今井雅宏「重賞ステップ解析」マイルCS
エリザベス女王杯では非根幹距離に強いキズナ産駒のステラリア本命、今週もデータ分析で穴馬を見つけることができるか!?
最近では珍しくなくなった安田記念からの直行、そしてスワンSからのステップを分析!
重賞ステップ解析とは
今井雅宏氏と編集部が先週の結果を分析、そして今週行われる重賞の過去3年を振り返る対談形式のコラム。
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編;エリザベス女王杯は本命の人気薄だった7番人気ステラリアが2着に激走しました。複勝でも650円つきましたね。相手は66点の馬でしたが。
今;そうだったね~。今週は土曜勝負レースだった岸和田Sで、2点目で当たったレースが美味しかったよ。
編;勝負レースで、11頭立ての少頭数なのにほぼ万馬券の配当ですから、確かに美味しかったですね。馬連9660円がズバッと2点目の的中でした。しかも土曜勝負レース唯一のWマークレースですから、やっぱり狙ったレースは怖いです。あと磐梯山特別で馬単1点目、3連複55倍4点目で、3連単万馬券的中もありました。
今;あれは本命が馬体重の注意無かったけどちょっと減りすぎだから、対抗から買った方が良いかもだけど。まだ鮮度があって流動的な時期で、3歳馬だから、ある程度は我慢するけどね。仕掛けを遅らせて体力を温存しなければ、たぶん対抗が勝ってたレースだったとは思うよ。
編;なるほど~。エリザベス女王杯ですが、ステラリア本命は直ぐですか?
今;いや、内からステラリア、ムジカ、ソフトフルート、アカイイトで、かなり悩んだよ。
編;他はみんな66点になりましたよね?
今;そうだね。最終的に、内に人気馬が多いから内伸びバイアスになるのかなぁというのと、まぁ他にもいろいろあったんだけど、ステラリア本命で、あとは外枠の追い込み馬なんて間に合わない可能性が高い馬場ということで66点にしちゃったよ。結局とんでもないハイペースになったんで外枠の追い込み馬アカイイトが勝ったけど、他はあのペースなのに内の馬が結構来たから、本来はやっぱり内回りは内伸び馬場だったんじゃないかな。あれだけ人気馬が内にいるわけだから。平均ペースなら、そのまま内の馬で決まってたとは思うよ。ステラリア以外の上位3頭は、1角13番手以降の追い込み馬という、極端な追い込みバイアスになっちゃったのが大きいよ。
編;ステラリアは、どこが良かったんですか?
今;note(MASAHIRO IMAI)で、前走も最初は本命にしようとして、アカイトリノムスを結局本命にした話を書いたでしょう?
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編;ええ、読みました。
今;前走は活性化が足りなかったからだよね。若葉S→オークスというステップが持つ重さがあった。ただ今回は、逆に内回り2000mの内枠でタイトな競馬をした後だから、活性化は完了。ということで、あとはキズナ産駒のパワーが十分に活きるはずだよ。消耗戦のキズナ産駒は延長で怖いから。もうちょい後ろで競馬をしてくれる予定だったんだけど、出して行っちゃった分、前走がスローを後方だったから、ハイペースの追走で負荷が掛かって2着だったけどね。でも、騎手は責められないよ。あんなハイペースになるとは思わないだろうし、人気2頭が直ぐそばの枠で前に行っているわけだから、普通に考えればそれを後ろでマークすれば、前が詰まるリスクがないんで、直線で差し切れるというシナリオを組むのが常識だ。その状況でスタートが決まったのに後ろまで下げたら、騎手として消極的過ぎるということになる。ペースが異常だっただけで、当然の騎乗だ。ハイペース過ぎて前が垂れたぶん前が詰まって立て直したのは残念だけど、さすが松山で、よくファイトして乗ってくれたと思うよ。偶然にでも出遅れてくれた方が、ペースを考えれば結果としては良かったけどね。そんなの事前に分かるわけもないし。
編;確かに、勝負所で詰まって立て直しても2着ですから、あのペースでも好位で受けたのは正解でしたか。今号の競馬王で、「秋GⅠの阪神内回りはキズナ産駒」と話してましたが、その通りの決着でした。延長で特に良いという解説だったんで、ピッタリ過ぎてびっくりしましたよ。
今;あれね、競馬王の担当編集の人は、あれでアカイイトを本命にしたらしいよ(笑)。あとウマゲノム辞典で、「キズナは非根幹距離」って書いてあったのを読んだんだって。逆にステラリアは選ばなかったらしいけど。3歳馬だから。
編;ええ。僕も3歳がどうかと思ったんですよ。秋華賞凡走の3歳馬って、データ的にはほとんど来てないでしょう?
今;そうだね。僕も悩んだのは、そこだけだった。これは天皇賞秋のエフフォーリアと同じだよね。3歳がなぜ来ないかというと、タフな経験と活性化が足りないからだ。この馬は例年にないタフな流れだったオークスで先行して、あと若葉Sを勝っている。これで体力的にタフなレース経験は十分だよ。そして、前走で活性化も完了している。あと、今年は阪神ということだね。京都ほどスピード競馬にはならないんで、そこは有利になるよ。前走で内回りの内枠を経験したとは言え、やや軽さの弱いステップだったから、阪神で補える。アカイイトは鮮度があってステップは良いんだけど、活性化が弱いから、出遅れ癖のある追い込み馬が外枠から単純に間に合うのか?というのがテーマだったわけだけど、やっぱり超ハイペースになったのが一番だった。それと、2,3走前が速い馬場での1800mだから、追い込みでも活性化はある程度なされていたということだった。その辺りは、僕の判断が甘かったよ。最後にジャッジミスで、実に甘かったね。M的には、少なくとも5点以内では当てないといけいないレースのはずだし、なんとも申し訳なかった。
編;直前まで67点にしてたんでしょう?ギリギリで66点に落としちゃったんですよね~。かなりショックを受けてましたけど、大丈夫ですか?
今;なんだろうね。僕自体も変な雰囲気に飲まれちゃったのか。レースもそんな感じだったし。せっかく激走したのに、同じキズナにやられた2着とは、なんとも悔しいね。
編;今井さん、馬連は買ってましたよね。66点の中では人気馬なので10番目の評価になってしまいましたが、500倍くらいの高配当なら、いつも解説してるように、流した方が良いですか?
今;そうだね、ちょっとだけだけど。いつも言うように、5点目以内、特に2,3点目以内をガツンと厚めに、6点目以降は馬体重が合っている馬と、万馬券クラスの高配当だけを拾って、ちょっとだけ流すというのが、馬連としては基本的な買い方になる。あと、ステラリアは絞れなかったけど増減無しで、テルツェットは休み明けで減ってたから、馬体重とオッズを考えると、当日はステラリアからが正解になるよ。ウイン2頭の馬体減りも嫌だし、1番人気が絞れないのも嫌だし、単複をしっかり買いたい状況になったよね。
編;なんだかんだで、秋GⅠ、確か全レースで馬券は稼いでるんじゃないですか?
今;縦目とか、予想が当たらなかったレースもあったから、もっとスマートに予想出来たんじゃないかとも思うけど。この秋のGⅠは、当日の天気が基本的には合ってるから。あとは当日の馬体重とオッズ、乾き具合でちょっと馬券を修正するだけで良かったよ。ステラリアの複勝6.5倍も美味しかったしね。まぁ1番人気が消えてくれてるから、複勝買ってるだけで、結構配当も付くんで、M的には楽なレースがこの秋のGⅠは多かったよね。やっぱり1番人気が切れないレースは大変だから。
編;では、今週も面白い穴馬を教えて貰いたいんで、さっそくデータ分析にいきましょう。マイルCSですが、昨年はスプリンターズS1着後の1番人気グランアレグリアが勝ちました。ただ、今年はスプリンターズSはいませんね。2着は安田記念3着後の3番人気インディチャンプが来ました。安田記念は4着と8着の馬が登録してますよ。
今;安田記念一桁着順だと、5頭中2頭が来ているよ。サンプルが少ない上に競馬場も違ってくるから、あくまで参考までになるけど、見ていこう。来たのは、1着と3着だった馬。前走は、2番人気以内で、このタイプだと3頭中2頭が来ている。2走前は共にマイル重賞で1着で、3走前が1800mの準OP1着と中山記念4着。3走前が1800m以上だったのは来た2頭だけで、条件戦だったのも来た1頭だけ。いつものように、マイル戦線のカテゴリーストレスが薄い馬には注意したいよ。
編;3着のアドマイヤマーズは、スワンS3着後の5番人気でした。
今;スワンS3~5着馬は、25頭中3頭が3着以内だよ。率は低いけど、唯一阪神で行われた昨年のこの馬は来ているわけだから、注意は必要かな。来た3頭の2走前は、安田記念6,8着と、スプリンターズS10着。休み明けだったり、1200mだったりで、しかも凡走だったから、蓄積疲労、カテゴリーストレスは、ともにほとんどない馬だった。5走前まで遡ると、準OP、3歳限定のNHKマイルC、1200mのGⅢだったんで、いずれにしてもマイルの古馬国内トップクラスカテゴリーストレスの薄い馬になる。前哨戦を中途半端に頑張った馬だから、M的には当然と言えば当然だけど。ただ今年は前哨戦も、本番も違う競馬場なんで、あくまでも参考値ではあるけどね。
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