今井雅宏「重賞ステップ解析」ダービー

過去の傾向を見るとやはり皐月賞連対馬の成績は優秀。
ただ昨年は皐月賞8着だったヴェルトライゼンデが3着に激走するなど、皐月賞凡走馬の巻き返しが波乱を呼ぶことも。
「Mの法則」の基本に則って好走パターンを解説!

重賞ステップ解析とは

;オークスは本命のアカイトリノムスメが来ましたが、とんでもないのが3着でしたね~。お陰で対抗の10番人気タガノパッションが4着になっちゃいました。

;うーん、ユーバーレーベンは8キロ増でちょうどよく増えていたから、タガノ、アカイ、ユーバーの3連複170倍も買っといたんだけどね。ハギノピリナとは・・・だったよ。

;ほぼ最後方に回る位置取りショックが、追い込み競馬に嵌まっちゃいましたか?

;格上挑戦の馬が取るべき、Mの教科書的な位置取りショックを取ったからね。このレースは逃げ馬がいないんで、単調な平均ペースになるという読みだったんだけど。

;平均ペースの予想想定でしたよね。

;今の超高速馬場で平均ペースなら高速上がりになるんで、外を回った差し馬は物理的に間に合わない。前に行った馬と、内を差す中団までの馬で決まるよ。で、速い上がりを出せて内を突いて馬群を割れる馬は、このメンバーではアカイトリノムスメとタガノパッションの2頭が、一歩抜けている存在だからね。本命対抗にしたんだ。あと緩い流れで縦長になれば、前はほぼ必ず1頭は残るから、ソダシだね。出遅れたら終わりの流れの予定だったんで、スタートは「出遅れるな!」って念を送ってたら、ちゃんとアカイトリノムスメが計算したとおりの好位を取ったんで、これで連対は決まったと、ホッとしたよ。ところが、1000m通過が1分切ってきたんでびっくりした。あの淀みない流れなら、本来は縦長になるはずなんだけど・・・。

;団子状態でしたね。

;縦長でないのにあの通過ラップということは、前の集団はかなり速いペースだよ。その上、密集してるから相当ストレスが掛かる。だから1000m通過タイムとアカイトリノムスメの位置を見たときは、「さすがにあの位置はきつい。ギリギリ3着かなぁ」と諦め掛けたよ。タイトな差し競馬を前目で残すほどには、さすがにタフな馬でもないしね。そのときは、「この流れだと上がりの掛かるパワー競馬向きの外枠の差し馬が来るかな。確か外にそんな馬が何頭かいたはず」と焦った。

;ユーバーレーベンはどうだったんですか?

;レース前、ユーバーは陣営が「外を回す」と話してたんで、ニヤリとしたんだけどね~。今の馬場で軽い上がり勝負になって外なんか回したら物理的に間に合わないし、そもそもそういう単調な流れの外を回す競馬自体も合わない馬だから。これで人気馬が1頭危なくなったと喜んだんだけど、まさかの上がりの掛かる混戦の差し競馬になって、むしろピッタリになったね。ルメールも仕掛けを遅らせたぶん、あの位置でもギリギリ2着には残したけど、他の6着以内は全馬1角で12番手以下の追い込み競馬で、1角5番手から下げたとは言えよく残したよ。パワーもあるけど、ハイペース追い込み競馬を好位で残すほどの体力はないから、あれが精一杯だったね。

;3着に変な追い込み馬が突っ込んじゃいましたよね。ハギノピリナはコンビニプリントとかの全頭解説では、「上がり掛かれば」という解説でしたが、本当に上がり掛かる消耗戦になっちゃいました。

;そんな流れとは全く思いもしなかったから、手も足も出ないね。緩い流れでの内差し競馬なら、初戦で33秒を出したタガノの内差しが決まるというストーリーだったけど、レース質が逆だった。ユーバーに関しては、陣営の作戦聞いて買い目を変えちゃ駄目って話ではあったけど。スタートしてみないと本当に言った通り乗るかなんて陣営さえも分からないし、そう乗った方が良い流れや馬場になっちゃうことだってあるんだから、M的に良い馬をそのまま上位に並べていかないといけなかったのかもしれない。

;平安Sも、10番人気の本命、前残り競馬で大外に出しちゃって4着でしたよね~。あれはショックでした。「仕掛ければ」という解説でしたが、後方でじっとしてたんで・・・。

;左回りの重の延長はピッタリの馬で、前走を踏まえて横山典が勝負をかけて、10番手くらいで競馬をするか、直線で馬群に突っ込むのを期待したんだけど、いつもと同じ乗り方で、特段勝負も掛けなかった。当日は大外の追い込みなんて利かない馬場になったのにね。彼の気持ちと、こっちのイメージが上手くフィット出来なかった。

;いよいよ今週はダービーですので、リベンジということで、早速データ分析にいきましょうか。昨年は皐月賞1着後の1番人気コントレイルが勝ちましたよ。

;皐月賞連対馬は、53頭中26頭が3着以内だよ。数が多いんでまず位置取りで分けると、前走3角5番手以内だと、23頭中10頭が3着以内。来た4頭は、2走前4番人気以内で4着以内だった。と言っても2走前5着以下だった馬は1頭しかいなくて、その馬は人気薄で4着に好走しているんで、疲れのないステップなら悪くない。2走前は若葉S5頭、スプリングS4頭、弥生賞2頭。ほとんどの出走馬がこのステップだったんで、他のステップが不利というデータではない。むしろ主要路線でない若葉Sは6頭中5頭とほとんど来ているように、蓄積疲労の少ない馬がベターということではあるかな。3走前は、弥生賞3着の馬以外は2番人気以内で連対していて、このタイプだと12頭中9頭とほとんど来ている。とはいえ消えた3頭は当日2番人気だったから、圧倒的に有利というほどではないけど。

;皐月賞連対組は先行馬だったので次に行きましょう。2着のサリオスですが、これも皐月賞連対だったんで3着ですが、皐月賞8着後のヴェルトライゼンテが来ました。

;皐月賞6着以下は、104頭中11頭が3着以内だよ。これまでこのコーナーでデータ分析してて、100頭超えるゾーンは初めてかもね~。数が多いんで位置取りで分けると、前走3角5番手以内だと、36頭中4頭が3着以内だよ。

;今回の登録馬はみんな差して凡走していましたよ。

;確かに今年の皐月賞はスローの前残り競馬だったから、そうなるのかな。それなら差して6着以下だった馬を見てみると、66頭中7頭が3着以内だ。うち6頭が3角13番手以内。14番手以降だと22頭中1頭しか来てなくて、その年は道悪だった。基本的にはある程度活性化した方が良い。ただ14番手以降も4着には3頭来ているんで、ヒモ穴ならだね。今回も追い込みに徹するか、思い切ってかなり前に行く位置取りショックを掛けた馬が、4着に来ているよ。2走前も、来た7頭中6頭が3角6番手以内。1頭だけ14番手の馬が来たけど、その馬は前走で差していたといっても4角で3番手まで上がっていたからね。やっぱりどこかで活性化されている馬がベターだ。その2走前は、6頭が連対して残り1頭も3着。3着の馬は3走前に重賞で連対していたし、道悪の年だから少しイレギュラーでもあった。またその馬を除く6頭は、2走前が2番人気以内だったよ。好調で頑張っていた馬が、ストレスで前走力を出し切れなかったという、Mの基本タイプが有利な感じだね。





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