キムラヨウヘイ オールカマーの有力馬診断

※印は[★激走候補~△有力~▽軽視~―無印」を表します

―アウトライアーズ 牡6 丸田 56 小島茂(美浦)
ヴィクトワールピサ牡駒で、古馬以降に重賞OPクラスで好走したのはアウトライアーズの前走小倉記念3着が初めての出来事。
気難しさが出てきて早期には走れても、息の長い活躍はできぬという産駒傾向になっています。
そのアウトライアーズもその気難しいヴィクトワールピサ産駒の典型で、4歳以降は何よりも折り合いが鍵になってくる馬となっており、好走善戦しているのは小倉記念みたくHペース競馬で折り合いOKで展開にも恵まれてのレースのみです。
ココは確固たる逃げ馬不在でペースが流れる見込みも薄く、更には距離延長となると…ヴィクトワールピサ古馬らしい難しさを出しての逆噴射になる可能性の方が高い。


―オウケンムーン 牡5 北村宏 56 国枝(美浦)
近年地位向上目覚ましい共同通信杯の勝ち馬ですが、
このオウケンムーンが勝利した18年の同レースは例年の様に重視できる重賞レースでは決してありませんで…寧ろ春3歳牡馬世代重賞の中で最下層レベルの一戦でした。
その次走の皐月賞では共同通信杯馬ブランドで5人気に推されていましたが、その後の皐月賞ダービーと完敗を喫したのがコノ馬の実力と言って良いでしょう。
そもそも能力疑問である上、カレンブーケドールの欄で詳説している通りワケ有りの証である“国枝厩舎の坂路オンリー調教”であるココでは静観が妥当。


△カレンブーケドール 牝4 津村 54 国枝(美浦)


まずは2走前ジャパンC5人2着時の有力馬診断を参照↓
『これはオークス後から一貫した見解ですが、3歳牝馬の頂点馬はコノ馬と見ています。そして、秋華賞予想時に記した通り、その最高の姿は今シーズンは見せるのは難しいのではないかと見ていました。

それは今春シーズンは蹄不安なく追い切りもウッド主体でバリバリやれてたのに対して、今秋復帰戦の紫苑Sでは蹄にレベルの高い補正を施して姿を現して、低調な組み合わせにもかかわらず3着止まりという体たらく結果だったから。
陣営曰く交突(前脚と後脚の追突)の影響との話でしが、秋華賞に向けても依然としてワケ有りの証である坂路オンリー調教で、当日にはテレビ画面からも視認できる程に広い範囲に補正を施しての出走態勢。
結果として、叩き2戦目で内面の良化は顕著で好走したのでしょうが、それでも異状を抱えたままの蹄問題が根本なのかオークス当時のパフォーマンスには及ばずでした。
(※結果的に秋華賞好走しましたので、当時の見解についてはガセネタ等の言われをしましたが、3着シゲルピンクダイヤ・4着シャドウディーヴァという好走馬の低調な顔触れからも、冷静にパフォーマンスを見ればオークスよりも1枚落ちだったのは間違いない所だったと思います。)

紫苑S以降の蹄不安は事実(それに伴ってのパフォーマンス劣化も事実)、国枝厩舎の坂路調教とウッド調教の成績格差も事実…そんな中での秋華賞善戦から、今回ジャパンCに向けては今秋初めてウッドコースで調教時計を出してきました。
あとは最終追い切りの調教場に注目…もしもウッドコースで本追い切りをこなせる様ならば、秋華賞よりも走れる状態と見たいです。』
・・・
そのジャパンCは最終追い切りでウッドコース調教解禁で、春のオークス当時のパフォーマンスを取り戻しての激走。
結果的には蹄不安を引きずって坂路調教オンリーの2戦で大きく落ち込み、それを払拭して勝負調教を施されたオークスとジャパンCでは世代最高級のパフォーマンスを繰り出したという経緯です。

そして肝心な今回どうなのかですが、相変わらず蹄の補正は見られて、3週前と2週前こそウッド調教だったものの1週目追い切りは坂路調教…もしもこれで最終追い切りが坂路とすると、レース直前になって2週にわたってトーンダウン調教というのは怪しさを指摘できます。

ちなみに、京都記念後に『クロノジェネシスの一つ上のノームコアも4歳秋に本格化しましたが、そういう成長力が見込めるのは早熟ディープ産駒のカレンよりもクロノだったというコトかも知れません・・・カレンブーケドールの世代頂点体制は終わりかけている』と記しましたが、そのクロノが強くなり過ぎているというだけで、カレンの能力は頂点を譲っているとしてもこのメンバーでは上だろうと見ています。


―サンアップルトン 牡4 柴田善 56 中野栄(美浦)
2走前サンシャインSは先行勢がやり合う格好で差し追い込み有利展開のレースとなり…それに恵まれての勝利。
前走日経賞も外有利馬場で毎度前崩れ展開を演出するヤマカツライデンの先導もあって差し追い込み有利のレースとなり…それに恵まれての4着健闘。
ココに入れば能力的にも評価はし辛くて、距離短縮二二も含めてやや厳しいか。


★フィエールマン 牡5 ルメール 58 手塚(美浦)※回避
フィエールマンの母リュヌドールの仔は虚弱傾向。
国内での第一子は死亡、第二子リュナティクはデビューできずに繁殖入り(ちなみにその第一子リュナシスもシルクで募集されるもデビューできずに引退)。

デビューできた姉ルヴォワールは体質が弱くてほぼ全戦休み明けローテでのレース起用で、唯一連戦ローテで出走だった現役最終レースでは心房細動&脚部不安を発症して引退。

妹ルーツドールは新馬戦で衝撃パフォーマンスを見せるも、中7週で挑んだシンザン記念では惨敗。

弟ラストヌードルも新馬戦快勝後は振るわずで、9カ月近い長欠を挟んで体質強化に伴って4歳以降からまともに走れる様になった経緯。

デビュー率も低く、連戦ローテ時の好走率も低く、そもそも連戦ローテを採用されていないことからも…相当虚弱体質の血統背景だと捉えられます。

このフィエールマンにしても、きょうだい同様にこれまでの休み休みのレース起用となっている通り、ローテーション(余力の面)が鍵になる馬だと見られます。
それは4走前札幌記念では『天皇賞(春)の疲労がだいぶ残っていたので、状態はまずまずといったところでした。毎回3カ月ほど間隔をあけて走ってきましたが、回復にもう少し時間が欲しかった』との談話だったり、天皇賞春の後に宝塚記念参戦を予定するも白紙になったコトからも読み取れます。

上記からは、間隔詰まっての海外遠征だった3走前凱旋門賞よりも、そこから中10週で遠征帰り初戦だった2走前有馬記念よりも…デビュー以来最長間隔となる中20週の今回は走らねばならない局面です。



▽ジェネラーレウーノ 牡5 三浦 56 矢野英(美浦)
皐月賞はHペース先行で激走、ダービーはSペース先行で失速、セントライト記念は平均ペース先行で激走、菊花賞はSペース逃げで大失速、AJCCはスローペース先行で善戦止まり。
つまりはHペースを好むキャラなのですが、ただし前走AJCCでは田辺騎手の消極的過ぎるようにも見えた騎乗にも批判が集まりましたが、ソラを遣う癖から逃げる競馬は避けたいという難儀な側面もあったりします。
そんな理想のHペースを作ってくれる他馬の存在の上で輝けるという馬で、前走AJCC以上に他に前に行きたい馬が見当たらない今回メンバー構成は結構難しい競馬を強いられそうで。


△ミッキースワロー 牡6 横山典 57 菊沢(美浦)
揉まれ弱さあって基本的には外回し競馬しかできないタイプ。2走前日経賞は外差し馬場で外回し競馬で好走、前走天皇賞春は通常では同戦法は不利ですが今年は外有利馬場となった分で自ずと有利な走りができたのが主な好走要因で…ただし今回もこの少頭数立てならばその敗因は起こらないはず。
過去の掲示板外凡走は道悪時のみですが、今週末の雨予報無しの天候もプラス。
あとは例のG2マイスター横山典騎手(今年も重賞勝利はG2レースばかり&ミッキースワローでも4連対中3連対はG2レース)の騎乗で…こういう先を見据えた参戦の馬ばかりの見え見えのスローペース戦こそ、鞍上の技術と独創力の生かし所となるワケです。


※先週3日間開催のため、今週分の「第二重賞の有力馬診断」はお休みとさせていただきます。ご了承ください。

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