キムラヨウヘイ 高松宮記念の有力馬診断

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

▽ミスターメロディ牡4福永57藤原英(栗東)
https://twitter.com/jou_syou/status/1100653699297210368

藤原英昭厩舎の現4歳世代所属馬の本年戦績


フィニフティ・エポカドーロ・ギベオン同様に、早期活躍とトレードオフに(本来の藤原英厩舎らしい)成長力に疑問が呈される現状で。。
Hレベル現4歳世代牡馬の象徴(後活躍馬がザクザク)NHKマイルC好走を思えば、ギベオンと共に昨秋以降の伸び悩みは否めず。


―ダイメイプリンセス牝6Mデムー55森田(栗東)
コノ馬は夏場(6,7,8月)に良績が集中する夏馬で、毎年の様に冬場に戦績を落として夏にピークを迎えるという戦績推移になっています。
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夏6,7,8月[3-1-1-2]
夏前後5,9月[3-0-0-2]
それ以外[0-1-0-11]
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実際に今期復帰戦前走シルクロードSでは前回シーズンよりも明らかに調教で動けておらずで敗戦。
最終追い切りで動き激変でもしてこない限りは・・・。


―ラブカンプー牝4酒井学55森田(栗東)
前走シルクロードSでは森田厩舎2頭(3頭)出しで、これまで主戦騎手を務めていたデムーロ騎手はダイメイプリンセスに騎乗で、コチラにはテン乗り三浦騎手騎乗でした。
森田厩舎とデムーロ騎手の間には強力な繋がりがある関係ですので、普通に考えればより勝負になる方にデムーロ騎手を配して、より半信半疑の方に別騎手を宛がったという采配でしょう(またはデムーロ騎手がそれを希望したとの話も出ていました)。
いずれにしてもダイメイプリンセスに対して“捨てられた方”の馬で、ダイメイプリンセスよりも先に復活するとは?


―ダイメイフジ牡5丸山57森田(栗東)
前走オーシャンSでは『コノ馬は前走の様なポカは割とある馬で、実際に二桁着順大敗後の連戦ローテでの巻き返し激走例は3度もあって、その内2度は中1週or連闘という今回と同様の過程で、また内1度は距離短縮という今回と同じ過程でした。能力は足りていて、一変歴複数ある過程で、過去3戦3好走の良績コースで…大穴ならばコレだと見ました。』として◎を打ちましたが、何もせずの敗戦からの距離短縮と連闘が効いての本領発揮激走でした。

今回もHペースが見込まれる点ではダイメイフジはポカせずに集中して走り切れる結果になる可能性が高いと見ますが、そうだとしてもオーシャンSでの離された3着のパフォーマンスではG1では到底足りないので…。


▽ティーハーフ牡9国分優57西浦(栗東)
前走シルクロードSは、セイウンコウセイが初ブリンカーもあって抑えが利かずの暴走逃げで、京都芝千二での前半3F33.3は文句無しのHペースで…いや当時の時計掛かる馬場ならば超Hペースと言って良い水準の競馬でした。
結果的には先行勢は壊滅で、またそれによって直線スムーズさを欠く馬も続出で、更には馬場のやや外有利化もあって外枠差し勢ばかりが上位入線する結果に…そんな展開利且つ馬場バイアス利且つ他馬自滅により浮上したのが3着ティーハーフと2着エスティタートという構図でした。

これまで中京千二では高松宮記念6着・高松宮記念4着・CBC賞4着・岡崎特別1000万下2着(超優秀パフォ)でコノ馬にとってベストの舞台条件の一つであるのは確かですが、相当恵まれた17年でも4着止まりで、当時よりも若い世代の台頭&自身高齢化している19年でも余程の恵まれ方をしない限りは・・・。


★アレスバローズ牡7川田57角田(栗東)
まずは前々走京阪杯5着後の次走チェック馬見解を参照↓
『つい4走前鞍馬Sでは四位J起用で最後方折り合い専念競馬が施された通り、折り合い面に相当難を抱えていた馬。
それが3走前CBC賞と2走前北九州記念はJRAスプリント重賞としても屈指のHペース競馬となったのが何より有難かったはず。
そして前走と今回京阪杯はペースが流れた中でも前目の競馬で、特に今回は馬が前向きになり過ぎていて直線で早々にガス欠という敗因明らかな負け方でした。
改めて折り合い専念競馬ならば復活可能性。』
・・・
前走シルクロードSは折り合い付き易いHペースというのは有難い条件でしたが、前に壁を作れぬ8枠は有難くない条件でした。結果的には道中は折り合い付いた追走でしたが、コーナーから直線にかけては一気に脚を使う形に…それで伸びない直線内ラチ沿いで必死の抵抗も粘れずの結果は負けて強しでした。

Hペース且つ内枠で理想的な脚の使い方ができそうならば一発狙えそうなイメージで、モズスーパーフレアの存在などでそれが叶いそうな今回は穴候補…ただし調教の動きの限りではまだ本調子に戻ってはなさそうな点だけ・・・。


★ナックビーナス牝6大野55杉浦(美浦)
まずは前々走カーバンクルS後の次走チェック馬見解を参照↓
『毎度書いています様に、コノ馬は非内(非イン)の競馬をするとすぐ気を抜きがちで力を出し切るコトが難しくて、それ故に“芝1200にて内(イン)で競馬をすれば過去パーフェクト成績(9の9)”になっています。
2走前スプリンターズSは外の競馬で不完全燃焼…前走はダートで度外視級敗戦…今回は大外枠からの競馬で最後は頭が上がって前を捉えられずの2着。
いい感じで人気を落とす近況になっていると思いますが、それらは全て本領発揮の競馬ではありませんので…(昨年は対抗評価止まりでしたが)今年も高松宮記念で穴で買えるのが楽しみです。』
・・・
前走オーシャンSは外目枠順でしたが過去パーフェクト好走パターンの内に付ける競馬ができましたので…例の如くの好走惜敗走を見せてくれました。

昨年高松宮記念は中枠ならがも、三浦Jのナイスジャッジで勝ち馬との直線併せ馬に持ち込めたが故にゴール地点まで全力で走り切っての激走でした。

「G1でもOP特別でも0.1秒差負けが定位置キャラ」は健在なだけに、本年高松宮記念でも内の競馬でさえあれば惜敗好走が計算できるはずです。

ただし、それは高松宮記念自体が内前の馬が生き残る様な展開になるのが前提で、例えば昨年みたく中外差し馬が上位入線する展開となるとマーク競馬が本領のナックビーナスにとっては目標を見失うレースになりかねません。
内枠なら本命候補ですが、今週末の馬場を見るまでは最終結論は保留。


△モズスーパーフレア牝4武豊55音無(栗東)
そんな0.1秒差が定位置(相手ナリに走れる)ナックビーナスに対して、2走続けて0.2秒差を付けたモズスーパーフレアは…これはナックビーナスの全力よりも上に立つ馬だとの解釈もできますので、能力的には相当な評価をしなければなりません。
前走オーシャンSの前半3F32.3については…別に前半時計が速ければ速い程に先行馬不利・差し有利というワケではなくて、最近のスプリント上級戦が異常なスローペース傾向にあっただけで、本来はこの位のペースで行くのが有るべき姿だと言えるはずです。
ただし、この様なHラップ競馬が通用し易い中山から、末脚比重が問われる中京コース替わりとなると一筋縄ではいかぬというのが常識的な見解でしょうか。
それでも武豊Jのペース刻み一つで高松宮記念逃げ切りまであって良いと見ますが…でも2番人気では買いたい馬とまではならないです(モズスーパーフレアを買うなら=生き残る予想なら、それと同じ確度で来る人気薄の方のナックビーナスの方を買う)。


―スノードラゴン牡11藤田菜七子57高木登(美浦)
一昨年スプリンターズSでは最内枠最内競馬がド嵌まりしての最低人気4着激走ありましたが、その一つを除けばこの3年間は芝では足りずにダート消耗競馬でたまに好走という近況。
直近好走歴である4走前は門別ダートで1分13秒という超低速時計での好走。
余程の渋化馬場にならない限りは芝で2年超振りの好走というシーンは想像できないですし、この手のスピード鈍い重い老齢馬に藤田菜七子騎手というのは相性△。


▽セイウンコウセイ牡6幸57上原(美浦)
前走シルクロードSまではキャリアを通しても逃げられた場面では7戦7好走、OP昇級後も2戦2激走となっていたのが…前走は逃げの手での初めての凡走を喫しました。

前々走スプリンターズSを見る限りでは気難しさがよく濃くなってスンナリの形でしか無理でしょうし、かと言って前走シルクロードSを見る限りでは行き脚のコントロールすらままならないという…まして今回は同型多数で偶然上手く行っての楽逃げも有り得ないでしょうし…もう信頼して買うコトはできない馬。


▽レッツゴードンキ牝7岩田康55梅田智(栗東)
本年阪急杯も昨年同様に大渋滞レースに…昨年も内枠馬の善戦は目立ったのですがそれよりもスムーズな競馬をできた馬が1~3着までを埋めるという決着でしたが、本年も3着以下の殆どがスムーズさを欠いた中で大外一気スマートオーディン&スンナリ先行レッツゴードンキのワンツー決着でした。
後続との着差については、その後続がまともに競馬できていない馬ばかりという事情がありますので過信は禁物です。

昨年高松宮記念2着以来の好走でしたが、いつもだと前哨戦で善戦止まりで本番でパフォーマンスを上げて来るパターンなのが、今期は初戦から最近の休み明け初戦では最高レベルの調教負荷の掛け方で、G1獲りよりもまずは身を獲りに来た印象もあって…逆にこれまでとは異なり高松宮記念に向けての上積みは疑問アリです。

また、そもそもの適性として距離千二よりももう少し長い距離の馬だろう…というコトは数年間言い続けているコトで、特に前傾ラップ・高速戦が見込まれる本年高松宮記念だとどうだろうか。


★ダノンスマッシュ牡4北村友57安田隆(栗東)
シルクロードSの他上位勢は外枠からスムーズな競馬をできた馬ばかり…その中で馬場バイアス的に有利ではなかった最内枠から、直線でスムーズにならない所もありながらも一瞬の脚を使って且つ余力の脚十分で勝利したダノンスマッシュは正に力の違いの競馬でした。

今の芝スプリント界は王者不在の非Hレベル混戦…特に本来は主役を担うべき現5歳世代からダイメイフジとグランボヌールしか出走していない通りで5歳世代の陥没と6歳以上の既存勢力の劣化局面という状況です…その中で新星Hレベル4歳世代で断然の力を示しているダノンスマッシュが天下を収めるのはそう難しい話ではないでしょう。

※3/18、3/25配信分の「第二重賞の有力馬診断」は著者都合によりお休みとさせていただきます。