今井雅宏「重賞ステップ解析」ジャパンC

エリザベス女王杯のステラリアに続き、マイルCSではホウオウアマゾンを本命と攻めの予想を見せるこの秋。
ジャパンCではどの馬に狙いを定めるのか?まずは王道ステップの天皇賞秋から好走パターンを探っていこう。

重賞ステップ解析とは

今井雅宏氏と編集部が先週の結果を分析、そして今週行われる重賞の過去3年を振り返る対談形式のコラム。
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;マイルCSは7番人気ホウオウアマゾンが5着で、2週連続の人気薄本命激走はなりませんでした。「絞れて欲しい」で増えて来ちゃいましたし、あの馬体重だと同点対抗のグランアレグリアでもう仕方ないですか?

;ただ人気が全然違うからね~。当日、差し馬場になっちゃって、かつ絞れないというホウオウにはダブルパンチだったんで、グランから1,2点は買ったけど、あの買い目までは買わなかったよ。配当的にも、さすがにお手上げだった。

;堅かったですからね。秋GⅠ6戦目で、とうとう、今井さんもやられちゃいましたか。

;今回はS君の方だったね。馬単、3連単も綺麗に的中だったよ。

;まぁ堅いのは僕が当てるということで(笑)。ホウオウアマゾンは、先行馬では最先着だったので、馬体重もそうですが、差し馬場だったのがやっぱり痛かったですか?

;日曜になると荒れすぎて、各馬が外を回って、逆に最内の先行馬が残るシナリオに賭けたんだけど、結局、日曜は終始差し馬場に終わっちゃったね。

;ホウオウアマゾンは、前走で頑張ったから危ないと思っていたので、驚きました。終わってみると、先行馬では最先着で、確かに穴なら前残りのときのホウオウしかなかったんだというのは何となく分かりましたが、どうしてですか?ちょっと不思議な本命だったので。

;他に穴馬で走れそうなのがいなかったのと、1,2番人気が差し馬だからね。荒れるとすると、前残りのシナリオしかないのもあった。でも、来るシナリオは3つほどあったから。実際、そのどれか1つでも満たしていたら、ゴール前で差し返してるように、馬券圏内だった可能性は高いんで、悔しさはあるよ。一気に数頭に交わされた後の逃げ馬が、あれだけまた、もう一度加速して伸び続けるなんて、普通ではあり得ないしね。しかも差し馬場で。

;その3つのシナリオとは何ですか?

;3つとも予想でも触れておいたけど、1つめは、もちろん前走の太めが絞れること。前走の回顧のとき話したように、前走があまりに太すぎたからね。もう1つは今話した、内が荒れすぎて、逆にばらけて前が残るバイアスになること。

;うーん、2つとも、結局当日はクリア出来ないで逆でしたね。確かに、2つとも満たしてたら、来てた感じのゴール前でした。あと、もう1つはなんですか?

;これも予想で解説しておいたけど、ホウオウアマゾンは上がり勝負向きではないからね。ペースを落とさず、離し逃げをすることだった。

;そういえば、そういう解説の予想でしたね。

;これは絶対条件だったよ。このメンバーなら、平均ペースでも、離して逃げられるはず。道中は少し離し気味に逃げていたんで、「これなら差し馬場でも、残れるか」と思ったけど、ラップで諦めたよ。スローに落としすぎだ。速い上がりを出す馬じゃないから、あのペースでは差される。仮に絞れてても差されてるよ。しかもいつも言うように、太めの場合は上がり勝負だと厳しいんで、ペースアップしないと捉まるのが、馬体重理論的にも基本だからね。当日太い以上、離して平均ラップ以上で逃げない限りは勝てない。馬体重から、余計にラップを緩めては駄目だったけど、その辺は坂井も若いから、分かんなかったんだろう。仕方ないよ。

;今井さんの指示通りに乗ると、人気薄でもだいたい本当に来ますもんね。騎手もMの法則を勉強して貰わないとですよ(笑)。

;ラップを上げるのは、やろうと思えば普通に出来る要求ではあったんだけどね。極端な前残りバイアスの場合は、速い上がり向きではない馬でもスローに落としたら逃げ切れる可能性はあるけど、差し馬場で団子状態にしたら、99%、射程圏に入れたキレる上がり勝負向きの馬に差されるよ。だから、絞れていても、あのラップで逃げたら差されてるから、諦めはつく感じだ。実際、ゴール板でもう一回加速して人気の先行馬サリオスを差し返しているように、余力は十分残っていたよ。トップスピードを持続しないと駄目な、SL、ないしLS系に近いんで、もっと出していかないと、差し馬場の団子状態では、どうしても物理的に差される。

;それで、「上がり勝負?で、離し気味に逃げれば。絞れてほしい」という解説で、平均ペース想定だったわけですね。ただ同じ前残り競馬想定なら、サリオスとか、グレナディア本命という選択はなかったんですか?

;グレナディアとの比較でいうと、3歳馬は、古馬との経験が少ない場合、このレースなら2000m以上、出来ればダービーを経験していないと、タフな経験が不足している。だから、今回はどの3歳馬も基本は良くないステップだったよ。スローでタフな経験値の必要性がなくなっての差し馬場だったから、2,3着は3歳の量のある差し馬が来たけどね。グレナディアとホウオウは共に1800m以上を経験していないで古馬戦も1戦だけだから、タフな経験は不足している。鮮度は高いけどね。そのタフさの不足を補うには、揉まれない選択肢になるよ。その中でも、スピードの絶対値と鮮度とS質に任せて、ブレーキを掛けずに、一気に加速する形だ。それなら、経験は必要ないからね。勢いと鮮度だけで、どうにでもなる。それが可能なのは、出走馬では、ホウオウアマゾンが最右翼だったわけだよ。前走のハイペースより、少しだけラップを落として平均ペースで逃げさえすれば、簡単に完成するからね。だからこそ、ペースを緩めてはいけなかったんだ。

;なるほど、いろいろな意味で、大胆に逃げる必要があったわけですね。あと、質問があるんですが、エリザベス女王杯で本命のステラリアの活性化です。結局、納得出来なくて。前走はスローの後方でしたよね?あれで活性化するんですか?noteでは、活性化は、「ハイペース」とか、「先行する」とか、「高速レース」とか、「強い相手と戦う」とか、そういう解説でしたよね?そのどれも、当てはまっていないと思えたのですが?

;この場合は、秋華賞が内回りで多頭数の内枠だったというのは大きいよ。そこで揉まれたんで、気持ちがS質に傾くということだね。意味としては、「強い相手と戦った」と同じことかな。あと、休み明けで大幅短縮の内回りは、基本的には忙しいのもある。だから余計に、相対的に活性化されるということだよ。


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;なるほど。これからも分からないことがあったら質問しようと思いますんで、よろしくお願いします!あと回顧表のタイプの「NC」って、最近見るんですが、何なのですか?

;あれは「ノットC」だよ。つまりCの要素がないということだね。SL、LSとかが多い。Sが強いわけでも、Lが強いわけでもないタイプになる。他にもNSとかNLとかも書いた方が良いかもね。基本、あそこはスペースの都合上、一文字で表すことにしてたんで、どうしてもS系でもL系でもない馬は、Cがなくても「M」になってて、そうするとM表記が多くなるんで、それを是正しようと思って作った表記方法なんだ。新しいタイプとかではないよ。

;なるほど、そうだったんですね。
 ではデータ分析にいきましょうか。今週はジャパンCです。昨年は天皇賞秋1着後の1番人気アーモンドアイが勝ちました。

;天皇賞秋連対馬は、25頭中15頭が3着以内だよ。数が多いから、とりあえず位置取りで分けてみようか。

;今回の該当馬は、8番手でしたよ。

;それなら前走3角5~12番手くらいで見てみようか。そうすると、12頭中8頭が3着以内だよ。前走1番人気なら、7頭全てが来ている。やっぱり人気に応えて、あんまり疲労のない馬は安定感があるね。2~4番人気だった馬の出走例はないんで、他の5頭は、全馬、前走5番人気以下の人気薄だった馬で、このタイプだと5頭中1頭が3着以内だ。唯一来た馬は、前走7番人気で、前走3角10番手から今回2番手という、かなり大胆な位置取りショックを仕掛けてきた。
 2走前は、国内のレースなら、7頭が1番人気で5着以内。2走前が6着以下だと、3頭中1頭が3着以内になる。今回の脚質は、1~13番手と様々。どちらかというと極端な脚質を取った馬の方が、好走確率はより高くなっているけどね。

;2着には菊花賞1着後の2番人気コントレイルが来ました。ただ菊花賞からはいません。3着のデアリングタクトも、登録のない秋華賞好走馬だったので、前年にいきましょう。





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