今井雅宏「重賞ステップ解析」ヴィクトリアマイル

前哨戦の結果と本番の着順がなかなか結びつかないGⅠ。
そんなレースこそ「Mの法則」の出番!
カテゴリーストレスから解放される仕掛けを見つけ出せ!

重賞ステップ解析とは

今井雅宏氏と編集部が先週の結果を分析、そして今週行われる重賞の過去3年を振り返る対談形式のコラム。
そんな馬券的中へのヒントが盛りだくさんのコラムの一部を毎週木曜日になんと無料公開!


さらに週末のメニュー
・土曜日の「厳選!勝負レース!」に2年前のレース解析
・日曜日の「厳選!勝負レース」に3年前のレース解析+ワンポイントアドバイス
が掲載されます!

週末のさらなる解析はこちらから!



;先週はまさかの外差し競馬でしたね~。

;うーん。突如、日曜になって外追い込みバイアスが発生したね。1つ前のマイル戦だった湘南Sが、上がり33秒前半を出した馬が外から追い込んで上位独占だから、ビックリした。33秒台で上がって強いタイプの、速い上がりを出せる差し、追い込み馬以外は用なしの馬場で、あれを見て、さすがにきついと思ったよ。速い上がりを出せる外の追い込み馬なんていう考えは全くなかったからね。ハイペースでも内と前が残る消耗戦の馬場で、前目に付けた好位組がインからしぶとく伸びて上位独占みたいなイメージだったけど、全く逆の馬場だった。前日、突如の雷雨だったんで、内から乾いていって内が伸びる少しタフな馬場と考えてたけど、その内が伸びないとは普通の雨ではなかったということなのかな・・・。たぶん主催者側も週中は先行馬有利で、差し馬は内が有利の馬場になると考えてたんだろうけど。ダート路線でパワーがあって鮮度もあるから、消耗戦の内伸び競馬向きのグルーヴィットだったけど、上がり勝負の追い込み馬場だと切れ負けしちゃうよ。

;ずっと前が壁で、まともに追えませんでしたね・・・。

;切れる一瞬の瞬発力がないから、上がり勝負で壁の中に入ると、抜けてこられないということもあったかな。ただ、このレースはデムーロの好騎乗に尽きる。事前のコメント通りに先行して早めに動いていたら、あの馬場だと勝てなかったね。伸びる外枠ひいて、外差し馬場での理想的な差しにまわる位置取りショックを仕掛けてきたから、最初のコーナーで思わず「え?行かないでそこにいるのか。あぁ、やられた」って呟いちゃったよ。速い上がりも出せるんで、ピッタリの流れだしね。とはいえルメールも外枠ひいてたら、当日の馬場を見て、デムーロと同じように乗ったとは思うけど。

;ルメールの方は、1.5倍の断然人気でしたが、評価は5番手と低かったですね?

;揉まれ弱い馬が、先行馬が多くて内目をひいたからね。揉まれてアウトの可能性がそれなりに高い。人気2頭なら、アドマイヤマーズの方が先着するだろうという判断だった。桜花賞みたいにペースが緩めば内枠でも勝てるだろうけど、あそこまでペースダウンするとも思えないしね。もちろん外枠だったら、さっきも言ったように、あの馬場見ればルメールもデムーロみたいに差しに回る位置取りショックを仕掛けて、揉まれずに伸びる外々を回って連対はしたんじゃないかな。揉まれ弱いから、控えるっていっても、あの内目の枠ならそう上手くもいかないんで、中途半端に出していくしかない。だけど、出していけば外から差される馬場だからね。もうレース前から揉まれ弱いこの馬にとっては八方塞がりの馬場になったんで、9Rを見た後ではほぼ来ないだろうというのは分かったよ。まぁ運良く出遅れて、最後方から外に出せば、あの外差し馬場なら揉まれずに突っ込んで来た可能性もあるけど、スタートで出ちゃえばもうアウトだよね。武の逃げ馬とかなら、断然人気でもなにも競り掛けないでスローの逃げ切りとかもあるのかもだけど。いずれにしてもGW中で馬体重も上手くいかない馬が多くて難しい週だった。

;では1週休んだということで、また隔週で万馬券を当てて貰いたいと思いますよ~。今週はヴィクトリアMです。昨年は阪神牝馬S5着後の8番人気ジュールポレールが勝ちました。

;阪神牝馬S3~5着は、6頭中3頭が3着以内だね。ちょっとサンプルが少ないんでしっかりした分析は難しいけど見ていこうか。牡馬のパワー系のレースだと、前哨戦で中途半端に頑張った馬というのは良くないケースが多いんだけど、牝馬限定ということもあって、相性は悪くないね。人気薄が2頭来ているし。ただ2番人気以内の馬は1番人気2着と2番人気8着に終わったから、人気だからといって安心も出来ない。もちろん、同距離の重賞でそこそこ頑張った馬だから、カテゴリーストレスが薄い方が有利。来た3頭中2頭は3走前が条件戦。だから実績がないんで、7番人気と8番人気だったわけだけど。

;そのぶん、鮮度が高くてカテゴリーストレスが薄かったということですね。

;そうだね。3走前が条件戦でなくて唯一来た馬は、前走が1番人気3着だから、3着といってもむしろ凡走で疲れはなかったし、3走前は2200mのエリザベス女王杯だった。来なかった3頭は逆に、3走前が1600m~1800mの重賞だったよ。やっぱり1600m近辺のトップクラスカテゴリーストレスが薄い方が有利だよね。もちろん3走前が中距離重賞でも問題はないけど、その場合は2走前か、それ以前でも良いんで、上手くカテゴリーストレスから解放される仕掛けがあると良いね。

;2着ですが、これも阪神牝馬S3着後の1番人気リスグラシューで、同じ阪神牝馬S3~5着のゾーンです。

;そうだね。これが唯一、3走前が重賞で来た馬になる。それと同時に、2走前が1600m近辺の重賞だった馬で唯一来た馬でもあるね。そのぶん、3走前は2200mだったし、4走前は3歳限定の秋華賞だった。古馬の芝マイル重賞はまだ3戦目で、その前もクラシック路線だから、3歳時はしばらく1800m以上だったし、鮮度は十分担保されていたことになる。それに加えて、さっきも言ったように前走も1番人気3着と、疲れを残したものではなかったよ。

;3着のレッドアヴァンセは阪神牝馬S2着後の7番人気でした。

;阪神牝馬S連対馬は、6頭中3頭が3着以内だ。5割と率が高くて相性が良いね。ただ当日4番人気以内の人気馬は、4頭中1頭しか来ていないから、安心も出来ないよ。

;これはいつものパターンですね。人気馬の方が確率が低いということは、カテゴリーストレスの問題ですよね?

;そうだね。まぁ1600mになってサンプルが6頭だけだから、きっちりしたデータ分析は難しいけど、だいたいのイメージは持っておいた方が良いから、ある程度詳しく見ていこうか。来た3頭中2頭は2走前が準OP。実績がないから人気がないけど、そのぶんこのステップ最大の問題である、トップクラスカテゴリーストレスが薄いんで有利になるということだね。そこさえクリアしていれば、なにせ同じ距離のGⅡを連対しているから、適性、調子、実績、その全てで他を上回っているんで、マイナス面はMのストレスだけということになるわけであって、そこさえ何らかの形でクリアしていればむしろ有利にもなる。で、残り1頭の来た馬は2走前がジャパンカップ。距離も全然違えば、牡馬混合でカテゴリーも違うし、レース間隔も開いているからね。挙げ句に8着惨敗だから、余計にストレスの問題は前走以外は皆無だった。2走前が1400mや1600mの重賞で勝っていた馬は2頭とも消えたよ。ただ、その2頭は2月の重賞だったからね。レース間隔を開けるとか、それまでのレースでカテゴリーストレスを免除するようなステップを組んでくれば悪くはないだろう。あとその2頭は前走逃げていたのもある。逃げていれば当たり前だけどMのストレスは増すんで、そのぶんのダメージもあったから仕方のない面はあった。それと、来なかった3頭は前走勝っていた。2着ならそこまでのダメージはないのかもしれない。どうせ連対してストレスを残すなら、牡馬のチャンピオン系のレースだと2着よりは勝っていた方が有利なんだけど、牝馬の場合はそういう構造はあんまりないんだよ。強引なS質主導ではないから、単純により心身疲労のない方が有利になるケースは多い。
 ただ、この辺の細かいデータは、まだ6頭のサンプルだからどれもそれほどは単体で確固たる意味のある話でもないかな。それでも、これら全てが指し示していることは、ストレスの問題に集約されるのもまた事実なんで、そこをどういう形でクリアしているかがポイントになるだろうね。




この続きは週末のメニューで!

土曜の「厳選!勝負レース」に17年、日曜の「厳選!勝負レース」内に16年分が掲載されます。
ぜひ予想と合わせてご覧ください!