キムラヨウヘイ AJCCの有力馬診断

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

▽ウラヌスチャーム牝5ミナリク54斎藤誠(美浦)
ルーラーシップ産駒は京都コースを苦にする馬が多いが、その一因としては下り坂で器用に動けないからです。ウラヌスチャームはそんな不器用ルーラーシップ産駒の典型で、2走前京都大賞典は窮屈な位置取りで走れず・前走エリ女は後方大外競馬で全く間に合わずでした。
そこから中山コース替わりと、不器用さを相殺できる頭数減というのは歓迎材料。
12頭立て以下[4-3-0-1]⇔13頭立て以上[0-1-0-7]

ただし、その鞍上がミナリク騎手というのは非常に引っ掛かる所ですが…この騎手については「芝△」「芝差し追い込み×」「内枠△」「小型馬×」という4大マイナスポイントを指摘してきました。

本年来日時も芝では19戦2着2回(好走は共に先行競馬)で単複回収率10%程と、上記の通りになっています。
ただし、芝でも唯一まともな数字を残すのが「大型馬」で、それをクリアして既に結果を出しているウラヌスチャームとの相性という面では絶対的なマイナスまではできませんが…。


―グローブシアター牡6石橋脩56角居(栗東)
気難しいシーザリオ産駒。
コノ馬は輸送競馬だと馬体減を起こす傾向があって、これまで関西競馬では[4-0-2-2]に対して関東競馬では[0-0-1-5]と明らかに成績を落としています。
そもそもシーザリオ産駒という面で過剰人気してきただけで大して強い馬でもなく、その上で関東遠征競馬のココは軽視が妥当。


ゴーフォザサミット牡5北村宏56藤沢和(美浦)
前走チャレンジCは、逃げられなかったブラックスピネル・同じくのベステンダンク・不利大のギベオンの自滅と、先行馬が潰される展開に乗じての善戦。直線で待たされるロスはありましたが、それを差し引いても自力で重賞好走圏内まで来た内容ではなく評価は微妙です。

それに加えて、昨秋何度か取り上げた通り、藤沢和雄厩舎所属馬は芝重不良では近10年重賞30戦0連対(単複回収率6%)、平場でも芝不良では37戦4好走(単複回収率12%)という散々なデータが残っています。


そして「極端に走らない」というのと「次走良馬場時に何事も無かった様に即一変する」という事例がこれまで数多あり…そういう厩舎由来の適性面からも荒れ馬場・雨馬場が見込まれる今回レース適性も見込めません。


▽サトノクロニクル牡6大野56池江寿(栗東)
前走小倉記念では、高速馬場距離二千の条件不足に疑問を呈しながらも、ただしデムーロならば…という見解での△評価でした。
結果的にも恐らくデムーロでなければ2着確保は難しかっただろう結果だったと思います。出鞭をくれて積極的に位置を取りに行く競馬で、スローペース逃げ馬が楽に残りそうな展開を早め追い出しから何とか捉えての2着でした。
もしも位置を取っていなければノーチャンスの展開でしたし、またコーナーで悠長な仕掛けならば当然間に合わなかっただろうと…そういう馬が長欠明けで日本人騎手(大野騎手)替わりという局面では手を出し辛いです。


★スティッフェリオ牡6丸山57音無(栗東)
2走前天皇賞秋は超G1級ペースに付いて行った分の大敗で、前走有馬記念もHペース2番手競馬では何があっても無理という競馬での大敗。
それまでもG1凡走とG2G3好走を繰り返せる程度の能力は持っている馬で、自己条件G2戻りで楽な展開見込めるココならば激走の可能性も十分に。


★ステイフーリッシュ牡5ルメール56矢作(栗東)
戦績だけ見渡すと非常に安定している様に見えますが、パフォーマンスが高いレースをした後は高確率でコケているこれまでになっています。
ホープフルS3着の次走は共同通信杯10着
京都新聞杯1着の次走はダービー10着
4歳以降もパフォーマンスベスト2の京都記念2着・福島記念2着の後は実力以上の負け方を喫しています。
逆に言えばそれ以外の臨戦過程ではほぼパーフェクトというこれまでで…前走凡走後と間隔空きローテで疲労抜けた今回は走れる番である可能性が高い。


▽ニシノデイジー牡4田辺55高木登(美浦)
中山金杯ザダの有力馬診断で『菊花賞組からは勝ち馬ワールドプレミアが有馬記念でも通用しましたが、それ以外の次走出走組は全て馬券外に沈んでいます(ヴェロックス以外は全て条件クラス戦)。その菊花賞のトライアルレースだったセントライト記念も同じくで、古馬相手の準OPクラスで好走以上を収めた馬は一頭も居ません(略)』と記しました。
その後の中山金杯でも日経新春杯でも、その3歳クラシック組の体たらくな結果が起こりました。
3歳春以前はともかく、3歳秋の2戦のパフォーマンスの限りでは、決してココで強調できる程の馬だとは認められない…というのがニシノデイジーの現状と見ます。


▽ブラストワンピース牡5川田57大竹(美浦)
目黒記念時には「帰厩時期(2週前)も通常より遅く&馬体重も通常比大幅増…凱旋門叩き台として割切った舐めた仕上げで出てきそう」と記しました。
札幌記念時には「前走は直前1週少々で30K絞る超急仕上げ→今回は前週時点で馬体重整えられて当日額面数字はともかく中身は全然違うはず」と記しました。
凱旋門賞は別として、それ以外ではまず1週前時点で馬体重を整えられているか否かが、競走結果にもストレートに反映されています。
今回も当日馬体重はいつも通りの530キロ台での出走になるかも知れませんが、その為には目黒記念時同様に1週間少々で30キロ近く絞るという急仕上げが要請されるワケで…その凡走パターンに該当する今回は本領発揮に疑問視。


―マイネルフロスト牡9松岡56高木登(美浦)
叩き良化型。
長欠明け初戦のディセンバーS凡走は致し方無いトコロだが、さすがに9歳馬だけあって良化はスロー模様で中山金杯回避しての臨戦…流石に手が出ません…。


★ミッキースワロー牡6横山典56菊沢(美浦)
まずは2走前オールカマー2着後の回顧文を参照↓
『本命馬ミッキースワローは予想通りの強さを発揮するも、その前にトニーファイブも盾に使って楽な単騎逃げを打てたスティッフェリオが居てしまったという結果に。
ミッキースワローは大外ブン回しキャラだけに今回の展開負けはどうしても起こり得る負け方。それでも前走大敗明けか休み明け初戦など、蓄積疲労が無い場面ではシッカリと走っている傾向は継続。次走連戦となれば、現級では一度も無い連戦連続好走に挑むことになる。』
・・・
前走福島記念では中6週の連戦ローテで初めての連続好走を果たしましたが、それでもその前の七夕賞やオールカマーよりもパフォーマンスを落としていたのも事実です。
やはり、間隔が空いたローテ(若しくは凡走後など疲労がたまっていないローテ)でこそ輝く馬と見られますので…そのタイミングになるココは前走以上に走れるはずで勝ち負けの期待。


▽ラストドラフト牡4マーフィ55戸田(美浦)
3歳春の京成杯1着はレースレベルEの低レベル戦。
3歳秋の中日新聞杯2着もレースレベルDEの低レベル戦で、その勝ち馬サトノガーネットは次走日経新春杯で凡走。
相手関係に恵まれている所で重賞実績を挙げているだけで、そこまで能力的に評価できるのかは?

また、母マルセリーナも道悪不得手だったが、ラストドラウトも過去一番走れなかったのは道悪戦でした。距離延長と渋化馬場替わりもマイナスに働きそうで。

強力な同型がいる今回、インティは逃げられるのか?
東海Sの有力馬診断はこちら!



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