今井雅宏「重賞ステップ解析」フィリーズレビュー

今週は登録数が多くて面白そうなフィリーズレビューを解析!
昨年は1~3着まで全てが前走1400mというローテーションだったが、今年ははたして!?

重賞ステップ解析とは

今井雅宏氏と編集部が先週の結果を分析、そして今週行われる重賞の過去3年を振り返る対談形式のコラム。
そんな馬券的中へのヒントが盛りだくさんのコラムの一部を毎週木曜日になんと無料公開!


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;今週も人気薄の本命が結構来ましたけど、日曜が急な雨になったりして予想は大変でしたね。

;うーん。午後から弱い雨がパラパラ降るかも程度の予想が、朝からずっと強い雨だからね~。いくら何でも話が違いすぎた。阪神も降らない予報なのに、午後から雨だし参ったよ。

;馬体重と馬場が合っているレースがほとんどなかったですもんね。

;当たったレースは、結局数少ない馬体重と馬場が合っていたレースだったよ。

;いつもみたいに、そういうレースで集中的に勝負ですよね。

;なにも設定と違うレースで勝負することはないし、むしろやるレースが絞れてくるから良い面もある。人気薄なら、オッズがつけば想定が違っても悪くはないけどね。そういうこともあって、天気予報が微妙なときは、特に多めに準勝負レースを予想することに、最近はしているんだ。

;なるほど。それで準勝負レースで7レース以上予想する日が増えたんですね。

;そうすれば、馬場と馬体重が合ってるのも、何レースかは出てくるだろうから。中山1Rとかね。

;確かにあれは、休み明けで前走減っていた本命の馬体重が増えてきて、ちょうど良かったでした。

;雨も、1Rだから降り始めで、特にダートは土曜も湿ってたんでほぼ土曜と同じコンディションだったしね。同じ間隔開けた馬体増でも、1番人気の馬は2走前に連対した後に8キロ増で連を外した馬がさらに馬体増だから、当日は少し怪しくなってきたんで期待値的に余計だね。

;結局、馬体重でまともな上位3頭で決まって3連複5650円が3点目的中で、馬連も3点目的中でした。

;あと、小倉6Rの馬連37倍が当たったレースも、本命がちょうど良い感じで絞れていたよ。馬場も、小倉は最初から雨予報だから、雨向きの馬を選んでいるんで、予報通り降っていたからスンナリ決まった。降るんなら、小倉みたいに最初から雨予報なら予想も楽だよ。馬場、馬体重が合ってるレースが少ないときは、しっかりそのレースで勝負だね。他のは準勝負レースも、減りすぎ注意で大きく減ったりとか、走る前に終わってたのがほとんどだったから。

;唯一の6.5点レースだったのも勝負ですよね。土曜も唯一の6.5点レースは、7番人気の本命が来て、対抗の9番人気も来て、ワイド4740円が1点目的中ですから、6.5点レースで馬体重が合ってるときは、いつも以上に勝負になりますね。

;あと、結果的に外しちゃったけど、勝負レースだった阪神8R。あれもまだ降らずに合ってたから、勝負すべきレースだったよ。
今後は、天気や馬場が微妙なときは、当日勝負出来るレースを増やすために、さらに1,2レース多めに予想するレースを増やした方が良いかもだよね。スケジュールがタイトになるから、メインの予想時間を取るのが大変になってくるのをどうクリアするか問題だけど。あとレイアウトとか文字数の問題も、提供しているサイトによっては発生するから、イレギュラーなことをすると調整が難しいけどね。

;弥生賞も、馬体重、馬場ともにアウトでした。本命のニシノデイジーが「絞れて欲しい」で6キロ増で、しかもレースのポイントで「雨が降りすぎるとどうかだが」で降り過ぎちゃいました。

;人気も想定より上がっちゃったしね。馬体重と馬場はM的に見る人は少ないんで、ときに決定的になる割にはオッズに影響しないということになるよ。

;こうなると、「雨がかなり降れば有利」という解説だった4番人気のブレイキングドーンからが良いですか?

;ただ、この馬の馬体増も嫌だよ。そのぶん3着止まりだったのもあるし。

;ニシノデイジーはハービンジャー産駒で重も悪くないと思いましたが、どうして良くないという解説だったんですか?

;いや、重はまずまず得意だよ。これは有馬記念のときのハービンジャー産駒、モズカッチャンと全く同じになる。今回はこの馬に肉体面で微妙にタフな中山2000mで少し蓄積疲労もあるから、酷すぎる馬場になると、この臨戦過程だと体力面でマイナスになる。特に内枠だから、悪いところを走るぶんだね。小回りの内枠の場合は、体力を消耗する度合いが増えるんだ。ただ、今回に関してはそれとは別に、当日は内が悪くて伸びないタイプの道悪になったのが痛かった。最終もみんな内を空けていたように、内を突いたらアウトの馬場に徐々になっていった。あの馬場での太目で、しかも掛かっていて最内突いても伸びちゃうんだから、例え絞れてなくても、想定通りの良馬場か、降ってもフラットな馬場での稍重くらいまでなら100%連対はしていたよ。だからもう一度、レースを見た後に、天気を知らないで予想しろと言われれば間違いなくニシノデイジー本命だ。しかも見る前以上の絶対的な確信を持って本命だよ。レースを見た後だと余計に他の馬は選択肢としてあり得ないことが分かるからね。1着馬は、重じゃないと、そもそも来てないよ。

;全頭の評価が見られるFAXとかの予想では、メイショウテンゲンは「外枠で精神コントロール難しいので、特殊馬場を注文付けて乗れば」という解説でした。確かに極端な重馬場での外伸びと、究極の特殊馬場になりましたね。

;それでずっと外を回っての捲り差しという、注文付けた乗り方を選択したのもあった。この馬は精神コントロールが難しくて、掛かったりして大変なんだよ。だから、土曜の高速馬場の少頭数外枠だと、掛かって終わりになる。それこそハイペースになって、最後方まで下げて一気に捲って、かつ外伸びの特殊馬場でぎりぎりかな。あるいはイン突きか。土曜の状況だと、外伸び馬場ではないので、結局アウトになるだろう。今回は道悪になって、少頭数の外をずっと回っても集中して走れて精神コントロール出来る状態になったから。それで注文付けて乗ったんで、最後まで気持ちが途切れなかったところに、ちょうど外伸び馬場になって嵌まった。あれしかない状況で、本当にそのピンポイントの好走条件が綺麗に揃っちゃったんだ。

;回顧表のオプション1番手も「重」でしたよね。道悪は一度だけ走って1番人気2着だったのに、どうして重巧者だとわかったんですか?

;血統的に重をこなすのもあるし、今話したように、精神コントロールが難しい馬だから。そういうタイプは、余程物理的な理由で重をこなせない限り、ほぼみんな重巧者と考えて良い。下が気になるから、他に余計なことを考えないで走りに集中出来るんで。掛かりやすいダンスインザダーク産駒の重馬場とかと同じ構造になるよ。道悪が得意かどうかは、物理的な巧拙と、精神的な問題が同じくらいの比重である。それと臨戦過程だよね。臨戦過程による疲労状態での重の巧拙については、ここで前に話したやつか、あるいは今号の競馬王で書いた有馬記念の回顧を見ると詳しく載ってるよ。2着のシュヴァルツリーゼの場合は超スローの新馬しか経験してないダッシュ力の弱いハーツクライ産駒だから、土曜の高速馬場だと確実に置かれるんで、かなり上手く乗らないと物理的に間に合わない。道悪で時計の掛かる差し競馬なら、最大の弱点であるスピード競馬への急な対応をしなくて済むから、鮮度と相手強化向きのしぶとさだけを存分に活かせたということだった。

;オーシャンSは14キロ減でアウトでしたよね?

;ステージ変化のない6歳馬が、一気に14キロ減って2年前の連対時最低馬体重をも下回ったら、M的な馬体重理論でなくても、どうしようもないよ。

;メイショウショウブは先行馬が出遅れて、無理に出していって掛かってと散々でした。

;しかも早め先行だから、ああなるとどんな馬でも凡走しちゃうよね。

;あと土曜の勝負レース、早鞆特別はなんとも熱かったですよね~。4番人気の本命が2着で、12番人気の対抗が3着ですから、ワイド3960円が1点目的中という結末でした。

;ペースが緩んだのは少し誤算だった。本命の馬体重が休み明けで14キロ増と良かったから、これは勝負で良いよ。メインなら重賞でなくてもオッズ変化が少ないんで単複で勝負しても良いけど、出来るだけ、単勝は影響が出ない馬単総流し、複勝の代わりはワイドとか3連複流しの方にしてくれると、オッズ変化があまりないんでみんな助かるよね。


;それでは登録数が多くて面白そうなフィリーズレビューにしましょうか。まずは昨年です。昨年は芝1400mの500万2着後の8番人気リバティハイツが勝ちました。

;芝1400mの500万連対馬は23頭中8頭が3着以内だ。同馬みたいに前走が1番人気だった馬なら7頭中4頭が来ているから、弱い相手に適当に走ってきた馬は、やっぱり疲れがないぶん怖いね。ただ前走2番人気以降の馬もそこそこ来ているから、このレースに関しては、それほど重要な要素でもない。位置取りで見ると、前走3角3番手以内の先行馬は、6頭中1頭が3着以内と率が落ちている。弱い相手に気分良く先行した後だと、前半の負荷がきつく感じる確率は上がるからね。唯一来た馬は、前走1番手から今回は5番手と差しに回る位置取りショックを施していた。相手強化でL質からS質に向かう基本的な位置取りショックだよね。同馬は2走前に1600mで8番手と差していたから、バウンドの位置取りショックでもあった。
前走3角5番手以降だと17頭中8頭が3着以内だから、率は上がる。これで2走前が1600mだと8頭中5頭が3着以内で4着2頭、5着以下に敗れたのは1頭しかいない。体力的にタフな経験をしつつ、鮮度がある馬は怖いね。2走前が1400m以下だと9頭中2頭が3着以内と率が落ちる。これで来た2頭は、前走が1番人気1着で、このタイプだと3頭中2頭が来ているから、圧倒的な勢いがあれば、やっぱり怖い。あと2走前の距離に関わらず、2走前が新馬や未勝利だった馬は5頭中4頭が来ているよ。同距離からというステップなんで、鮮度があればあるだけカテゴリーストレスからフリーで有利だね。2走前が500万以上だと12頭中3頭が3着以内と率が落ちる。来た3頭中2頭はその2走前を連対していた。余程の安定感と勢いがないと危ない。唯一2走前が連対してなくて来た馬は、1600mだった。500万以上の1600mだった馬は4着馬が多いこともあって5頭中4頭が4着以内と、さっき見たようにまずまず安定感はあるよ。体力的な優位性と1400m以下続きという距離ストレスを同時に軽減できるのがポイントだ。

;2着のアンコールプリュも1400mの500万連対後ですね。前走差して来ている、確率が高いタイプになりますか。
;で、2走前が1600mの新馬戦だった。鮮度を保ちつつ、距離の多様性も獲得しているということになる。

;3着のデルニオールも全く同じ1400mの500万連対の5番人気でした。これも前走差していて、2走前が1600mという、確率の高いタイプでしたね。

;2走前が500万だけど、3走前が新馬だから、このステップでプラスに働きやすい鮮度馬でもあったね。結局、3着まで1400mの500万組で独占したことになる。この年は前半33.7秒のハイペースなんだけど外枠の差し馬は間に合わないという特殊な競馬になったから、1400mからでスピード対応が出来つつ、鮮度があって馬群を割れる状態という、500万の1400m組にかなり有利なレース質が発生したということは十分考えられるね。




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