今井雅宏「重賞ステップ解析」天皇賞秋

今井雅宏の重賞ステップ解析がリニューアル!
今週は豪華メンバーが揃った天皇賞秋!

重賞ステップ解析とは

今井雅宏氏が編集部と過去のレースを振り返る対談形式のコラム。
ときどき話が脱線してしまうことも?
そんな馬券的中へのヒントが盛りだくさんの今井氏のレース解析の一部を毎週木曜日になんと無料公開!

さらに2年前の「レース解析」が土曜日、3年前の「レース解析+ワンポイントアドバイス」が日曜日に配信される「厳選!勝負レース」内にそれぞれ掲載されています。

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(通常レース当日午前1時より配信開始!)



編;先週もまさかのスローでしたね。

今;うーん、あれだけ先行馬が揃ってスローとは、いくら何でもビックリだった。先行馬はみんなパワー型なのに、控えたら掛かって精神コントロールを失うし、団子状態の上がり勝負になったら無理なのにどうして控えちゃうのか。結果的に折り合わせた速い上がりを出せる馬の競馬、菊花賞らしからぬ直線だけの速い上がりの差し競馬になっちゃったから、想定と全然違って読めないよね。

編;アフリカンゴールドはスローの外々回ってアウトでした

今;あの競馬だとね。物理的に、スローでの前崩れ競馬で、外々回っての先行策でも来る馬は、あのメンバーの中では外人が乗って無理矢理折り合わせた場合のエタリオウくらいしかいなかったよ。そのエタリオウだって、あの位置なら怪しいだろう。あとの馬は同じ位置なら凡走だった。しかも馬群に入れた方が良いタイプだっただけに、余計にスローの大外では精神コントロール出来なくなった。しかも入れ込んだ状態ではね。

編;そういえば、「入れ込み注意」で、パドックでかなり入れ込んでましたね。

今;入れ込んでの馬体減だから、反動が出ちゃったのはあった。反動が出るかどうか、一か八かの選択だったんで、悪い方に出ちゃったんだけど、そこはオッズとの期待値での賭けだから仕方ない。ステイゴールド産駒の場合は、その辺は紙一重だから。

編;エタリオウとユーキャンスマイルの馬券は結構買ってましたよね?

今;パドックと馬体重見て、同点対抗のエタリオウからもかなり買ったけど、上がり勝負になってディープインパクト産駒のフィエールマンに来られては諦めも付くよ。日曜の朝、穴ならユーキャンスマイルにすべきだったんじゃないかって夢でうなされて起きたんだけどね(笑)。どうしてもキングカメハメハ産駒が勝ちきるイメージが湧かなくて67点にしたんだ。母父のダンスインザダークがポイントだったけど、結局一押しは難しかったのかな~。何れにせよ、あの流れで、あの競馬をして接戦に持ち込んだエタリオウは強かったよ。スローの外を追い上げても折り合わせちゃうのがルメールの恐ろしさとは言えだよね。解説したように、坂の下りで加速する京都適性が抜群に高い馬だ。

編;外人と言えば、富士Sも外人のワンツーで、ワイドでの1点目的中になっちゃいましたね~。内容はレッドアヴァンセが一番強かったですが。

今;あれもずっと大外回って早め先頭の横綱相撲だったぶん、他の馬に上手く乗られたら足元をすくわれちゃうよね。2レースとも、上がり勝負になると折り合わせる技術差がどうしても出やすいんで、その辺の差は出た。ハイペースの激戦だと、考える暇がないぶん、そんなに騎手の差が出ないんで、理詰めで読みやすいけど、この秋は妙に上がり勝負が多いから。

編;ところで、逆ショッカーのロードカナロア産駒とオルフェーヴル産駒、指数が出て使いやすくなりましたね。秋華賞も出てましたし。

今;ロードカナロアの中距離は高い指数になっているよ。ただダートだとむしろ短い距離の方が指数は高い。オルフェーヴルはダートの中距離が比較的良い数字になっていよる。あと、騎手だけど、変動が大きい数字なんで、そろそろまた変えないとだね。基本は種牡馬とコースの逆ショッカー指数に重点を置いて判断した方が良いとは思うよ。

編;ノヴェリストとかもそろそろ欲しいんですが?

今;もうちょいデータが揃ってからじゃないのかな。一応、取り敢えずの数字を作っても良いかもだけど、適当な数字を載せるってわけにもいかないし、難しいところだよね。

編;では、今週は古馬GⅠ戦線の第一弾、楽しみな天皇賞ですんで、早速データ分析にいきましょう。昨年は宝塚記念9着後の1番人気キタサンブラックが勝ちました。ただ宝塚記念惨敗馬の登録はないので2着です。2着には宝塚記念1着後の2番人気サトノクラウンが来ました。

今;宝塚記念連対馬は、11頭中6頭が3着以内だよ。レース間隔が開いて距離も違うからストレスの影響が少ないぶん、確率は高い。ただ3番人気以内の人気馬でも3頭消えているから、絶対というわけでもないけど。比較的確率が低いのが、今回3角7番手以降になった馬で、8頭中5頭が消えている。それでも3頭来ていて、そのうちの1頭は5番人気だったから、そんなに悪いわけではないけど、スタートの悪い馬やダッシュ力が弱い馬はリスク要因にはなっているね。ただ15番手以降の馬は2頭とも来ているように、極端な脚質の場合は流れ次第だけど。あと2走前に連対していた馬も、7頭中5頭が来ていて、安定感がある。それと道悪の年も6頭中4頭と確率が上がっている。パワーの要る宝塚記念から軽い東京だから、レース摩擦が強くなった方がベターだね。実際、昨年は不良馬場で力が要ったから、宝塚記念組が上位を独占したというのもあった。休み明けで肉体疲労が少ない点も、タフな馬場ではより有利に働くのもあるしね。

編;3着のレインボーラインも宝塚記念からで、5着後の13番人気でした。

今;宝塚記念3~5着馬は、10頭中4頭が3着以内だよ。来た4頭中3頭は前走3角4番手以内だった。唯一後ろだったのがこのレインボーラインだけど、昨年は不良馬場だったからね。基本的には休み明けの短縮で軽いレースになって巻き返すわけだから、機動力があった方がベターだよ。そのレインボーラインにしても、前走の4角では6番手に押し上げていたし、今回も4角で5番手まで押し上げていたからね。これが良馬場だったら、レインボーラインの機動力で休み明けだと、4角ではもう少し後ろになったんじゃないのかな。あと来た4頭の2走前は連対していた馬が2頭で、残りは12着と14着だった。勢いと実力がかなりあるか、逆に蓄積疲労が少ないタイプが、より面白いという感じのデータになってるね。