今井雅宏「重賞ステップ解析」ホープフルS

今井雅宏の重賞ステップ解析、今週は今年最後の重賞ホープフルS。
相手強化の激流にうまく対応できるかがポイント。

重賞ステップ解析とは

今井雅宏氏が編集部と過去のレースを振り返る対談形式のコラム。
ときどき話が脱線してしまうことも?
そんな馬券的中へのヒントが盛りだくさんの今井氏のレース解析の一部を毎週木曜日になんと無料公開!



編;日曜に単勝26倍の本命が勝って190倍の万馬券が2点目で当たって、重賞の方も阪神カップで万馬券がズバッと来ましたね。馬連4点目での、万馬券10160円的中でした。これは随分と勝負してましたか?

今;前週の朝日杯同様、70点と67点で、3点以内でなかったのは悔しいけどね。万馬券クラスなら5点前後買っても問題はないよ。

編;11番人気のダイアナヘイローを「逃げられなかった逃げ馬」で拾ってたのは助かりました。僕の予想ではノーマークで、気付きませんでしたよ。

今;Mの基本、延長での「逃げられなかった逃げ馬」だから、押さえとかないと駄目だよ。特にこのレースは、相手に選んだ上位3頭中2頭が「道悪どうか?」という解説で、当日かなり降っちゃったから、余計に馬場からダイアナヘイローは買いになってくる。

編;ですよね。馬場見れば3点以内で買えますもんね~。しかも当日は前残り馬場でしたし。

今;本命が絞れなかったけど2キロ増止まりで、「道悪向いて」でかなりの道悪なんで、相殺出来るのもあった。上がり勝負にならなければ、余計にキレ味が要求されないから太目でもね。それでも太いのと前が止まらなかったぶん、捉まえきれなかったわけだけど。

編;先行馬なら多少太くても大丈夫になるっていうのがMの馬体重理論でしたね。

今;特に非C系の先行馬ならだけどね。それとキャリアが浅くて、S質があって、流動的な場合だね。前日にはどのくらい降るか読み切れなくて、外差しをマークして3点以内でなかったのが、どうしても悔しいよ。

編;悔しいといえば、有馬ですよね~。予報と違って、雨が降っちゃいました。

今;天気予報のチェックに予想する時間以上かけて、どこの予報も降らないということだったから、内から乾いて前週の高速馬場に戻ると信じ込んだけど。

編;本命、対抗は、レースのポイントやワンポイントアドバイスとかで、「湿ってるとどうか」というニュアンスの解説で、残った予想上位の2頭で決まりましたし、勝ったブラストワンピースだけが、上位馬では「湿ってれば理想」という解説ですから、みんなもさすがにこっちも、あの雨では買ったんじゃないですか。同点対抗の69点でしたし。

今;だと良いけど、どうかな~。本当に申し訳ないよ。

編;パフォーマプロミスは「ダッシュ付かないので乾いて欲しい」で当日急な雨になって、「大幅増減注意」で10キロ増では、ダブルのアウトでしたから。モズカッチャンの、延長で体力微妙なんで「上がり34秒台が理想」も、夢のまた夢という馬場になっちゃいましたし。

今;とにかく悔しくて仕方ない。今でも思い出すだけで叫びたくなるよ。せめてウェザーニューズくらい、昼から雨という予報、出せなかったものかな~。どこのレーダーも、レースまで雨雲掛からない予報だったもんね。

編;LINEでは「この雨ならブラストワンピースの単勝買うよ」っていうことでしたが、やっぱりあれだけ降ればですよね?

今;短縮の体力補強がより効いてくるし、レースのポイントとかで解説したように湿ってばらける競馬がベストだし。あと、今回は8番手以内に入って逆ショッカーを決めるかどうかが重要だから、大好きな道悪なら余計楽なペースで好位が取れて、余裕で逆ショッカーを完成出来るだろうしね。

編;そのあと僕がLINEで、「これだけ降ればキセキも買おうと思います」って送ったら、それには無反応で、スルーされちゃいましたが(笑)、あれはまたどうしてですか?

今;キセキは道悪巧者だから、確かにあれだけ降れば怖いけど、この馬は道悪以前に心身疲労がきついから無印にしたわけで、むしろ力を要求される馬場になれば余計に疲れの影響が出やすいという負の部分もある。ミッキーロケットには「湿った馬場になれば」って書いたけど、キセキには書いてなかったろう?

編;なるほど、そうでしたね~。

今;とはいえ、あれだけ降れば極端な前残り馬場になる可能性も怖いんで、「いや来ないよ」とも言えないから、スルーしたんだけど。結果、内馬場が雨で荒れて外差しになったこともあって、あっさり交わされたけど。馬場があそこまでいっちゃうと、逃げ馬の場合は馬場と展開に嵌まり切っちゃう場合があるから、ストレスがあってもさすがに「来ない」という確信までは持てないかな~。

編;終わってみればいつもと同じで、馬体重と馬場というのを再認識したレースでした。今回の有馬記念の「レースのポイント」みたいに、他のレースでも詳しく、当日の馬場とかの注意ポイントを解説しておいて貰えませんか?モズカッチャンの解説みたいに、理想的な上がりまで書いてくれると、かなり馬場のイメージとかも出来やすいですが。パフォーマプロミスの「湿るとダッシュが付かなくなる」とかも、具体的でレースのイメージがしやすくなりますし。

今;予想は、時間が結構ないんだよね。特に天気のレーダーとか最後まで見てるときは、締め切りぎりぎりになっちゃうから。今回みたいに、馬場がよく分からないで、天気に左右される要素があまりに強いときは、なるたけ今回同様に詳しく馬場の注意事項も解説しておきたいとは思うけど。大きいレースならだけどね。

編;よろしくお願いしますよ~。


編;それでは今年最後の予想、ホープフルSですね。一応、重賞になってからの4年間でデータは見ていきましょうか。

今;そうだね。それに加えて、データが少ないときは、OP特別時代の話も参考に交えながらやろうか。

編;では昨年ですが、京都2歳S2着からの1番人気タイムフライヤーが勝ちました。

今;京都2歳S連対馬は2頭中1頭、つまりこの馬が来ている。もう1頭は同じく1番人気だったけど消えている。データが少なすぎるんで、OP特別時代もあわせて見ていくと、5頭中2頭が3着以内になる。来た2頭は前走1番人気だった。やっぱり、いつものように前哨戦連対だけに、激走でない馬の方が疲労が少なくてベターではあるね。

編;先週もキセキがこのタイプのデータにきっちり引っ掛かって、2番人気で消えましたもんね~。

今;もちろんこれも、別に1番人気でなくても、激走でさえなければ良いわけだけどね。あと、タイムフライヤーは前走3番手から今回16番手と、大胆に後ろに回る位置取りショックを施して来た。これもいつもと同じで、心身疲労がある状態で前走よりタフな条件へ向かうときの、疲労軽減方法としては、Mでは基本とされる位置取りショックだった。実際、激流になったし、そのまま前に行ってたら連対出来なかったんじゃないか。

編;2着のジャンダルムは、デイリー杯連対後の4番人気でしたが、デイリー杯連対馬の出走はないので3着です。3着には2000mの新馬1着後の8番人気ステイフーリッシュが来ました。

今;1800m以上の新馬勝ちからは、7頭中4頭が来ている。来た4頭は前走3番人気以内。このタイプだと、5頭中4頭が来ているから、やっぱり激走でなかった馬は、鮮度もあるし怖いね。今回の脚質は、来た4頭中3頭が3角9番手以降、4角でも7番手以降だから、かなり仕掛けを遅らせたタイプ。これも同じだね。相手強化の激流で脚を矯める形だ。ただ残りの1頭は3番手と前だったけどね。その年はラスト3ハロン全てが12.5秒以下で、最後の2ハロンは11秒台だから、上がりの競馬になって、1,2着が先行馬だった。サンプル数が少ない位置取り系のデータだから、流れ次第で前が有利な年なら残る可能性もあるって感じかな。それと極端な脚質、つまり好位から流れの只中に入るような脚質でない方が、一気の相手強化だけに有利というタイプのデータではあるね。



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