません。


△クリノガウディー牡4○○56藤沢則(栗東)
前走東京新聞杯の日の東京芝はやや内有利傾向。1着プリモシーンは最内枠から道中は内を追走して直線では嫌気を差さぬ様に外に持ち出す形での激走、2着シャドウディーバは後方で内に進路を取って内を突く形、3着クリノガウディも好発から上手く折り合いを付ける形で一気に最内まで寄せる進路取りから直線でも内の進路取り…上位馬はどれも馬場バイアスを利する競馬をしての好結果でした。

昨シーズンは休み明け初戦で2着好走して、その後はレースを使う毎にレース間隔を狭めてパフォーマンスを低下させていった経緯。
気性的にも間隔を空けてあげた方が走れるはずで、NHKマイルC惨敗以来の中2週は果たして?


△フィアーノロマーノ牡6川田56高野(栗東)
コース適性としては急坂コースに良績集中、そして体質面・気性面共に脆いタイプで前者では休み明け初戦などリフレッシュな状態時ばかり好走で、後者では揉まれずの競馬ばかり好走という戦績の持ち主。
前走阪神カップでは控える競馬で初めての好走を成し遂げましたが、昨秋富士Sでのレイエンダ・エリ女でのラッキーライラック然り、スミヨン騎手が乗ると何故だか馬が動くというケースは多数あり…。
今回はコース条件は〇で、前走から中9週空くローテも〇で、あとはスミヨン騎手だからこそできた感がある差し競馬が他の騎手でもできるのかが?


★マイスタイル牡6田中勝56昆(栗東)
マイスタイルのOP昇級後の戦績は好走と凡走の繰り返し。
それを浅く掘り下げると、つまりは田中勝春Jが並騎乗できた時には好走して、田中勝春Jが駄騎乗した時には凡走の永遠ループなのですが…もっと深く言えば鞍上に駄騎乗をさせる馬の状態である時には凡走して、鞍上が導き易い馬の状態である時にはキチンと好走しているとも言えます。
その前のレースで逃げさせた後やHペース競馬をさせた後のレースではコントロールを付けられずに逆噴射傾向で、それに対して前走で我慢させる競馬をした後や距離短縮などコントロールを付けやすい局面ではキチンと走れる傾向という。
2走前マイルCSは逃げさせる競馬で4着健闘、前走はその後で控える競馬でも行きたがってしまい凡走…今回はその我慢させた競馬が生きる局面=走れる番という見方ができます。

中団競馬(4角5番手以下)の次走戦績[3-1-1-3]は3度の着外の内2つはG1での4着で、もう一つはドン詰まり敗戦で、実質的にはパーフェクトに走っているというワケです。


★ダイアトニック牡5北村友57安田隆(栗東)
前走京都金杯までは距離千四では6戦6連対、千六では6戦2連対だったという馬。
距離千六でもダービー卿CT4着やマイルCS10着などそれなりに走れているので、致命的という要素ではありませんが、確かにパフォーマンスの差異は認められる点です(内枠ならマシでも、外枠を引くと大きくパフォーマンスを落とす傾向が認められます)。
前走京都金杯ではその距離マイルで2着に走りましたが、他の馬が走らなかったのと枠順展開に恵まれた分での着順で、この距離に絶対的な自信を持てるという結果ではなかった点では注意が必要です。
今回はそこからパフォーマンスを上げる要素に違いない距離短縮千四で…順当に上位評価をすべき一頭と見ます。

少頭数が苦手な馬もいる?
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