キムラヨウヘイ 天皇賞春の有力馬診断の総まとめ(前編)

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

〇シュヴァルグラン 牡6 ボウマン 58 栗東 友道
まずは前走大阪杯時の見解を参照↓
https://twitter.com/jou_syou/status/978571173758844929
個人的には未だに距離二千で4番人気まで推されるのがビックリでしたが、本年重賞で最も簡単に切り捨てられた危険人気馬でした。

天皇賞春を獲る為に(負荷掛かる)春天主要前哨戦レースを回避してきて、そして天皇賞春を出走した後は宝塚記念に向かわないで休養入り予定という…もはや天皇賞春1着にしか興味が無いと言わんばかりの異例メイチ戦略です。
そんな非好走目的の前走大阪杯大敗はノーカウントと見て良いですし、[鞍上(ボウマン来日)・本気度(楽に賞金獲得できる阪神大賞典を捨てての春天獲りメイチ)・適距離長距離戻り・最適外回りコース]など全ての条件が好転するココはまともならば好勝負必至でしょう…ちょっと1週前調教までトーンが上がり切らないのが少し気になるので最終追い切りまでは堅軸評価は保留ですが。。


―トミケンスラーヴァ 牡8 秋山 58 美北 竹内
条件クラス時代からハナならば好走傾向あって、それが叶えられ易い中長距離路線に打って出て連勝を収めた経緯。
ただしその3走前万葉Sは2着馬も4着馬も前走準OP凡走馬という実質準OPに近いレベルの一戦で、本当にOP特別通用級の能力を備えているのかすら怪しいと言わざるを得ません。


▽レインボーライン 牡5 岩田 58 栗東 浅見
適性面では天皇賞春には直結しない阪神大賞典勝利馬。
阪神大賞典は真っ当にスタミナ問われる勝負になりがちで、逆に天皇賞春は生粋のステイヤーはほぼ通用していない様に内有利高速馬場条件で立ち回り・スピード性能も問われてくる分。

コノ馬は折り合い不安もあって常に後方から不器用な取り口になりがちという馬で、昨年天皇賞春ではあのデムーロJにも最後方追走を選択させたような…本年天皇賞春でもそれに近い競馬が濃厚で、となればどんなにステイヤー能力ある馬でも届かないというのが典型的なパターンである。

また、ステゴ産駒の気の強さ故から、一戦毎に全力を出し切って消耗し過ぎてしまう面がある馬です…結果的には前々シーズンも前シーズンも休み明け初戦がベストパフォーマンスでした。

前走阪神大賞典もヌルい競馬ではありませんでしたから尚更その面でも不安要素アリです(その一つの目安としては、2戦目以降でも馬体重落とすと低調傾向で、馬体重維持ならキープ傾向が認められます)。


▽サトノクロニクル 牡4 川田 58 栗東 池江寿
これもレインボーライン同様に、阪神大賞典らしい消耗競馬だからこそ得られた上位着順だった馬。

5走前セントライト記念は追い出し遅れてのキレ負け…3走前チャレンジCは加速ラップ部分では劣勢になりそうなシーンもあったが、2度目のデムーロJの手綱捌きによって上手く使える脚の長さ勝負に持ち込めた分での好走。
前走も対レインボーラインでは加速力不足でそのせいで挟まれる不利も受けたが、それでも総じて非加速力勝負で当馬のシブトイ脚が生きる展開になっての浮上だった。

この春天に於いてはやはりこの様な不器用な取り口な差し馬は、恵まれない可能性が高い条件であるというのは忘れてはならない。
また、チャレンジC後にも『コノ馬が鬼門としていた下り坂京都でのスパート勝負など、まだどの条件でも安泰というワケではない』と書いた通り、京都コース替わりというのもマイナス材料になる可能性があります。


▽クリンチャー 牡4 武豊騎乗停止→?? 58 栗東 宮本
まずは前々走京都記念1着後の回顧文抜粋を参照↓
『他馬を気にする面が強くて、故にスタート地点で他馬に先回りされると前に行けない性質があるという難儀な先行馬なのだが、それについても少頭数立てと車間距離広がる道悪外有利馬場で難を出さずという幸運。
前走菊花賞も今回京都記念も見た目は強い競馬なのですが、それが果たして良馬場多頭数激戦で再現できるかと言えば結構疑問残る…それが仮に長丁場の春天だとしてもだ。』
・・・
前走阪神大賞典の直接的な敗因は序盤から相当折り合い面に苦労したコトで、それで楽ではないペースを前で追走して3着粘り込みならば内容としては強い方だったと言える…そういう敗因分かり易い負け方だったので今回春天でも上位人気必至だろうが、ただし実は根深い問題も露呈した楽観視できない負け方だったのではないかというのが当方の見解。

確かに前走のレース振りからは“折り合いさえまともならば”となるのでしょうが、その前提が果たしてどの程度の確度であるのか。

前走の折り合いを欠いた引き金としては他馬(カレンミロティック)との接触があった様に見えて、その後は馬群を嫌がる様に外に行きたがるシーンが続きました…それこそ上記の通りの“他馬を気にする面が強くて”が根本なのではないでしょうかと。

となれば、もっと頭数増えて激戦必至の天皇賞春でも安泰とは言えません…そこで前走後には『ユタカマジック頼み(お得意の逃げor番手の積極策の手で全てを解決)』と書いたのですが、その頼みの武豊も騎乗停止で失った以上は…果たしてクリンチャーを一発回答で導ける鞍上というのは果たして居るのだろうか…?


━━━(後編) へ続く。